くみれい
くみれい
概要
武田綾乃による青春部活小説シリーズ『響け!ユーフォニアム』の登場人物、黄前久美子と高坂麗奈のカップリングタグ。
久美子は麗奈のことを「高坂さん」から「麗奈」と呼んでおり、対する麗奈も「黄前さん」から「久美子」と呼ぶなど、関係性の進展によってそれぞれ呼び方を変えている。
いい子のようで実はどこか冷めていて、思ったことがすぐ口に出てしまう久美子と、一見クールなようで実際は熱い闘志を胸中に秘めている麗奈は、吹奏楽部での活動を通して互いの持つ魅力に惹かれていき、いつしかかけがえのない存在として認め合うようになる。
久美子にとって麗奈はライバルであり、憧れであり、「誰とも違う」孤高の存在であり、対する麗奈は久美子の言葉の節々から「やっぱり久美子は性格悪い」と捉えながらも、その素直な性格に「ほかの人とは違う」ものを見出していた。ときに危なささえ感じられるほど距離感の近いふたりであるが、麗奈には想い人の滝昇がいるなど、「恋愛」ともまた違う形の結びつきとして描かれている。そうした関係を、TVアニメ版公式サイトのキャラクター相関図では「引力」という言葉で表している。
なお、TVアニメ版の監督を務めていた石原立也も、ふたりの互いに強く惹かれあう関係を『あしたのジョー』の矢吹丈と力石徹のような、ちょっと男らしい熱い関係性であると語っている。(「Febri」vol.39 株式会社一迅社 2017年1月1日発行 25ページ)
余談だが、類似タグの「れいくみ」は、カップリングの表記の形式にのっとり、主に麗奈が積極的に攻めに回っている状況につけられる傾向がある。
経緯
久美子と麗奈のふたりは出身中学校が同じで、ともに吹奏楽部に所属していたが、当時は顔を合わせれば挨拶する程度の素っ気ない関係であった。
中学3年生時に出場した吹奏楽コンクールの京都大会において、ダメ金となって涙を流し悔しがる麗奈に対し、久美子が考えもなしに「本気で全国行けると思ってたの?」と尋ねたことから、気まずい関係となってしまう。
北宇治高校に進学した久美子は、クラスメイトの加藤葉月と川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行った際に、麗奈も北宇治高校に入学したことを知る。
高校でも同じ吹奏楽部に入部した久美子と麗奈であったが、中学のコンクールでの出来事のことで、久美子は麗奈とうまく話せずにいた。しかし、葉月と緑輝の協力や、吹奏楽部での活動を通して互いが持つ魅力を見いだしたことなどにより、次第に開いていたふたりの距離感は縮まっていく。
そして、6月のお祭りの日にひょんなことからふたりで祭りの喧騒を離れて大吉山に登ることになり、その道中や山腹の展望台で語り合い、その果てに麗奈は久美子に「愛の告白」をする。
それまでは互いに名字に「さん」付けで呼び合っていたふたりだったが、この出来事を境に名前で呼び合うほどの関係へと進展していった。
夏の吹奏楽コンクールに向けたオーディションで、麗奈は自由曲のソロパートの座を勝ち取るが、それによって吉川優子をはじめとする部員たちと対立する形となる。その身にかかる重圧により麗奈は次第に揺らぎを見せるが、そんな彼女を支えようと覚悟を決めた久美子からの「愛の告白」によってかねてからの強い意志を取り戻し、無事にソロパートの座を手にすることに成功する。
以降は、互いの存在をライバルとして認め合うとともに、「特別になりたい。胸を張って隣に立ちたい」という寄り添いと張り合いの意識を織り交ぜながら、熱い想いをもって日々の活動に取り組むようになる。
くみれいの聖地
この二人を語る上で外せない場所が、京都府宇治市の大吉山展望台だろう。「さわらびの道」から大吉山登山道を通ると、標高100mの場所に宇治市街や宇治川や平等院を一望できる展望台がある。
先述の通り、1年生の時にこの場所で二人の距離は縮まり、親密的な関係となる。さらに2年生の時にも二人はこの場所でお互いの気持ちを分かち合い、共に過ごす。
このカップリング・コンビを愛好する者には、是非とも訪れてもらいたい場所である。
関連イラスト
冬制服
夏制服
あがた祭り