ロシア語ではТерменвокс(テルミンヴォクス:テルミンの声)と呼ばれる。
ソ連時代に同名の物理学者が開発した。
演奏するには、本体に触れずに、2本のアンテナに手を近付ける。
本体には2つの高周波発振回路が組み込まれており、微妙に違う周波数を設定する事により物理学的な「うなり」を生じるのだが、演奏者が手をかざす事により、演奏者自体の肉体(衣類や装身具を含む)が持つ静電容量が周波数と「うなり」に影響を及ぼす。
静電容量は距離により変化するため、演奏者が手を動かすと、発生する「うなり」が変化して、これで音に変化を与えて演奏を行う。
というように、物理学(のうち、特に電磁気学)に詳しくないと極めて訳の分からない楽器である。
電子工学の技術さえあれば個人でも作成できるのだが、素人にはさっぱり分からない構造と、手に触れずにうなりを変化させる演奏、ソ連で開発された(当時のソ連は、今の北朝鮮よりも閉鎖的だった)という経緯もあり、世間からは何やら神秘的な代物に見られがちで、手から発生する僅かなESPを関知し音を出すだの、テルミンが上手い人はESPの才能があるだの言われる始末である。
今では愛好家はそれなりにいるが、発生する音が演奏者の静電容量に依存するため、安定した音を出すのが難しく、通常の演奏に使うには難易度が高い。
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