概要
車両の主要部分や全ての機器類を取り外し、細部まで細かく検査を行う。検査の内容は自動車の車検に相当するが、やっていることはオーバーホールに近い。
日常的な検査に比べて所要日数は長く、通勤型電車で10日から1ヶ月程度、部品点数が非常に多く、時に生き物とまで呼ばれる蒸気機関車は半年近くかかる場合もある。
検査周期は車両の種類によって異なる。以下は全て最大周期。
- 新幹線電車:初回4年、以後3年または走行距離120万キロメートル以内
- 蒸気機関車:4年
- 貨車:5年
- モノレール・ゴムタイヤ式鉄道車両:初回7年、以後6年
- ディーゼル車・在来線電車(機関車を含む):8年
なおJR東日本の蒸気機関車は車籍復帰がJR発足後のため、基本的に全般検査の周期は8年となっている。
一方JR西日本のC57 1号機と本線運行時代のC56 160号機の2両については車籍が国鉄時代から途切れず続いているため、全検周期は4年となっている。
すべての部品を取り外して詳細な検査・整備を行い、車体や機器類の再塗装・ステッカー類の貼り替えも行うため費用は高額になる。このため、老朽車両は全般検査の期限が切れる前に廃車されることが多く、検査を通して残す事例は少ない。
また稼働率の低い波動用車両はオフシーズンは休車扱いにすることで休車期間分検査周期を延長することがある。