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180SXの編集履歴

2020-10-31 12:55:33 バージョン

180SX

わんえいてぃえすえっくす

日産自動車が生産販売していたクーペ型スポーツカー。

概要

180SXは、S13シルビアの北米向け輸出型であった240SXを日本仕様に仕立て直して生産・発売したモデルである。


ヘッドランプに角型2灯式のリトラクタブルヘッドライトを採用、ボディスタイルはハッチバックを持つファストバッククーペとなっている。リトラクタブルヘッドライトの採用はデザインのためだけではなく、北米の法規上、S13型シルビアのヘッドランプの高さでは認証が取れないため、S12型シルビア / ガゼール同様リトラクタブルヘッドライトを採用したという経緯があった。


日本国内へはS13型シルビアより1年遅れで投入されているが、これには好調な売れ行きながら、発売後一定期間が経ち新味のやや薄れたS13型シルビアへのテコ入れ策として、営業側からS12型シルビア/ガゼールに存在していたハッチバッククーペ投入の強い販売要請を受けたことが背景にある。なお、北米向け240SXおよび欧州向け200SXには、180SXと同様のハッチバッククーペ以外にS13型シルビアと同様(ただしリトラクタブルヘッドライト装着)のノッチバッククーペボディ(日本で言うところのワンビア)も存在している。


エンジンやトランスミッション、サスペンションなどの車としての基本構造は全てS13型シルビアと共通である。その他、車体周りでは、ステアリングホイールのデザインを除くインテリアとドアパネル、フロントウインドシールドなども共通となっている。


その外観は販売当時、投入された各国で高い評価を得た。日本国内ではシルビアがS14型にフルモデルチェンジした後も、180SXはモデルチェンジすることなく、S14型シルビアのメーカー側の想定外の販売低迷もあり、S15型にバトンタッチするまでの間、一世代古いS13型のまま販売され続けた。その間、クーペ市場の人気低迷による販売台数の減少は避けられず、生産工場も九州工場から高田工業、そして日産の関連会社である日産車体へと順次移管されており、最後期はZ32コンバーティブルと同様、組み立てラインに乗せられず、ほぼ手作業で生産されていた。


180SXが販売されていた期間はおよそ10年間であるが、その間に数度の小規模・大規模なマイナーチェンジは受けたものの、前述の通りフルモデルチェンジをされることはなく、基本的なスタイル・性能はほとんど変化しなかった。


販売当初は10代後半から30代の若者を中心に支持を得た。生産終了後、暫く経つ現在でも、軽量な5ナンバーボディで後輪駆動方式(FR)を採用している点が近年では希少になったこともあり、スポーティーカーとして一定の人気を保っている


歴史

初期型(RS13型、1989年-1991年)

日本では1989年に日産プリンス、チェリー系列で販売が開始された。ただし、それに先立ち米国では2400ccのKA24E型SOHCエンジンを搭載し、「240SX」(トゥー・フォーティー・エスエックス)として販売されていた。また欧州では、日本仕様と同じ1800ccのCA18DET型DOHCターボエンジン(175ps)を搭載し、「200SX」(トゥー・ハンドレッド・エスエックス)として販売されていた。S12ガゼールの事実上の後継車種だが、ガゼールを販売していた日産モーターは後継としてS13シルビアを扱うようになった。


初期型の特徴としては、日産の翼形グリルをイメージしたダミーのグリルがフロントバンパーにあること、前席シートがヘッドレスト一体型なことである。グレードは「TYPE I」と「TYPE II」で、「TYPE I」はスピーカーや電動ドアガラスが付かないなど競技用のベース車用途を対象にしていた。なお、HICAS-IIと呼ばれる四輪操舵システムをメーカーオプションで用意していた。タイヤサイズは、前後とも195/60R15となっている。エンジンは全グレード同じである。


1990年には500台限定の特別仕様車「TYPE II レザーセレクション」を発売。シートが全て革張りで本革ステアリング、シフトノブ、エアロパーツ、フッ素コーティング塗装のスーパーレッドを採用し、スカイライン、ローレル、セフィーロと共通のアルミホイールが標準で装備された。


中期型(RPS13型、1991年-1996年)

1991年にはマイナー・チェンジにより、エンジンを従来のCA18DET型からSR20DET型2000ccDOHCターボエンジン(205ps)に変更。なお、S13型シルビアも同時期にエンジンがCA18DET型からSR20DET型へ変更されている。


このときフロントバンパーのデザインが大きく変わり、ダミーのグリルが廃止されボンネットとバンパーの段差が無くなった。外見が違うため、初期のCA18エンジン搭載車を「RS13型」または初期型、SR20エンジン搭載車を「RPS13型」または中期型と区別することも多い。ただし、オプションのサイドデカールに関してはこれ以降も「RS13」と書かれている。


タイヤサイズは205/60R15にワイド化されており、同時にアルミホイールのデザインも変更されている。また、四輪操舵システムはSUPER HICASに進化している。その他安全装備の強化として後席シートベルトの3点化、サイドドアビームの追加、燃料系へのロールオーバーバルブの追加、ヒーター付ドアミラーの設定(寒冷地仕様車)が実施されている。フロントシートは一般的なヘッドレスト分割式に変更されている。


1992年に、標準装備が充実した新グレード「TYPE Ⅲ」が追加される。新型のデジタル表示式オートエアコンは「TYPE Ⅲ」のみに標準装備となっていた。


1993年にシルビアがS14型にフルモデルチェンジを行ったが、180SXはS13型のまま販売が継続された。なお、欧州版200SXはS14型に切り替わっている。1994年にはグレード名が変更され、「TYPE III」は「TYPE X」に、「TYPE II」は「TYPE R」となり、「TYPE I」は廃止された。エンジンのロッカーカバーの塗色は赤色から黒色に変更となった。また、エアコンの冷媒がR134aに変更されている。同年4月以降は生産は高田工業に委託された。


1995年5月には運転席SRSエアバッグが標準装備となったほか、アルミホイールのデザインが変更されている。また、それまでブラック一色であったドアミラーがボディ同色に塗装されるようになった。オーディオは一新され、「TYPE X」用のオーディオはCD付きとなった。


後期型(RPS13型、1996年-1998年)

1996年秋にビッグマイナーチェンジを行い、後期型となる。フロントバンパー、スカイライン風の丸型リアコンビネーションランプ、大型リアウイング、リアブレーキの容量アップ、ABSの標準装備化、アルミホイールのデザイン変更、リモコンドアロックの採用(TYPE Xのみ)、一部内装の変更などの仕様変更がされる。また、SR20DE型2000cc自然吸気(NA)エンジンを搭載したグレード(TYPE S)も設定された。


また、1997年には「TYPE S」を元に装備充実を図ったグレード(TYPE G)も追加され、ボディカラーにイエローが新設された(スーパーレッドは廃止)。


生産移管後は受注生産扱いであった為、ハンドメイドに近い形態で細々と生産されていたが、1998年12月にシルビアに統合される形で生産終了となった。


車名の由来

「180」はデビュー当初搭載されたCA18DET型エンジンの排気量である180センチリットル(1.8リットル・1800cc)を表し、「SX」は日産の輸出用ミドルサイズ・スポーティークーペに対するネーミングである。なお、1991年のマイナーチェンジ時にSR20DET型エンジンに変更され、排気量は2000ccとなったが、車名は「200SX」とはならずに「180SX」のまま販売が続けられた。


ベースモデルである北米仕様車の240SXの車名は、搭載されているKA24E型エンジンの排気量2400ccから来ており、180SXはそれにならって付けられた名称である。また他車種ではあるが、同時期販売されていたZ31型及びZ32型フェアレディZは、国内モデルのテールエンドに「300ZX」(Zの北米仕様車と同様のネーミング)の表記が見られた。


なお、欧州仕様車の200SXには当初CA18DET型エンジンが搭載されているが、「200SX」の車名で販売されていた。のちに国内仕様と同様に2000ccのSR20DET/SR20DE型エンジンに換装され、名実共に200SXとなっている。


取扱販売店

プリンス店系列(プリンス販売会社、現・レッドステージ)、チェリー店系列(パルサー販売会社、プリンス店同様現・レッドステージ)で販売されていた。


外装の互換性

シルエイティ

相棒

180SXのフロント部分の外装パーツを殆ど板金作業を伴うことなく、S13型シルビアのそれに変更した車両。いわゆる顔面スワップの代名詞的な存在として知られる。なお、この互換性はあくまで同型番であるS13型シルビアのみにあるもので、それ以外の型番のシルビアには当てはまらない(なお、アフターパーツメーカーからは、S14型シルビアやS15型シルビア用の変換キットも発売されている)。


ワンビア

ワンビア

上記とは逆に、シルビアのフロント部分の外装パーツを180SXのものに変更した車両。通称ワンビアと呼ばれるが、これはあくまでシルビアがベースであり、正式には180SXという車種ではない。


競技用途

姉妹車のシルビアと同様、軽量なミドルサイズボディの後輪駆動車であるため、ドリフトやジムカーナ、周回レースといった各種自動車競技に使用される率が高い。また、何かしらの改造(チューニング)が施されている車両も多い。


姉妹車のS13型シルビアと比べると、ハッチバックであるがゆえに開口部面積が大きいことによるボディ剛性の弱さが問題視される。また、ガラスハッチと開口部の補強で重量がかさみ、走行性能面で劣ると言う指摘に対し、S13型シルビアはフロントヘビー気味の車両であるため、リア周りの重量が加わる事で、前後重量配分がスポーツ走行の理想である50:50に近づけられている利点があるとの意見もある。


S13系共通の問題として助手席側メインフレームが助手席のあたりで途切れており、ボディの歪みにつながりやすい。幾つかのアフターパーツメーカーから補強対策品が発売されている。


関連タグ

日産 シルビア 240SX

スポーツカー ノッチバック ドリフト

改造車 シルエイティ ワンビア

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