概要
TSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)は、台湾新竹市に本社を置く半導体の製造専門企業(ファウンドリ)。半導体の製造技術で世界の最先端を走り、ファウンドリ業では世界の過半数のシェアを占める。
英語の正式名称はTaiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.で、中国語の正式名称は臺灣積體電路製造股份有限公司。日本法人はティーエスエムシージャパン。
ファウンドリとは
半導体の製造専業の企業。
昔の半導体メーカーは自社で設計と製造の両方を手がけるのが一般的だったのだが、今やそのような企業はインテルとサムスン、テキサス・インスツルメンツ(TI)ぐらいしかない(フラッシュメモリなどの記憶媒体、パワー半導体やCMOSイメージセンサのような特殊なものは別)。
現在の多くの半導体企業は設計専業のファブレス(AMDやNVIDIA、ARMなど)で、TSMCは、iPhoneのSoCやAMDのRyzenシリーズ、AMDやNVIDIAのGPUなどの高性能プロセッサの製造を一手に引き受け、ファウンドリの代名詞的存在になっている。
2020年時点で10nm未満のプロセス技術を立ち上げているのはインテルとTSMC、サムスン電子の3社のみである。もっとも、TSMCとサムスンの両者が10nm、8nm、7nmとほぼ1年半周期で微細化を進める中で、インテルは5年間、14nmにとどまり続けており、2019年になってようやく10nmの量産製造を始め7nmが立ち上がり始めた段階である。
注釈:「14nm」とか「7nm」というのはプロセスルールのことだが、実際のところ7nmプロセスルールで製造された半導体の中で7nmの部分はどこにもなく、他社との比較のあてにはならない(参考)。トランジスタ密度で測るとインテルの7nmプロセスはTSMC/サムスンの5nmプロセスに相当するとされ、プロセスルールの数字上は同じ14nmでも改良は随時ほどこされており、インテルがプロセスの数値ほどTSMCやサムスンに水をあけられているというわけではない。