戦騎の誇りを取り戻し武人として散った怒りの戦騎ドゴルドの勇姿。
概要
注意、放送当時の台詞を入れていますので、ネタばれの可能性がありますので観覧の際には注意してください。
怒りの感情を司る怒りの戦騎ドゴルドは、意思を持った鎧で、相手を挑発して「怒り」を誘い、目的達成のために様々な策を巡らせる狡猾で卑劣な性格の持ち主で、その傍若無人ぶり故に他の戦騎や部下からも距離を置かれてはいる。しかし、他人の体を依り代としなければ強くなれない自分自身にコンプレックスを抱いており、それが原因でエンドルフを取り込み、その力を慢心し、体調が思わしくないカオスを蹴落とし、自らがデーボス軍のトップに立とうと言う野望を抱くようになった。
しかし、ドゴルドの体内で怨みを蓄積して復活の機会をうかがっていたエンドルフの策略により失敗、殺されそうになった所をキャンデリラとアイガロンに助けられるが、自らの目論見がカオスの知るところとなり、自らの信用は失墜した上、怒りの感情が十分に集まったために用済みと見なされ、再びカンブリ魔を依代にせざるを得なくなった。
その際、自分を心配し同情してきたキャンデリラやアイガロン達を「他人の身体がないと強くなれない自分の腹立たしさは自分にしか理解できない」と一蹴し『他人の体を依り代としなければ強くなれない自分自身』に強い苛立ちを持つ事実を吐露した。
その後、反逆の罰として角に制御装置を付けられてエンドルフの下僕として働く事になり、彼に逆らえない絶対服従の奴隷と成り下がってしまう。以降エンドルフの手足として利用されキョウリュウジャーへの刺客として差し向けられるが、その様子を宿敵であるゴールドからも「武人としての誇りも失ったのか」と軽蔑されてしまった。
その後、最終決戦では、エンドルフと共に変身能力を失った空蝉丸と戦う。エンドルフが恨みの力で空蝉丸の動きを押さえ、窮地に追いやるが、突如ドゴルドがエンドルフに連続攻撃を加えて、左腕にある制御装置を破壊した。
ドゴルド「ふふ……どうだ?。オレの怨みも、なかなかのもんだろう?」
エンドフル「て、てめえ、始めからオレへの反逆を狙ってたのか!」
ドゴルドの予想外の行動に戸惑う空蝉丸にドゴルドは言った。
ドゴルド「手を貸せ、空蝉丸! ふたりで、こいつを倒すんだ。」
空蝉丸に共闘を持ちかけるドゴルド。かつての宿敵から意外な言葉に驚愕する空蝉丸。
ドゴルド「おまえの言葉で、吹っ切れたんだよ」
それは以前、空蝉丸との戦いの最中。
空蝉丸「うぬは、真の悪党。だが、少なくとも、己の強さに対する誇りや自信は、あったはず。それすら……それすら、失ったのでござるか!?」
空蝉丸の言葉が彼の心を動かし、戦騎としての誇りを取り戻した。その誇りを踏みにじったエンドルフを倒す機会を密かに伺った。
ドゴルド「オレは体を持たねえ鎧だが、オレは戦騎だ! その誇りを踏みにじったこいつを倒せるなら、他にもう何もいらねえ!」
怒りを剣にのせ、憎き相手であるエンドルフにぶつけるドゴルド。空蝉丸と共闘し、エンドルフを追い詰めるが、エンドルフの反撃から身を挺して空蝉丸を庇い、砕け散るも、空蝉丸の身体を取り付いた。
空蝉丸「ドゴルド、これは一体……」
ドゴルド「乗っ取りゃしねえ。オレたちの技を合わせる」
空蝉丸の意思を持ったまま一体化したドゴルドは、喧嘩上刀とザンダーサンダーの二刀流の雷電残光を放った。
空蝉丸、ドゴルド「奥義・雷電残光!」
稲妻が、地を駆けるその姿は、まるで龍であり、その威力は雷電残光を超えるほど。これを食らったエンドルフは倒された。
直後、空蝉丸を解放し、再びカンブリ魔の肉体に戻るドゴルド。
ドゴルド「ハハハハハ……最高の気分だぜ!」
高らかに笑いながらフラフラになり樹にもたれかかるドゴルド。
ドゴルド「さあ、今度は、オレたちの決着だ」
空蝉丸との決着を望むドゴルド。しかし、彼の顔半分が割れていた・・・
ドゴルド「さっさと、かまえろよ!」
空蝉丸「ドゴルド。先ほどの戦いで、すでに致命傷を……」
体のあちこちから火花が散り、鎧の崩壊が始まったドゴルド。空蝉丸は悟った。先程エンドルフの攻撃で致命傷を負っていた事を……。
ドゴルド「空気読めよ……空蝉丸ちゃん……」
すでに致命傷により崩壊していくドゴルド。しかし、彼を支えているのは武人としての意地であった。彼の思いを汲んだ空蝉丸は剣を構え、最後の一騎打ちを挑んだ。
一騎打ちの末、剣を通して空蝉丸は悟った。
空蝉丸「おぬし、最後は拙者に倒されるつもりでござったな……」
ドゴルド「ありがとよ……オレのワガママに、付き合って……くれて……」
自分の我が儘に付き合ってくれた彼に感謝するドゴルド。「武人」として、「他人の身体を乗っ取てでも不便に生き続ける」よりも「戦いの中での名誉ある死」を望んだのである。
空蝉丸「悪党のくせに、殊勝なことを申すな。腹立たしい!」
ドゴルド「そうかい……腹立たしいかい……」
空蝉丸から「武人」としてのその天晴な決断に皮肉を込めた「腹立たしい」の一言に何処か嬉しそうに満足するドゴルド。
最後は笑いながら雷のような火花を散らせながら、最後は無数の蛍もように淡く消えていきました。
空蝉丸「ドゴルド……憎き宿敵、だが……最後の最後に、武人としての意地、見せてもらった!」
武人として散ったドゴルドを賞賛の言葉を贈る空蝉丸。ドゴルドと空蝉丸の数百年の永きに渡る宿命の戦いに終止符を打ち、幕を閉じた……。
傍若無人で目的達成のために様々な策を巡らせる狡猾で卑劣な性格であったドゴルド。しかし、戦騎としての誇りを持ち、宿敵である空蝉丸とは永い間肉体を共有した事で、敵味方を越えた不思議な感情やある種の絆のようなものを芽生えさせた。最後は武人としての最後を望み、自ら空蝉丸に倒される事を選び、武人の意地を取り戻して散った誇り高き戦騎ドゴルドの生き様。