概要
狭義には、哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科アジアスイギュウ属の草食動物の一種、「アジアスイギュウ」を指す。なお、現存しているのは野生種が1種と家畜種が数十種。
頭胴長3.2メートル、肩高1.9メートルほど。体重は大型のもので1200kg。
体は暗灰色。角は三日月状を為し、全幅が2メートルに達する事もある。
水辺にすみ、暑い日中は水に入っている事が多い(これはアジアスイギュウの体温調節機能があまり発達しておらず、定期的に水で体を冷やす必要がある為)。「水牛」の名はこの習性に因んでつけられた。
東南アジア原産だが、家畜化されて世界中に広まっている。日本でも八重山諸島で少数を飼育。なお、大昔には日本にも生息していたことが化石の発掘で判明している。
粗食に耐え、力が強く、性質は温厚だが、動作は牛よりも緩慢。
広義には上述のアジアスイギュウの他、アフリカに住むアフリカスイギュウとアカスイギュウ、東南アジアの島嶼に棲息するアノア(コスイギュウ)、タマラオ(ミンドロスイギュウ)等も含む。それぞれが別の種であり、ユーラシアのスイギュウとアフリカのスイギュウは属も異なる。
牛ではない
スイギュウと牛は、亜種関係ではなく、属レベルで違う動物である。
ヒンドゥー教では牛は神聖視されて屠殺は禁止されているが、スイギュウは神聖視されないので、カーストが菜食主義でない場合に限り食用とする事もできる。
モッツァレラ・チーズ
イタリア南西部原産のモッツァレラ・チーズの原料はスイギュウの乳であるが、乳の産量が少ないため、市場に出回っているのは牛乳で代用したものが多い。