概要
ブライアン・ラムレイが1971年に発表した中編小説。
タイタス・クロウ・サーガシリーズの一篇に含まれるが、同シリーズの主人公であるタイタスは出演せず、彼の友人兼ワトソン役であるアンリ・ローラン・ド・マリニーのみが出演する。
ニトクリスとは、古代エジプトの歴史書には言及されているものの、実在が疑問視されている人物である。ラヴクラフトは彼女が登場する『ファラオとともに幽閉されて』を創作し、その影響を受けてロバート・ブロックは『暗黒のファラオの神殿』を書いた。
本作はこの2作から影響を受けた作品である。
ニトクリスの鏡
古代エジプト第六王朝の女王ニトクリスが所持していたとされる、悪鬼や屍食鬼が刻まれた青銅の枠にはめこまれた鏡。
鏡の内部はショゴスを始めとする怪物の住処とつながり、その光景を映し出す。条件がそろうと門としての機能を発揮し、怪物が這い出して来る。ニトクリスはこれを処刑道具として政敵を殺していた。
鏡から這い出す怪物は、クトゥルフ神話TRPGでは、鏡からのものと名付けられている。
ニトクリスの崩御後、鏡は副葬に供されたが、探検家のブラウン・ファーレイがニトクリスの墓から持ち出してしまう。