CV:上田麗奈
概要
長船女学園高等部三年。折神家と並ぶ名門の日高見家の当主で、舞草・日高見派の中心人物。
なお、名前は真琴ではなく麻琴と書く。幼馴染の稲河暁からは「まこっちゃん」と呼ばれている。
かつてチームを組んだことがあるという瀬戸内智恵が「大和撫子」と評価する程、穏やかな性格。
秋田出身で、皐月夜見、稲河暁、鳥喰優稀とは同じ小学校だった。そして暁、優稀とは縁戚の関係でもある。
刀使としての腕前も凄まじいものの、長船には古波蔵エレンや益子薫などの強豪がいるため、実績などはあまり知られていない。
これはそもそも麻琴が、「刀使は御前試合のために活動しているわけではない」という考えを持つうえ、御前試合そのものに懐疑的で、さらに折神家とも距離を置いているためと思われる。
見た目とは裏腹に舞草過激派と称される過激な思想を持つ派閥の長。「刀使の負傷を防ぐため、荒魂退治に荒魂を利用する」という理念から、冥加刀使にも似た性質の計画「魂依」の計画を推し進めている。
先代当主の時点ではここまで先鋭していなかったが、麻琴が当主就任してから一気に組織の過激色が強まったという。
若い年齢に反して非常に強い権力を持っているが、実際は麻琴がまだ若いこともあって、日高見派の大人達からは軽んじられている。よって「魂依」の計画も本来麻琴が主導するはずが、大人達が性急に事を進めているため、非人道性が濃くなってしまった。自身の影響力の低さに責任を感じたこともあり、技術を完成させるため、美炎を半ば騙して自身のアジトに招くことになる。
そこまで刀使の安全性に固執しているのは、五年前(中等部時代)に、麻琴が所属していた部隊での出来事が関係している。かつて、折神紫(タギツヒメ)からの圧力で、ノロ回収のノルマを課せられていた当時の部隊長が、功を立てようとするあまり許容量を越えた荒魂と対峙。部隊も応戦することとなった。奮戦により命を落とすことはなかったが、部隊員の笹野美也子だけは重傷を負う。これにより刀使としては再起不能となったばかりか、右目は失明、左腕が満足に動かせなくなるなど、取り返しの付かない結末を迎える。
仲間が酷く傷つく場面を目の当たりにした麻琴は、これに心を痛め、守れなかったことを深く悔やんだ。そして刀使の身の安全を保証する技術を求めるようになっていった。
また、元より自身の母も刀使で、相模湾大災厄にも参加していた。しかし母は大災厄で重傷を負って刀使としては活動できなくなり、さらにその戦いで母は多くの仲間を失うこととなったという。これに酷く心を痛め、「刀使の被害を極力減らす方法」を模索していたようである。現在の思想の多くは母から受け継いだものでもあるだろう。
キツネのような糸目に銀髪という容姿の持ち主で、本気を出すと目を見開くこともある。
当主として公の場では親友であっても名字で呼んで上下関係をはっきりさせる一方、平時では基本的に穏やかで、暁や優稀をちゃん付けで呼んでいる。
当主ということもあってか、刀使達からのカリスマ性は高い。状況の悪化により非人道的な行動を取っているが、本来はそのカリスマに見合った善人然とした人物である。美炎のことも本来であれば本気で救うつもりでいて、利害の一致を見込んで美炎に協力を要請しようとしていた。また、美炎を被検体にすることで、実験に失敗した刀使達の救済方法の研究も行おうとしていたようである。
シナリオでの活躍
第五部の第二章のラストで登場。思わせぶりな口振りで美炎の気を引き、「加州清光の真実を知る覚悟」を問いかけた後、本気で襲いかかる。
その気迫に美炎はとうとう暴走、麻琴もその力こそ自分の求めていたものとして、美炎を利用することを決めたかのような口振りを見せた。
その後、日高見家が安桜家と遠い親戚にあること、そして美炎の身体に何が起きているかを話し、自身の「魂依」の計画を進めるため協力を要請。しかし「失敗すると荒魂を剥がせなくなる=人でなくなる」というリスクを聞かされたことや、魂依の計画の非人道的な面を美炎が知ったことで交渉は決裂。状況が切羽詰まっていた麻琴は、暁や優稀に命令してまで美炎を強引に仲間へと引き入れようとする。
その美炎に逃げられたことで計画は破綻。時間がないこともあり、美炎の次に魂依の適正が高い麻琴が、自ら実験台になることを進言。縁戚として薄いながらも血縁者である暁や優稀には止められるが、適正確率が高い自分がなるとして計画を、その身を捧げて実行に移そうと決める。
しかし暁と優稀にそれは当主としてふさわしい行動ではないと止められ、手足になる覚悟を決めていた二人の自己申告により、魂依の被検体は二人が務めることとなった。
なお、初登場にして敵として専用のモデリングが製作されている。