ゲーム概要
Hylics is a recreational program with light JRPG elements.
Hylics(ハイリックス)はインディーズの2DRPG。
RPGツクールVX Aceを用いて制作され、
2015年10月3日にSteamにてリリースされた。
お値段は300円。プレイ時間は映画一本分(3時間)ほど。
現時点での最低システム要件はWindowsXP, Vista, 7, 8 なので、
Windows以外のユーザーの方は注意。
原語版は英文であり、発売から5年近く日本語には対応されていなかった。
(固定のテキスト以外ランダムで生成されるため不可能と思われていた)
しかし2020年7月1日薬師寺達哉によって日本語化MODが作成された。
mason氏が続編の製作資金を募っているので興味のある方は要チェック↓
そして2020年6月22日に続編hylics2が発売された。
「Hylics2」
可塑性冒険世界
Mason Lindroth氏みずから「JRPGの要素を盛り込んでいる」と銘打っているように、ストーリーそのものは仲間を集めてラスボスを倒しに行く、という王道的なもの。
戦闘もドラクエのように王道的なコマンド入力式である。
しかし、”経験値”と”レベルアップ”という概念が道中存在せず、ステータスを上昇させるにはPapercupやMeatといった特別なアイテムを使用しなければならなかったり(しかもMeatは死後にしか使えない)、
新たな技を身に着けるためにはテレビを見なければならなかったり、死なないと入手できない装備品があったりなど、RPGの既成概念をひっくり返すようなシステムを採用している。
Hylicsの魅力は、なんといってもその奇抜な雰囲気につきるだろう。
グラフィックはクレイモデルを取り込み色調を変換させてつくられており、フルCGやドット絵とは違った不可思議な暖かさにつつまれている。
一部のキャラクターの会話やメッセージはランダムテキストで生成され、あたかも詩のように未来を映し出すことも。
それどころかストーリーの文言も一部ランダムテキストであり、プレイするたびに話の印象が変わる。
また、登場人物のほとんどが異形頭であり、この世界における役割を暗示したものとなっている。
"プレイヤーの目標は目に見えるもので誘導されるんだ、環境デザインによってね、
だから私はゲームの外観をなにかジョークや気をそらすものへ自由に作ってもいいと思ったんだ。
あらゆるものがそこで意味を示すようにね。"
--Mason lindroth氏。KILLSCREENでの取材に答えて
登場キャラクター
PC側
WAYNE
主人公。やる気のない走り方は一度みたら真似したくなるだろう。死ぬとドロドロに溶けて骨になる。
3回死ぬと入手できる(救済用らしき)武器として斧があり、その印象が強いのか斧を装備した姿が多い。
ただし攻撃方法は全員指パッチンである。
ライブではサングラスをかけてギターらしき楽器を担当。
DEDUSMULN
考古学者。古代文明の遺物であるPapercupの収集と研究に並々ならぬ情熱を燃やす。
ライブではテルミンらしき楽器担当。
SOMSNOSA
虫の女王。Wayneのことを知っていた模様。虫を殺した数だけパワーが上がる。
彼女の歌が聞きたければライブに行くべし。
PONGORMA
暗黒騎士。強い奴をずっと待っていた。料理のステータスがダントツ。
ライブではおそらくイコライザー担当。
NPC側
DRACULA
幕間に登場する白い人。なにかと謎の多い人物。
GIBBY
月の王。彼を倒すことがゲームの最終的な目標となっている。
トレイラー
操作方法といくつかのヒント(ネタバレなし)
- ゲームウィンドウはAlt+Enterで全画面と切り替えることが出来る。
- 戦闘中、左入力で”FIGHT(戦闘続行)”か”ESCAPE(逃走)”かを選択できる。
- 死後の世界から出たいときは、クリスタルをチェックしてからゲートを調べよう。クリスタルの色に対応した場所に復帰できる。
- MeatとPapercupを使用する際は4人が仲間になってから使用したほうがいい。使用後に仲間になっても反映されない。
- 船は桟橋を調べることで近くに呼び出すことができる。
- 決定&調べる&キャラとの会話は”X””Z””Space”で。選択のキャンセルは”C”。メニュー画面を開くときも”C”。
- キャラクターとの会話で、ランダムテキストとなるのは”モニャモニャ”とした効果音付きのもの。効果音のない定型メッセージは進行のヒントとなる場合が多い。
トリビア
- タイトルの「hylics」(ハイリックス)とは、名詞hylicの複数形で、「物質主義者たち・唯物論者たち」という意味(※出典リンク1)。hylicism(ハイリシズム)やhylism(ハイリズム)は、「物質主義・唯物論」(※出典リンク2)。
- WayneとGibbyの名前の由来はwaning moon(下弦の月)とgibbous moon(凸月)のもじりではないかとファンたちは推測している。
- BGMに関しては、エンディング後のクレジットに一切記述がないため、おそらくMason lindroth氏みずからの作曲&演奏によるものであると思われる。
- Hylicsの原型となったのは、同じくMason lindroth氏の制作した『Somsnosa』というゲームである。Hylicsに登場人物の名前と家が受け継がれたほか、画面構成などに面影が残っている。ちなみに氏の処女制作ゲームは『Asmosnos』という作品であり、他にも 『Mossnaso』というゲームも作られている。本作の登場人物であるSOMSNOSAの名前はちょうどアナグラムとなっている。正確な関連性は不明だが、氏の脳内を覗いてみたければプレイしてみるのもいいだろう。
Mossnasoの主人公。Somsnosaに似てる?
- プレイヤーキャラの名前の読み方?
WAYNE:うぇいん DEDUSMULN:でぃだすむん?
SOMSNOSA:さむすのざ? PONGORMA:ぽんごーま?
(海外の実況動画を観ると分かるが、ネイティヴですら困惑する程度の難読名なので、ファンごとに読み方が違ってもいいレベルである。)
- ステータス画面でのキャラクター説明(DOSSIERの項目でみられる)も、一部ランダムテクストである。ゲームの進行に応じて文章が変化するので、定期的にチェックしてみるのもいいだろう。
- タイトル画面では背景をキャラクターたちの姿が流れていく。Wayne,Dedusmuln,Pongormaの姿もみえるが、なぜかSomsnosaはいない。
- 触れると即死する恐怖のモンスターAmbulant skullは、同じくMason lindroth氏の作成したブラウザゲーム『Weired egg & Crushing finger』から登場したキャラクターである。
- 何曲かのBGMは、同じくMason lindroth氏の作成したブラウザゲーム『Lullaby』で使われていたものである。例えば、タイトル画面の曲はLullabyの23チャンネルで流れる曲である。
- Dynamite使用時には核実験をサンプリングしたアニメーションが流れる。これは1955年にアメリカで行われた核実験であるティーポット作戦にて、原子爆弾apple-2の炸裂した際の映像である。その日ティーポット作戦では核兵器が建築物に与えるダメージの計測が行われていたのだった。
- Burrito(ブリトー、もしくはブリートー)はメキシコ発祥の、墨および米国ではポピュラーなファストフードである。トルティーヤで具材をまいたもので、地域によって調理法に特徴がある。ちなみに、アメリカでは「ブリトーはサンドイッチではない」とする判決が裁判ででたことがある。