概要
学名はConfuciusornis(コンフキウソルニス、儒学者の「孔子」に因んで命名された)。
孔子はヨーロッパで哲学者扱いされており、尊称「孔夫子」(confus)をギリシャの哲人風な「CONFUCIUS」にして広まっており、その名前にオルニス(鳥)を付けて、コンフキウソルニス・サンクトゥスというわけ。
特徴
大きさは30センチくらいで、スズメより少し大きい程度。
この時代の原始的な鳥類はほとんどがくちばしに歯を持っていたが、早々に歯のないくちばしを導入した稀有なやつ。また尾羽が短く、飛行能力もなかなか優秀と一見すると現代の鳥とほぼ変わらないような格好だった。
しかし所詮は原始的な鳥なので頭や腰の骨は始祖鳥とよく似ており、翼には鋭い鉤爪のついた3本指がある等、肉食恐竜の面影も残している。というわけで現代の鳥には繋がらない絶滅したグループと位置付けられている。
なお孔子鳥には尾羽が2本猫じゃらしのように伸びたものとそうでないものがおり、伸びてる方がオスだろうという見方は以前からあった。しかしそれが本当にオスだったようだという研究発表は2013年と割と最近。
少し考えりゃわかるんじゃないの?と言いたくなる人もいるだろうが、何せ化石しかない絶滅種なのでこういう自明の理みたいな仮説も裏付けをとるのは大変なのだ。
余談
孔子鳥は羽毛の化石から色素のあとが見つかっており、鹿のような茶色地に白い斑点模様があったらしい。保存状態のよさがなし得た奇跡である。
えーと、1990年頃に北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国鴨緑江 新義州市の建設現場で女子中学生が砂岩の中から発見し、金日成大学で「朝鮮始祖鳥」と命名された鳥の足の化石は、1993年に発表されてからその後学術的な研究その他が、お国では切手になってる程度であったが、2009年、中国の研究家、高克勤がその標本を研究、孔子鳥であったという研究結果を出した(董枝明『アジアの恐竜』288頁)。