概要
手で掴んで投げるより遠くまで石を投げる道具の事。人類が発明した飛び道具の中で、最も古いとされる飛び道具。
分類
最も原始的なタイプは、ヒモ(とはいえ一般的に想起される細長い円筒形の物ではなく幅の有る帯や襷に近い物である。)に石を挟んでグルグルと振り回し、遠心力を付けて投げ飛ばす代物である。スリング、投石紐とも呼ばれる。
これは石器時代には既に使われており、旧約聖書にはダビデがこれを用いて巨人ゴリアテを倒したことが記されており、古代地中海ではロードス島やバレアレス諸島の民が投石専門の傭兵として重用されていた。
無論石以外の物も投げる事は可能で専用の金属板(スリングブレット)を投げる場合も有った。
弓矢よりも製造コスト・矢弾の調達コスト・習熟難易度において優れており、弓矢が製造技術によって威力と飛距離が追いつくまでは主力兵器であり続けた。
現代でも、無音・無臭・安価というメリットから害獣の撃退に用いられる地域があり、非正規戦や非対称戦ではいまだ現役である。
パチンコもしくはスリングショットと呼ばれる武器はこれをもとにして考案されている。
やがて中国やヨーロッパなどでは、城をぶち壊すために徐々に大型の投石機が作られるようになった。木を組み立てて巨大な土台を作り、岩を飛ばして城壁を打ち崩すのである。詳しくはリンク先で。