ブレトン
ぶれとん
◆概要
タムリエル大陸北西部のHigh Rock地方出身の種族。英語表記では『Breton』。
プレイヤーキャラクターの種族として選択することもできる。
抽象的な思考を得意としており、人間種の中では珍しく生まれつき優秀な魔法適性を持つ種族。特に魔法ダメージへの高い抵抗力は竜皮(ドラゴンスキン)と呼ばれて広く知れ渡っている。
◆モデル
モデルは現在の英仏地域に居住したケルト人、またはイギリスからフランスに移住して定着した古代イギリス人(ブリトン人)だと言われている。種族名は古代のイギリスを指すブリテンからきているようだが、人名はフランス風も多い。
◆特徴
種族的特徴として、魔法耐性を持っている事が第一に挙げられる。ブレトンの原種である古代ノルド族『ネディック』がHigh Rockに入植した際、先住していた古代エルフ『アルドマー』に隷属する形で共存を図った結果、彼らとの間で混血が進み、遺伝形質として獲得していったもの。
俗にハーフエルフに例えられるが、長年を経て単なる混血ではなく独立した種族となっている。すなわちエルフと人間の単純な混血であるハーフエルフとは異なり、一般にブレトンとブレトンとの子はブレトンであって、エルフやノルドになったりはしない。
アルトマーが魔法との親和性が高すぎて魔法に影響されやすいのとは対称的に、ブレトンはアルトマーほどの魔法ではないものの逆に魔法への耐性を獲得しており、人間族で魔法使いプレイをしたいプレイヤーからすれば最も良いキャラとなる。
◆歴史
先述の通り、サマーセットから移住してきたアルトマー「ディレニの一族」がハイロックにおいて支配的な立ち位置を持っており、後に入植してきた古代ノルド(ネディック)との混血が進んだとされる。
第一紀においては、ハイロックにてアレッシア帝国との戦いが発生。このとき"最後の王"と呼ばれるアイレイドの王が参加していたとされる(歴史においては当時のハイロックの人間たちは一般的にエルフたちの従属とされていたが、エルフに親愛の意思を持ち、自らの意思でエルフ側に参加して戦ったブレトンもいたとされる)。
しかし後にアレッシア帝国軍との戦いによりエルフ勢力が弱体化。"エルフの大君主達から領土を解放する"ブレトン達との争いに破れてエルフたちがハイロックから追いやられ、それ以降のハイロックはエルフ支配から脱却したブレトンによって支配されることとなる。
◆文化
エルフとの混血によって人間とエルフの文化が習合される形になっており、人間文明の発祥地とされるスカイリム地方では家や城を問わず丸石や藁葺きの建物が多いのに対し、ハイロックでは石レンガの建物が数多く作られるなど、人間の文化の中では最も洗練され、知的水準や文化レベルもエルフのそれに近いものとなっている。
華やかで煌びやかな宮廷文化と貴族文化を持っており、特に食文化に関しては他種族に比べてずば抜けて優れている。多くの宮廷料理人や名コックを輩出している他、名物のブレトンチーズはタムリエル中にファンがいる模様。
他種族に対する一般的な敵意は薄いようで、故郷のハイロック以外にもタムリエル大陸各地に居住している。
貴族の伝統を守るためと有事の際にハイロックの防衛を強化しておけるようにとの理由から騎士社会が作られたとされており、上は上級王から下は小作農民まで階級制度が定着し愛着を持っている。
しかし、皆が階級や職業にこだわるあまり、上流階級においてはたくさんいる貴族の息子や娘たちに数字や交渉の能力に関わらず「商人」の職業が与えられたり、下層階級においても社会への貢献に報いるお手軽な手段として「騎士爵」を与えることが行われている。加えて、貿易や財政維持などの戦闘以外の功績(お財布役)でも「騎士爵」が与えられることがあるため、運送会社のトップや宿の経営者すら「卿」の付く人が出てくる有様で、ハイロックは職業と階級のバーゲンセール状態になっている部分もある(タネスのレディ・シンナバー著『ハイロックの騎士団』)
◆容姿
人間種としては小柄な体格。男女共に全体的に丸顔の童顔で、デフォルトですっきり整った顔立ちをしていることから、キャラメイクの際にMOD無しでもそれなりに美男美女を作ることが容易な種族としてもファンの間では有名である。
但し、ドラゴンスキンの設定を汲んでか肌質がやや荒れているようなタッチになっているため、つるつる肌のキャラを作ることは難しい。TES:Ⅳ Oblivionではこの特徴を逆手にとってそばかす美少女を作ったりするプレイヤーもいたが、TES:Ⅴ Skyrimでは肌色が土気色っぽく調整された上に額に謎の深いシワが追加されたため、これまで通りにはいかなくなっている。
リーチの民
スカイリム西部のリーチ地方では、主要都市であるマルカルスを中心とした、ブレトンの系統にあたる民族「リーチの民」(もしくはリーチメン)が独自の文化を持って生活している(ESO: マルカルスにおける伝説の書物のプレビュー:リーチのクランについて)。
第二紀560年代におけるリーチ地方は、さまざまなクランによる統治を基本としている。定住するクランもあれば遊牧民的な性質を維持するクランもあったとされ、気の合う一団で集まって大きなクランになったり逆に分裂して小さなクランになったりと、非常に流動的に変化していったと伝えられる。
クランの性質も多種多様で、よそ者(外部)に無関心なクランもいれば友好的なクランもいる。もちろん、排他的なクランから攻撃的なクラン、よそ者を捕らえて闇の儀式に使うヤバいクランまで。
Skyrimなどではたびたびハグレイヴンとフォースウォーンがセットで居るケースが多かったことからハグレイヴンを崇拝しているように思われるところもあるが、特にハグレイヴンは信仰対象なわけではなく、魔術的性質を借りているフォースウォーンの仲間としてあるいは集団のリーダーとして存在しており、対象としてはナミラやハーシーンなどのデイドラ信仰などになる。
第四紀においては、フォースウォーンと呼ばれる集団がリーチ地方に登場している。
個別記事についてはこちらを参照。 → フォースウォーン
◆宗教
ブレトンの神々 | 他の重要神格 | 解説 |
---|---|---|
アカトシュ | 帝国と同じドラゴンの神。 | |
マグナス | メイガス、魔術の神。 | |
イフレ | 大地の神。ボズマーの信仰対象の一柱。 | |
ディベラ | 美の女神 | |
アーケイ | 死と輪廻の神。 | |
ゼニタール | 商売と交易、労働の神 | |
マーラ | 愛の女神。 | |
ステンダール | 人間を憐れむ神、正義の神。 | |
キナレス | 大気と自然の女神 | |
ジュリアノス | 識見と論理の神、およびシロディールの文学、法学、歴史と矛盾の神。 | |
シェオール | ロルカーン | 邪神、災いの神、凶作の神など。ノルドのショールを悪魔化したものと考えられている。 |
フィナスタール | エルフ側の神の一柱でサマーセット島の英雄神。エルフに寿命を伸ばす方法を伝えたとされる。 |
◆余談・その他
- 当時ハイロックを支配していたディレニ一族は、サマーセットを去る以前に始祖が農園主をやっていた頃の土地が「ディレン」という名称だったことからそれが一族の名前になったという(ヴァリアン・ディレニ著『デ・レルム・ディレニス』)