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M60パットンの編集履歴

2021-01-19 14:18:45 バージョン

M60パットン

えむしっくすてぃぱっとん

アメリカが開発した第二世代主力戦車

概要

M46からスタートしたパットンシリーズ直系の、最終型。


アメリカ陸軍がソ連のT-54/55に脅威を感じ、M48パットンの機動力と火力を改良したのが「M60パットン」である。俗に「スーパーパットン」と呼ぶ場合もあるが、実は公式にはパットンの名は付けられておらず、さらにはパットンシリーズ扱いでも無いという。

開発は1956年に開始され、最初からディーゼルエンジンを採用した初のアメリカ戦車である。主砲も90mm砲から105mmライフル砲に換装し攻撃力を格段に向上させた。

あくまでも、ソ連のT-55に対抗しうる本格的な次期主力戦車が登場するまでの「つなぎ」であり、短期間で引退する予定であったが、肝心のMBT-70KPz70)計画が頓挫したため長期に渡って使用された。

それでも、第四次中東戦争にてイスラエルが鹵獲したT-62を分析したアメリカ軍はM60の方が性能面でリードしていると評した。車高が低いせいで地形に隠れながらの砲撃ができないT-62と異なり、車高が高い分主砲の俯角を大きく取る事が可能で地形に隠れながらの砲撃で優位に立てるからである。


各型の合計生産台数は約2万輌を数え、アメリカ軍のみならず西側諸国の標準的主力戦車となった。


発展・派生型

  • M60A1 - T-62に対抗するため砲塔の形状を変更したもの。
  • M60A2 - 試作型M60A1E2をもとに、1965年より量産開始。新設計の砲塔にM162 152mmガンランチャーを搭載し、対人用に榴弾、対戦車用にシレイラ・ミサイルを発射できるようにした。しかしミサイルの価格が高かった事と、整備性が悪かった事から生産は500輌余りに留まり、短期配備に終わった。その先進性と扱いの難しさから、付いたあだ名が「スターシップ」。
  • M60A3 - M60A1の発展型。射撃統制装置の改装により主砲の命中精度を高めた他、細部が改良されている。
  • CM11 - 台湾中華民国)がM60A3のシャーシにM48A5の砲塔を搭載した装束型。
  • マガフ6 - M60系統をイスラエルが独自に改良したもの。
  • サブラ - マガフから発展した、イスラエルの近代化改修型。輸出向けに開発され、主砲をメルカバ Mk.IIIと同じ120mm滑腔砲に換装、砲塔には楔形の増加装甲を追加。トルコがM60Tとして採用。
  • M60-2000 - ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ社が提案した、強化したM60の車体にM1エイブラムスの砲塔を載せた代物。FCS等もエイブラムスと同等に強化される。

配備と実戦

M60は採用後、アメリカ本国と欧州派遣部隊に配備されたが、激化するベトナム戦争には投入されなかった。M1エイブラムスの登場により主力戦車の地位を譲ったが、アメリカ海兵隊では使用が続けられ、1991年の湾岸戦争でも活躍した。

現在ではアメリカ軍のM60は全て退役している。


イスラエルでは第四次中東戦争以後の数々の紛争に投入され、アラブ諸国が導入したM60同士の交戦も起きた。


既に旧式化してはいるものの、元々車内容積にかなりの余裕があって拡張性が高いため、第四世代主力戦車の開発が進む中、現在でも現役の国は多く、一部は第三世代に相当するスペックに改造されており、まだまだ退役とはいかないだろう。


関連タグ

戦車 主力戦車 第二世代MBT

アメリカ軍 アメリカ陸軍

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