概要
「ツライさん」とは、『けものフレンズ』の登場キャラクター・アライグマ(通称・アライさん)の二次創作ネタの一つ。
その名の通り「アライさん」の頭の一文字を改変しただけの単純なネタであるが、元々はアライさんと愛称が同じ元プロ野球選手の新井貴浩がFA制度を使って広島東洋カープから阪神タイガースに移籍した。その後の会見に発した「辛いです。」というコメントにより「辛いさん」という渾名が付けられたことに由来している。
アニメ版の放送開始当時から、ネット上ではアライさんと新井選手をかけたネタは数多く投稿され(→25番というフレンズ)、その過程で前述のFA会見の場面をアライさんに置き換えたネタイラストもみられるようになり、ここではじめて「ツライさん」という呼称が用いられるようになる。
その後、とある掲示板において、アニメにおけるアライさんの顔を改変した画像が投稿される。元画像のアライさんは力強いツリ目と笑みを浮かべた口元といった、自信に満ち溢れた顔付きであるのに対し、改変された画像では瞼と眉の向きが左右に、口が上下に反転され、哀愁漂う弱々しい困り顔に加工されていた。
そのなんとも言えない辛そうな表情が閲覧者のツボをとらえ、二次創作におけるアライさんの新境地としてジワジワ広がりを見せていくことになる。
現実の広島カープとの関連について
カープの危機なのだ
1991年のリーグ優勝以降、20年以上に渡って優勝も出来ず、その間15年連続Bクラスという、阪神タイガースより長い低迷期(阪神は優勝は最長21年、Bクラス9年)となっていた。2013年にようやくAクラスとなり、翌年もAクラスだったが、2015年けものフレンズ開始となるが、この時期にはカープは低迷期を脱し、いつ優勝してもおかしくない状況にまでなっていた。
2016年、新井貴浩がカープ復帰ことなどにより、25年ぶりにリーグ優勝を果たす。また新井自身、この年打率3割19本塁打の活躍でシーズンMVP、ベストナインを獲得するほどの大活躍で、文句のつけようのない程の完全復活を遂げる。優勝の感動が冷めやらぬ2017年1月にけものフレンズアニメ版第1期放映開始。
その後カープは日本一にはなれなかったものの、3年連続リーグ優勝を果たすが、2018年オフに新井は惜しまれつつも現役引退。新井がカープに復帰後に在籍してる間はカープの危機などどこ吹く風、かつての「ツライサン」という蔑称を完全に払拭すると言っていいものであった
2019年、アニメ第2期放映開始。この年4年ぶりに優勝を逃すとBクラスに転落という結果に終わる。
世知辛いのだ…
Pixivユーザーでもあるパン氏がTwitterで公開した「ツライさん」を題材にした漫画シリーズがネットニュースで取り上げられるという珍事を発端として、昨今では現代社会の荒波に揉まれるアライさん(所謂現代パロディ)というネタが定着しつつある。
その他、そもそもアライグマ自体が国内では特定外来生物に指定(つまりのけもの)されていることを背景にしたネタも極稀に存在する。ただ、アライグマが害獣扱いされる発端となったのも、一時のブームに便乗しペットとして国内に大量輸入した末に放逐するという人間たちの身勝手なエゴによる弊害であることを鑑みると、なんとも居た堪れない話である。