※この記事にはWeb版のネタバレを多く含みます。閲覧にはご注意ください。
「この私が【犯罪王】のゼクス・ヴュルフェルです。はじめまして。ガーベラさん……でよろしかったですよね?」
人
( ゜ ゜)
プロフィール
本名 | ■■■■ |
---|---|
年齢 | 20代 |
メインジョブ | 【犯罪王】(系統なし超級職) |
エンブリオ | 【■■■■ ■■】 |
概要
作中に登場するマスターの一人。<超級>。
またInfiniteDendrogram内でも最悪最強の犯罪クラン〈IF(イリーガル・フロンティア)〉のオーナーでもある。
嘗ては【アルター王国最強のPK】としてマスター、ティアン問わず恐れられていたが、第一次騎鋼戦争の際とある人物によってPKされ現在は“監獄”に収容されている。
アルター王国のみならず〈InfiniteDendrogram〉に存在するありとあらゆる国で犯罪行為を行なっており、指名手配としては最上位に位置する〈全国家による国際指名手配〉を受けている一人。
初登場は「Episode Superior Ⅱ I am Unknown」で、とある事件にて探偵のルーキーによって監獄送りにされた犯人の超級が彼の喫茶店を訪れる場面で登場した。
容姿
暗色の目と髪に、黒縁のメガネをかけた青年。
作中では喫茶店の制服のエプロンをつけており、
犯罪クランのオーナーとは思えないような好青年然とした姿をしている。
誰に対しても敬語を崩さず、また初見で大騒ぎしながら押し入ってきた新入りにも丁寧な対応をした上で(地獄の)修行をつけてあげるといった善良なモノを感じさせる。
……しかし、痛覚オンで首を刎ねられ心臓を突かれても顔色一つ変えず、「この私」という前置きを多様するなど異様な面も見せている。
アルター王国の聖地である<天蓋山>侵入、王国の第三王女テレジア・C(セレスタイト)・アルター第三王女の〈第三王女誘拐事件〉、有力貴族であった〈フリーベル伯爵邸惨殺事件〉、そして王国が抱えていた特殊超級職である聖女(セイント)を殺害、そして職を盗んだ〈聖女剥奪事件〉と多岐に渡る。
能力
詳細は不明だが、首を落とされようが心臓を貫かれようが死なず、またそれらを容易にくっつけることが出来る異様な能力をもっている。
さらに腕を刃に変えたり、美しい女性になったりと、変幻自在な変身を見せている。
ガーベラからは「エンブリオのモチーフはデュラハンなの?」と聞かれたが、ゼクスは首を振って否定した。
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以下、小説版やウェブ版のネタバレ注意
「いえ、【犯罪王】になったのはあくまで結果です。この私が犯罪を続けていたら、アナウンスで転職クエストの開放を知らされただけですからね」
「ええ。偶然です」
「ログインして最初に会った彼に聞いたのです。『私は何をすればいいのでしょう』、と」
「恥ずかしながら、私は向こうで何もすることがなかったがために、このゲームを始めました。しかしそんな私ですから、こちらでも特に何をしたいということもありません。ですので、指針が欲しかったのです」
「私の問いかけに、彼はこう言いました。『英雄になるのも魔王になるのも、王になるのも奴隷になるのも、善人になるのも悪人になるのも、何かするのも何もしないのも、全ては君の自由だ』、と」
「だから、この私は【犯罪王】ゼクス・ヴュルフェルなのです」
「難しい話ではないのです。彼に『英雄』、『魔王』、『王』、『奴隷』、『善人』、『悪人』と六つの例を挙げられましたので」
「サイコロの一から六を割り振って、出た目で決めました」
「ちょうどあの部屋にサイコロやチェスといったものが雑然と置いてありましたからね。サイコロをお借りして振ってみたら、六が出たので『悪人』になることにしました」
「だから私は、サイコロの6(ゼクス・ヴュルフェル)なのです」
ゲーム内で犯罪を犯すのは私利私欲によるものではなく、ただ単に自身が選択した「悪人という生き方」に忠実に動いているだけであり、自身の犯罪行為からくる利益そのものにはそこまで関心がない。逆に言えば、『犯罪者』という称号を得られるのならいかなる手段でも使うということであり、作中で彼が犯した重罪のほとんどはそういった理由によるものである。
戦闘力
ジョブ
【犯罪王(キング・オブ・クライム)】
系統なし超級職。ゼクス・ヴェルフェルのメインジョブ。
特徴は唯一のスキルであり奥義でもある《犯罪史(ワールド・レコード)》。スキルレベルによって多少のステータス補正などを内包した複合スキルだが、最大のものは「犯罪行為によって経験値を得られる」という特殊な経験値ブースト
ここだけ聞くと強いジョブに見えるが、ジョブによるステータス補正は戦闘型の超級職に劣り、しかもゼクスのエンブリオは強力なスキルを複数保有している欠点として【エンブリオのステータス補正がマイナス】によって総合ステが半減されており、そもそも《犯罪王》というジョブ名からゼクスに限らずこのジョブに就いた者は大悪人で大抵は正義感あふれる戦鬪系超級職にすぐさま討伐されるという長生きできない不遇のジョブである。
しかし、これで終わらないからこそ彼は恐れられている
「ステが足りないならレベルを増してステを足せばいいじゃない」という理論によって上げられた1000ではまるできかない超高レベル(因みに通常の超級のマスターでもレベル1000行くか行かないかレベル)と驚異的とも言える程のエンブリオとのシナジーによって、彼は宿敵であるシュウ・スターリングとも互角にやり合える驚異の戦闘能力を備えている。
エンブリオ
エンブリオ名 | 【始源万変 ヌン】 |
---|---|
TYPE | ボディ |
能力特性 | 全身スライム置換&変形 |
到達形態 | Ⅶ |
ゼクスが持つ超級エンブリオ。
自由度がウリである〈InfiniteDendrogram〉内でも屈指のレアカテゴリーであるTYPE:ボディの超級エンブリオ。
スキルは《シェイプシフト》《液状生命体》《スプリット・スピリット》の三つ、各性能の説明は下記にて。
所謂スライムであり、首を刎ねられようが心臓を貫かれようが爆発粉砕されてもピンピンしているのはコレのお陰。また彼に既存のHPの概念は適応されず、ステータス状のHPではなく、「現時点での彼の体積」がHPとなる。例えばゼクスのHPが100であるとすると、切られようが突かれようが体積自体は減っていないため100のままだが。彼の体積の半分が吹き飛ばされた場合HPは50になる……と言った感じ。
保有スキル
ジョブ
《犯罪史(ワールド・レコード)》:パッシブスキル
【犯罪王】の唯一のスキルにして奥義。
上記のように犯罪によって経験値がもらえる特殊なスキル《犯罪》の定義などと言った細かい仕様は明らかになっていないが、ゼクスによれば『この世界の住人が重大な罪と考えている』犯罪であればあるほど経験値効率がいいらしい。
エンブリオ
《シェイプシフト》:アクティブスキル
変形(シェイプシフト)の名前の通り模倣した相手のステータスや能力を獲得するスキル。
通常の武器や防具では装備スキルまでコピーすることは出来ないが、〈エンブリオ〉であれば装備スキルさえ獲得できる。
ここだけなら強力なスキルだが、欠点が二つ存在する。
一つ目は《シェイプシフト》は「対象とのレベル差が変形の精度に関わる」こと、同レベルなら五分のコピーに留まり、対象と全く同じ能力を獲得するには相手の二倍のレベルが必要になる。因みにこれはエンブリオにも適応されており、第七形態のゼクスでも相手のエンブリオを完全にコピー出来るのは第三形態までとなる。
二つ目は「能力の詳細を把握していないとスキルは変形できても使用できないこと」コピーした相手のスキル使用法を模倣時に知ることができないため、ゼクスはコピーする相手との直接対決し使用法を探るかするかスキル情報を丸裸にしないといけない制約がある。
《液状生命体》:パッシブスキル
再生に優れ、また物理攻撃を殆ど無効化するスライム体の根幹をなすスキル。また上記の通り普通にHPを削り切って倒す事はゼクス相手には決して通じず、彼を倒すには……それこそ破壊に特化した超級職でも無い限りゼクスは無敵である。
《スプリット・スピリット》:アクティブスキル
超級進化にて手に入れたスキル。スライムの特性の一つである分裂をそのまま発展させたスキル。
効果は変形後の能力を維持したまま六体に分裂するというシンプルなもの。六体それぞれが別の対象に変形する事は出来ず、HPは元の残量を六分割。
加えてデメリットとしてスキル終了時に最大HPが削れてしまう。スキル使用後に分身は残らず最大HPは六分の一で固定され、それはデスペナルティから回復するまで戻ることはない。
《我は万姿に値する(ヌン)》
「……ま、そういうタイプだろうな。テメエの必殺スキルは」
ヌンの必殺スキル。コピーのストックから一つ指定し、三十分間だけその力の全てを使用できる破格のスキル。《シェイプシフト》のような制限もなく、〈超級エンブリオ〉であろうとスキルの行使に何らかのコストや特殊アイテムが必要であろうと、使えるようになる破格のスキル。
だが、一度の使用毎に500のレベルを失う。
超級職ではない者からすればそれは「己の全てを捧げよ」いうのに近く、例え超級職であっても使用を躊躇う程の、そして膨大なレベルを持つゼクス(最大時は恐らく3000オーバー)からしてみても軽々とは使用出来ない。しかもゼクスの場合使いすぎると「コピー元の二倍のレベルが必要になる」《シェイプシフト》を十全に扱えなくなる可能性もあるまさに諸刃の剣を体現したスキル。
【シュウ(破壊王)】と【ゼクス(犯罪王)】
自信を撃滅し得る《破壊権限(デストロイ・オーダー)》を持つシュウとは、単なる敵同士を超えて最早腐れ縁と形容できる関係性である。
時には第三王女であるテレジアを攫おうとする【犯罪王】とそれを阻止した【破壊王】として。
ある時にはある山村で山の神を鎮めるために生贄を捧げる習慣があり、それを妨げる事が大罪とされていた際は、シュウは「脅して幼い子供を生贄に捧げさせるだけの似非神なんざ俺がぶっ壊してやる」と言って山に向かい、またゼクスも「ならばこの私は犯罪者らしく、大罪を犯さなければなりません」と言ってやはり山に向かい。山の神……神話級にも届き得る古代伝説級のUBMを協力して討伐したりもした。
そしてある時は……王国と皇国の戦争に向かおうとしたシュウを「決闘しろ。決闘場所に来なかったら王国でテロ起こす」と脅しつけ本気の勝負を仕掛けたりもした(シュウが戦争に参加できなかったのはコレが原因、勝利こそしたがとある装備スキルのデメリットによって戦争に参加できなかった)。
ゼクスは揺るがない決然とした意志を持つシュウに惹かれている。それと付け回すようなこともしてるが別にストーカーホモではない。
関連人物
幾度となく相まみえた宿敵にして腐れ縁。
特異な出自を持つゼクスにとって彼の存在は正反対かつ鏡写し。
誰にも左右されず自分を貫き通す生き方をするシュウの存在は、
自身の生き方を模索するゼクスにとっては非常に重要な存在。
宿敵シュウの弟。
ゼクスは当初そこまで関心をもっていなかったが、ある一件でレイを間近で観察した際にはシュウ同様強い意志を持った彼にも興味を持ち始める様になる。
関連タグ
InfiniteDendrogram 犯罪者 サイコパス 葛餅 スライム
ヤンホモ:作中におけるシュウへの思いからこう呼ばれることも多い。
誤記 表記揺れ
贄の側
彼のリアルはとある名家の嫡男……が病や怪我を患った時の臓器移植用に作られた所謂クローン人間である。
InfiniteDendrogramのもう一つの舞台である地球は2045年、否、それよりも20年前からクローン技術が確立されており、技術的難点であったクローン体の寿命や身体能力を完全にクリアし、この世界の地球人類はクローン技術を手に入れていた。
〈ここより本文より抜粋〉
しかし、それは決して公に使われることのない技術だ。
理由は、『倫理』である。
ヒトのクローン。それは技術的に可能であっても、倫理的に不可能とされた。
だが、そうした倫理感の薄い国や、倫理感を持つ人々の目から隠れた世界では、ヒトクローンが生成されることもあると……まことしやかに囁かれていた。それらは権力者や富豪が内臓疾患や重傷を負った際に、健康な臓器に取り換えるための……部品置き場としてのクローン。
生贄、である。
倫理観を持つ先進国ではフィクションの存在のように語られもするが……実在する。
ゼクスのリアルこそが、その一例だった。
上記のように本来ならオリジナルが大怪我や病魔を患った際にすぐ終わるはずだったゼクスだったが、彼が臓器提供するまでもなく、オリジナルの嫡男は事故か何かによって臓器提供を、受ける間もなく即死。
これによってゼクスは嫡男と同一のクローンであった事から嫡男の代わりとして生きている。
この事をシュウに告白したのち、ゼクスとシュウは本気の勝負を行い。結果ゼクスが敗れ監獄に叩き込まれる形となった。
これにて最悪最恐の【犯罪王】はその罪状もあってかInfiniteDendrogramのサービスが続く限り表舞台に現れる事は無い筈だったが…………………
ここから先はweb版のネタバレになります
脱獄
監獄内での喫茶店の運営や読書感想文を書いてりして囚人ライフを満喫していたゼクスだったが、「犯罪者は脱獄するものでしょう?」といってガーベラ、そして監獄内で協力関係を結んだ【疫病王】と共に管理AIの障壁すら突破して、記念すべき監獄最初の脱獄犯となった。
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