新しい
人物
五千年前に世界を救った「英雄」にして不知火の里の「闇」。千年に一人くらいいるとされる「理屈ではなく勝者であることを決めつけられた人間」。安心院の『完全なる人間』のイメージにあったであろう人物。一人称は『儂』。
大ボスとしてのテーマは「勝てない敵」。
完全に余談だが、「言彦」という名前を少しいじると「諺」となる。
過去
「土地を守り民の盾になり」「悪を正し弱きを助け」「仲間と共にあり女を愛し」[戦い続けた五千年前の」「御伽噺の英雄」安心院なじみが『ある目的』を達成するために対峙し、初めて、少なく見積もっても一億回以上敗北した相手。安心院なじみが勝てなかったのでおそらく『主人公』だと思われる。
その後四千年前には勇気ある少年に、三千年前には優しき策略家に、二千年前には老獪な魔女に、千年前には二刀流の義賊にそれぞれ勝利している。
現在
時代の流れで救うべき世界がなくなり生きる理由が『生き続ける』くらいしかなくなってしまった。そのため粗野で暴虐でやりたい放題でかつての英雄像からも完全からも程遠くなってしまっている。
寿命はとっくに尽きてしまっているが、言彦と縁深い不知火の里はその『存在』を『役作り』によって人格や体格、果ては記憶や能力まで完全にトレースして次代の『獅子目言彦』となり、そして時間が経つとまた次の人物が言彦という『存在』を受け継ぐというサイクルで『伝説』として伝承していく形で五千年間生き延びてきた。
不知火半袖は二十歳で『言彦』を受け継ぐことになっている。
性格
上記のように英雄像とは程遠い品格の欠けた性格であり、思い込みの強い性格である。また、落ちぶれても戦士としての誇りはあるのか、媚びられるのを嫌い十三組の十三人の表の六人がご機嫌を取りに来た(と思いこんだ)時には情けないと一喝していた。
人吉を蚊扱いするなど人を見下しているかのような言動が目立つが、彼から見れば常に正当な評価を下している。獅子目言彦と常人との実力差は人と蚊のそれと同等、もしくはそれ以上なのである。
戦闘能力
『不可逆のデストロイヤー』
言彦が世界に与えたダメージはスキルだろうと自然だろうと決して回復しない。
言彦に破壊されたものは二度と治らず殺されたものは永遠に生き変えらない。
また彼自身にもスキルは一切通用せず、一京以上のスキルを持つ安心院なじみを輪ゴム1つで瞬殺し、普通のメガネ一つで黒神めだかを戦闘不能に追い込むなど凄まじい戦闘力を持つ。
その能力で受けた攻撃に対して防御することで攻撃を破壊することもでき、最強の攻撃力と同様に最強の防御力も兼ね備えている。
また並みの攻撃は防御するまでもなく、作中での彼に対する攻撃のほとんどは彼にとってマッサージ程度の刺激である。
例えるならばそれは、「絵に描かれたキャラクター」はどんなに凄まじい能力を持とうが我々「読者」には当然直接手も足も出せず、
逆に我々はキャラクターが描かれてる紙をただビリビリに破けばいいだけ、という話である。
ただし不可逆の破壊は言彦を倒すことで可逆の破壊となり、治療できるようになる。
また、存在そのものが『言い伝え』である言彦の性質上、唯一、言葉(コミュニケーション)から相手に共振共鳴共感し効果を及ぼす戦闘法「言葉使い(スタイル)」によってのみ言彦は打倒できると考えられている。
上記の例えで言うならば、キャラクターの言葉や行動、それで以て織りなすストーリーによって我々は感動したり凹んだりなどの影響が出るわけである。
鶴喰鴎「誰よりも孤高の存在だった英雄が誰よりも強くコミュニケーションを望んでいたなんて皮肉な話だ」
ただそこは腐っても英雄。戦っているうちに徐々に『言葉使い』に順応していき、あと少しでも対応が遅れていたら完全に克服されていたところだった。
最期
最終的にめだかとの決死の死闘に敗れ言彦は倒されるものの、憑依する形で不知火半袖が新たな『言彦』へと変貌、一気にめだか達を窮地へと追い込む。
しかしあと一歩のところで贄波生煮から『逆説使い』を受け継いだ人吉によって傾城は逆転。
最期は人吉の一撃で僅かながら覚醒した半袖の抵抗で自爆、自身の能力で『自分』を『破壊』したことにより消滅した。
最初は一撃で一度仕留めた人吉を『名前すら記憶に残らないほどに平凡で取るに足らない存在』だと見下していた言彦は、『五千年間無敗で勝ち続けた伝説の英雄』は、『だからこそ』最後の最後で人吉善吉に敗北したのだ。
後に『不知火不知編』最終話にて復活したが、これは器となった人間が言彦の名前と姿で復活しただけで、代々受け継がれてきた『存在』自体は既に消滅している(本人は今の自分の存在を「残響」だと言っている)。
このため、暴虐な獅子目言彦の外見と口調はそのままに、温和で無害な人物と化している。
その後は不知火半纏、不知火半幅と共に不知火の里でのんびりしているようだ。