ベンガーナ王国
べんがなおうこく
概要
地上界の中心に位置する最大の大陸『ギルドメイン大陸』の中央部に存在している。
武力、経済力とも世界トップクラスで、世界で唯一デパートが存在する。デパートにはエレベータまでが備え付けられており、丁寧に案内表示板まで整備されていることから、非常に多くの人々が往来していることをうかがわせる。
新たな武器を求めてやってきたダイ一行を狙った超竜軍団の襲撃を受け、多大な被害を受ける。
更にその数日後、竜騎衆の空戦騎ガルダンディーとスカイドラゴンによってまたしても壊滅的な被害を受けた(直接的な描写があるのは原作のみ。アニメ版では臭わす程度の描写あるがカットされている)。
関連人物
クルテマッカVII世
国王。42歳。一人称は「ワシ」。
強大な軍事国家の主というだけあって自信家であり、当初は自国の財力・軍事力を鼻にかけてレオナ姫ら他国の代表との協調に反発するなど反りが合わなかったが、自国の力に驕ったために各国首脳を危機に陥らせてしまったことを詫びるなど頑迷な人物ではない。
鬼岩城を撃破したダイの活躍を目の当たりにして感動し、以降は強力な支援者となった。腹の据わったところがあり、一度信を置いた相手はとことん信じぬく。
「賭けに勝つコツは、最後まで勝利を疑わないこと」という持論を持ち、それによって代々の財産をさらに大きくしてきたという。大魔王バーンから世界各国の鏡に己の勝利宣言のような血文字のメッセージが送られてきたときにも、ダイ達に全てを賭けていた彼は動揺を見せなかった。
家族は、妻・息子1人・娘1人がいる。
アキーム
戦車部隊隊長。24歳。
自国の軍隊、特に自身が率いる戦車部隊には絶対の自信を持っている。
登場時は無口で愛想が悪く、ポップやクロコダインから悪い印象を持たれていたが、本当は職務に忠実なだけの礼儀正しく生真面目な青年。
鬼岩城戦では命を捨てる覚悟で先陣を切って戦う気概を見せ、以来同じ武人肌のクロコダインとは互いに敬意を払う友人になった。
砲術だけでなく剣術の心得もかなりなようで、ダイ達のカール遠征にも参加し、最終決戦では光の魔法陣を護るために剣で戦った。初登場時は兜をかぶっていたためわからなかったがスキンヘッドが特徴。
家族は、両親と弟がいる。
ゴッポル
デバートのオークションにおいて、ドラゴンキラーを落札した商人。戦いができるわけではなく、財テクのためであったという、商人らしいエピソードにして、商業都市の側面を見せた。
本人はわりとがめつい人物らしく、超竜軍団にベンガーナが襲われた際、「商品」であるこれを手放すリスクをおそれ、装備できる者に貸そうという発想はなかった。
1991年版アニメでは当時ザボエラを演じた龍田直樹氏が、2020年版アニメでは水内清光が演じている。
母子
幼い少女と母親。超竜軍団にベンガーナが襲われて命の危機となるもダイに救われる。だが、娘は人間離れした戦いをしたダイを恐れて泣き喚いた。「等身大ではない存在を受け入れることができない人々もいる」という一種の人間描写である。
規格外の存在への恐怖
超竜軍団に襲われた際、人間離れした戦いを見せたダイだが、人々の中には救ってくれたお礼よりも先に「人並みはずれたバケモノ」として彼を認識してしまった結果、ダイを恐れるという結果をもたらした。
本作が「勇者とは必ずしも英雄として認識されるものではない」ということを明らかにしたと同時に、「人間の負の側面」を「主人公に対して」向けられたシーン。今でこそありうる展開ながらも、当時は(ましてドラクエを題材にした作品として)極めて珍しいものだった。
ダイ自身もこの一件と、それに続く父バランの過去を知った事で、それまで抱いていた「勇者」に対する価値観を大きく変化させる結果になった。
そして、最終決戦でも大魔王バーンがこうした人間の汚点を否定できぬ正論として説いており、それに対するダイの"答え"は今でも語り草である。
連載当時は本誌でも主観的な解説が存在した時代であり(例えば呪文を吸収して上乗せするオリジナル呪文「マホプラウス」が、使い手がザボエラだったことのみを理由に「卑怯」と書かれていたほど)、もしもダイの大冒険という作品が例えば2010年代に始まった作品だったとしたら、ベンガーナはどのような評価を受けていただろう?
余談
原作者の三条陸氏によれば、日本列島をモデルにしたダイ大世界の大阪に相当することから、商業の発展した国という設定になり、国名も「でんがな」が由来らしい。
関連タグ
ハーメルンのバイオリン弾き…ドラゴンクエストの販売元であるエニックスから出版されていた少年ガンガンで連載されていた漫画。作中に母子同様にハーメルの強さを恐れて泣き喚いた少年とその母親が登場した。だが、少年はハーメルのバイオリンに感動してちゃんと彼に謝っている(もっともハーメルの怒りは収まらず、裸踊りをさせられたのだが…)