概要
発動機などの機械や自動車や鉄道車両といった乗り物の完成、又は修理後において、現場に引き渡す前に実際に運転し、新製車として要求されている仕様あるいは修理前と同じ水準通りに正しく作動しているが確認する作業でのことである。
鉄道
鉄道車両は新製時や全般検査・中間検査完了後、営業運転前に試運転を行うことが義務づけられており、全般検査を行う大きな鉄道工場や車両製造会社においては構内試運転線を有するものもある。また車両基地へ戻された(あるいは新製配属された)際も更に本線試運転を行い、その上で異常が無いことを確認した上で晴れて営業運転に使用される流れとなる。
自動車
また自動車も新車生産の最終工程における「完成検査」の一環として、あるいは競技車のシェイクダウンを初め、チューニングや整備後に必ず試運転を行う。自動車の生産工場においても鉄道車両の試運転線と同じく構内にテストコースが存在している工場もある。(メーカーによっては寒冷地などに研究目的のテストコースを設ける事もある)
船舶
船舶の場合、試運転に相当するのは海上公試と呼ばれる。進水後、艤装工程がほとんど完了した後に行う流れとなる。なおこの公試には必ず造船メーカーや船主側の検査官が立ち会う。またこの際に公式写真が撮影される事も多い。一般商船の場合は通常数日で終了するが、護衛艦など特殊な大型艦艇の場合は数ヶ月間にも及ぶこともある。この公試で異常が無ければ最終艤装工事を行い、造船所から船主へと引き渡される。
航空機
航空機の場合、試運転という言葉は整備後に地上で発動機を発動させ、エンジンにおいて異常が無いことを確認する場合を指す事が多い。
整備後に実際に機体を離陸させて性能確認の飛行を行う場合は試験飛行(test flight)と呼ばれる。
なお開発段階や新製時における試験飛行においては特別な訓練を受けたテストパイロットがこれを担当する。またこの場合は外部から機体を確認するための随伴機が付く事が多い。