13歳くらいより新潟市で芸界に身を投じ、爾来17年間同じ処で勤め通した人である。
清元、長唄は勿論、踊りも頗る達者、数ある芸妓達の中にも特に傑出した土地の花形であった。
生れつきの情趣のある美声は、忽ち江戸っ子の気に入り、葭町の勝太郎と云えば、粋様知らぬ人は無かったという。
5年にオデオンレコードから葭町勝太郎の名で「佐渡おけさ」「佐渡小唄」でデビュー。
同年、ビクターに移籍。
当時まだ年も若く、芸熱心な人で、かつて新潟であった様に、その頃にはお江戸の花形と称される程であったが、8年10月に妓席を退き、9年に小唄勝太郎と改め、専ら小唄の道に進んだ。