概要
主としてアジアにおける社会主義国で元首の称号および役職として用いられる国家主席の一つであり、中華人民共和国の国家元首をさす。
本来は「国家」は付かないが、主席には「集団や組織の長」という意味があり、当然中国内部には他の主席職( 中国共産党中央軍事委員会や中華人民共和国中央軍事委員会など )が存在し、それらと区別するためおよび国家主席という単語が願主を示すため俗にこう呼ばれる。
過去と現在の役職の相違
この役職に関しては過去と現在では役割が異なる。
1954年から1975年においては中華人民共和国憲法により実権を持つ国家元首であると定められ、毛沢東や劉少奇があげられ、その後空席となり副主席や主席代理がその役割を担うが、その後憲法の改正によりいったん廃止される。
1982年に憲法が改正されふたたびこの役職は定義されるが、それまで所有していた最高指揮権、すなわち統帥権は国家中央軍事委員会主席に移行し、また最高国務会議の規定もなくなり、一部の国の大統領などのように儀礼的な国家元首とされ、中国の事実上の最高指導者は中国共産党のトップである共産党総書記で、政府の統括は最高国家行政機関の長である国務院総理が行うとなっている。
この役職の要件としては中華人民共和国の公民であり、選挙権および被選挙権を持ち、満45歳以上であることである。条件を満たすものが国家の最高権力機関および立法機関として位置づけられる全国人民代表大会にて選出される。
この職自体は政治上の実権を有しないものの、1993年以降は国家を領導することが憲法で定められ、実質上の最高指導者である中国共産党の総書記が兼任することで、現代においては国家主席に政治的実権が付与されているに近い状況となっている。