卵を割って、セカイを変えろ。
概要
1990年代から2000年代初頭にかけて、『高校教師』『ひとつ屋根の下』といったテレビドラマの世界で話題作や問題作を次々と生み出した脚本家の野島伸司が、あえてアニメの脚本(および原案)に挑戦する作品。
アニメーション制作はCloverWorks。監督は若林信。
不登校の中学生の少女・大戸アイが、ふとしたことでエッグと呼ばれる謎の物体を拾ったばかりか、いわゆる「天の声」にそそのかされてその物体を割ってしまった結果、自分の身に様々な出来事が降りかかっていく様子を描くとのこと。
キービジュアルやホームページのメイン画像からは一種の青春群像劇を彷彿とさせており、その要素もあるにはあるが、実際のところはそれ以上にいじめなどの人間関係や社会の闇が色濃く描写されている他、豪快かつアクロバティックな戦闘シーンとそれによる出血などのダメージシーンも多く、全体的にハードでシリアスな作風になっている。いかにも野島伸司作品とも言えよう。
2021年冬アニメと言う形でBS日テレ、日テレプラス(日本テレビのCS部門)および日本テレビ系列の基幹局(ただし広島テレビを除く)に加えて、青森放送とかテレビ金沢とか日本海テレビとか山口放送とか南海放送とかにて放送された。
また、HuluやTVerなどでの配信も実施している。
主要登場人物
先述の通り不登校。右目と左目の色が極端に異なる(いわゆるオッドアイ)。
寡黙な褐色肌の少女。他人とあまり関わろうとしない。
金髪。しかもその一部に赤いメッシュを入れており、ものすごく目立つ。外見に違わず(?)かなり図太い性格。
ショートカットでガタイが結構大きい。故に男に間違われてしまうことがしばしばある。
アイの親友。転校生でアイと親友になるが、アイの学校の校舎から転落して死亡。彼女を生き返らせるためアイはエッグ世界に足を踏み入れる。
- アカ(CV:内田夕夜)
エッグ世界の住人。トルソー(というよりはマネキン人形の一種)に眼鏡、ブレザーを身に着けており紳士的な態度を取る。
- 裏アカ(CV:高橋広樹)
エッグ世界の住人。アカと同じくトルソー(だが手と足は存在。またのっぺらぼうではあるが頭部もある)。くだけた服装で少し乱暴。
- 沢木修一郎(CV:中澤まさとも)
アイの担任教師で百恵の叔父。美術部顧問だが行く行くはプロの絵描きになりたいと思っている。不登校になったアイを心配して頻繁に訪問しているが…
用語
ワンダーエッグ
本作のキーアイテム。
アカと裏アカが作っており、彼らが何時もたむろしている地下庭園のガチャマシンから購入する。
見た目は普通の生卵だが、殻にはシリアルナンバーとして英数字が羅列されている。
割ると、「エッグ世界」という人間が見る「夢」のような特殊空間に飛ばされ、同時にエッグに対応した人物が召喚される。
その人物のワンダーキラーを倒すことでエッグ世界から帰還できると同時に、蘇らせたい人物の復活に一歩近づくことができる。
尚エッグ世界ではダメージを負っても直ぐに回復するが、現実世界に戻るとそれまでのダメージが全てフィードバックされてしまう上に助けた人物はその直後に消滅してしまう。
アカによれば、その人物もまた様々な悩みや考えによって自殺してしまった人物であるとのこと。
価格は1つ100円だが、初回のみ無料で手に入れることができる。
ワンダーキラー
エッグから召喚された人物がトラウマを持つ人間のイメージが怪物になったもの。
総じて全員巨大で、ファンシーさとグロテスクさを両立した異様な姿の持ち主で、怪力と様々な特殊攻撃方法を持つ。
言動はモデルになった人間そのもので、召喚された人物を心身ともに痛めつけてくる。
ミテミヌフリ
エッグ世界にて、召喚された人物に襲い掛かってくる雑兵達。
見た目は部族の持ち物を思わせる不気味な赤い仮面を被り、簡易化されたスーツを着た怪人で、背丈は足元から膝下までという小柄な物。
単一ではそこまで強くはないのだが、ナイフなどの凶器で武装しており、数も非常に多い為厄介な存在に変わりはない。
何故かエッグを割った人物を追おうとはしないが、攻撃してきた場合はそのまま対象になる。
その後、一部個体が大きな口を持つ黄緑の顔のアンチに変貌。
攻撃対象もエッグを割った人物に変わっている。
お助けキャラ
アンチに対抗すべくアカと裏アカから少女達に送られたアイテムから現れる動物達。
普段は卵型のペンダントの中にいるが、「ヴェニ」の掛け声と共に孵化し逆に「ペニ」の掛け声で元のペンダントに戻る。
それぞれ爬虫類の姿を模しており、現実世界では掌サイズだが、エッグ世界では巨大化し、アンチを食べて少女たちを守る頼もしい味方になる。