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プロフィール

名前黄前久美子
誕生日8月21日
身長162cm
星座獅子座
血液型A型
担当楽器ユーフォニアム
好きな色白、黄
趣味音楽を聞くこと、家でダラダラするのが好き
特技缶に入ったコーンスープを飲むときに、ひと粒も残さず飲むことができる
好きなもの卵料理、洋菓子。大好物はオムライスショートケーキ
嫌いなもの虫! とくにトビケラ!
CV黒沢ともよ

概要

北宇治高校の1年生で、吹奏楽部に所属。低音パートでユーフォニアムを担当している。

物事を一歩退いたところから見る冷めた性格の持ち主であり、また、思ったことがすぐ口に出てしまうという癖も抱えている。

小学校4年生のときからユーフォニアムを担当している楽器経験者であるものの、その楽器を選んだ理由やいままで続けてきた理由は確固なものではなく、なりゆきで「なんとなく」やっていたという程度であった。


中学時代の最後の吹奏楽コンクールで「ダメ金」を受賞した際に、賞に対する意識が元になって同級生の高坂麗奈との関係を悪化させてしまうという苦い思い出を抱えており、そんな過去を振り切って新しいスタートを切るために北宇治高校へと進学する。そこでクラスメイトになった加藤葉月川島緑輝に誘われるようにして吹奏楽部に入ることになった久美子は、新任顧問の滝昇の指導のもとに大きく流れを変える部活のなかで自身のユーフォニアムに対する想いを見つめ直し、さらなる高みを目指そうとする熱い想いを抱くようになる。


人物

【宣伝】響け!☆

容姿

肩の上でくるんと弧を描く、茶色を帯びた癖毛のセミロングの持ち主(原作3巻、171ページ、207ページ、立華編前編、9ページ、177ページ)。また、吹奏楽コンクールなどの公式なステージ演奏の場ではポニーテールにすることもある。(原作3巻、321ページ)

背丈は女子高生としてはそこそこ標準的なほうであるが、平坦で存在感のない自身の胸元にコンプレックスを抱いている(第二楽章前編、216ページ、短編集2巻、168ページ)。TVアニメ版によるとBカップであるらしく、原作小説でもTVアニメ版でも自身のスタイルを嘆いている。(原作2巻、121ページ、TVアニメ版1期5話)

また、久美子の中学時代の同級生で大きな胸が悩みの佐々木梓からは、逆に久美子のスレンダーな体型を羨ましがられてもいる。(立華編前編、195ページ)


性格

周りに流されやすい性格をしており、よくいえば優しく協調性があり、悪くいえば事なかれ主義で引っ込み思案な一面を持っている。(原作1巻、31ページ、140ページ)

また、高校に入学した当初はどちらかというと客観的で、どこか冷めているような面を持っていたものの、同じパートの先輩である田中あすか中川夏紀、そして中学時代からの同級生である高坂麗奈との邂逅(かいこう)を通じて、自身の意識や想いの強さを変えていくことになる。のちに久美子自身も、中学時代の自分と北宇治高校に入学してからの1年間を比較して「北宇治高校での1年間が、ずるい自分を変えてくれた」と振り返っている。(原作公式ガイドブック、167ページ)

なお、TVアニメ版では失言を漏らすシーンが多く盛り込まれているため、ファンの一部からは「失言王(失言女王)」と呼ばれることもある。


普段の生活のなかでの他者との付き合いにおいては、相手とのあいだに敷かれた境界線を自分から踏み越えるようなことをせず、協調性を主としてほどほどの距離感を保つようにしている(原作3巻、263ページ)。みずから進んで人との距離感を詰めず、それでいて他者の介入を拒まない久美子の立ち位置は、周りの部員たちから「そこにいるだけで力になる」と思わず気を許してしまうような印象で受け取られている(原作3巻、183ページ、第二楽章前編、207ページ)。そのようなスタンスをとる久美子の様子を、親友である麗奈や葉月、直属の先輩のあすかたちは「ユーフォっぽい子」というような形で評価しているほか(第二楽章前編、80ページ、TVアニメ版2期9話)、2年生の先輩である長瀬梨子も、一歩退いた視点から相手や物事を見て行動する彼女のことを「意外と立ち回りが上手い」と評している。(短編集1巻、247ページ)


ちなみに、シリーズの作者である武田綾乃は、久美子というキャラクターについて「冷静な人」「ちょっと面倒くさい性格」などと語っている。(原作公式ガイドブック、192ページ)


生活環境

京阪宇治駅を最寄り駅としており、父親の黄前健太郎、母親の黄前明子とともに平等院の近くにあるマンションに住んでいる(原作1巻、18ページ、27ページ)。なお、久美子の5つ上の姉である黄前麻美子はかつて一緒に暮らしていたものの、現在では東京の大学に通うためにひとり暮らしをしており、休みのたびに実家に顔を出している。

久美子の住むマンションから京阪宇治駅までの通学路は、あじろぎの道や平等院通り(平等院表参道)、宇治橋を通っているほか、ときおり宇治川沿いにあるベンチに座って物思いにふけったり気分転換をするような様子も見せている。(原作1巻、26〜27ページ、89ページ、第二楽章前編、37〜38ページ)


その他

  • 通学用のスクールバッグには「チューバくん」というチューバのゆるキャラのマスコットをぶら下げており、また、吹奏楽コンクール京都大会(府大会)の前に新たにユーフォニアムのゆるキャラマスコット「ユーフォくん」を手に入れ、以降はそのふたつを一緒につけている。(TVアニメ版1期1話、1期12話)
  • 好きな料理は卵料理。原作小説の作中においても、オムレツフランクやオムライスなどを好んで食べる描写が登場しているほか、TVアニメ版でも卵料理づくしのお弁当が登場している。(第二楽章後編、114ページ、374ページ、最終楽章前編、290ページ、TVアニメ版1期7話)
  • 普通科の文系である久美子は数学に大苦戦しており、高校生活の3年間を通して数学の成績だけは一貫して振るっていない。(原作1巻、228ページ、第二楽章前編、268ページ、第二楽章後編、140ページ、最終楽章前編、343ページ)
  • 2月に行われる定期演奏会に先駆け、各部員に対して演奏会の希望曲を募った際には、吹奏楽の定番曲である『ハンティンドン・セレブレーション』と『ディスコ・キッド』の2曲を挙げている。この選曲に、低音パートのメンバーたちからは「鉄板」「定番」と言われているほか(原作公式ガイドブック、20ページ)、すでに部活を引退しているあすかからも「なんか久美子ちゃんらしいな」と感想を漏らされている。(原作公式ガイドブック、50ページ)

演奏技術

響け!


小学校4年生のときにユーフォニアムを始め、高校に入学した時点で金管バンドと吹奏楽部を合わせて6年の楽器経験年数を持っている、それなり以上の楽器経験者。

新入生歓迎演奏を行った北宇治高校吹奏楽部の演奏を聴いてそのレベルの低さを一発で見抜いたほか、入部した段階ですでに2年生の先輩である中川夏紀を凌駕するほどの演奏技術を有している。また、吹奏楽部初心者の加藤葉月が苦しんだ腹式呼吸等の基礎練習も何食わぬ顔でこなしている(TVアニメ版1期3話)。中学時代の同級生である佐々木梓も、小学生のころからユーフォニアムを続けている久美子に対しては一目置いており、「結構上手い子」としてその実力を認めている。(立華編前編、138ページ)

しかし、その上手さはあくまで”一般的な”レベルと比べたときの話であり、同級生の高坂麗奈や3年生の田中あすかなど、ずば抜けた実力を誇る部員たちには及ばない。(原作公式ガイドブック、123~124ページ)


久美子にとってユーフォニアムはとくに強い思い入れがあるわけではなく、周りに流されるままに続けていた感じであったものの(原作1巻、299ページ、第二楽章前編、34ページ)、吹奏楽コンクール京都大会(府大会)に向けた練習のなかで自身の実力の限界を痛感し、生まれて初めて「死にたくなるほどの悔しさ」を味わうことになる。涙を流し、心の底から悔しさを噛みしめる久美子は、麗奈やあすか、自分自身に対してさえも「負けたくない」とする固い決意、そして自身のユーフォニアムを通して「特別になりたい」というまっすぐな向上心に目覚めていく。(TVアニメ版1期12話)

(なお、原作小説では北宇治高校と立華高校の合同演奏会に向けた練習において、かつての同級生だった梓が1年間で麗奈に匹敵するほどの演奏技術を身につけていたことに衝撃を受けた久美子が、自分も上手くなって麗奈と並び立つほどの「特別」になりたいと強く心に決めるエピソードが登場している。※原作公式ガイドブック、146~147ページ)

そうして自分自身の音楽に対する情熱を抱くようになった結果、関西大会(支部大会)以降の練習のなかで大きな成長を見せることになり、コンクールシーズンを終えて部が新体制を迎えるころになると、2年生部員のなかでも指折りの実力を持つ鎧塚みぞれ傘木希美のふたりから「あすか先輩の音にそっくりだった」と言われるほどの確かな実力を身につけるようになる。(TVアニメ版2期13話)


2年生に進級して以降も、吹奏楽コンクールをはじめとする数々の演奏の場においてユーフォニアムセクションのトップのポジションを受け持つなど、長年の経験とたゆまぬ向上心に支えられた活躍を披露しており、麗奈やみぞれ、外部指導員の新山聡美といった実力者たちから腕前を一目置かれるようになっている(第二楽章前編、279ページ、第二楽章後編、218ページ、224ページ、359ページ)。技巧の複雑さよりも豊かな響きと柔らかな音色にこそユーフォニアムの本質があると見定め、日々の練習を通して自身の思い浮かべる完成形を追求し続ける久美子の音色は、「北宇治高校でいちばん上手なユーフォニアム奏者」と自他ともに認めうるに相応しいものとなっているものの(第二楽章後編、53ページ、323ページ、短編集2巻、186ページ、227ページ)、その一方で、もしも3年生に進級した際にあすかのようなスーパープレイヤーが新しく入部してきたら、果たしていまの自分では太刀打ちできるのかという漠然とした不安も持ち合わせている。(短編集2巻、228ページ)


彼女の担当する金色のユーフォニアムのモデルは、YAMAHA YEP-621(クリアラッカー仕上げ)。また、原作小説2巻の表紙イラストではヴァルブケーシングにコンペンセイティングシステム(音程補正システム)を搭載したYAMAHA YEP-642(クリアラッカー仕上げ)を構えている姿が描かれている。

いずれのユーフォニアムも学校の備品であり、ラッカーによる塗装があちこちで剥がれかけているなど、かなり年季が入っている(最終楽章前編、85ページ、230ページ)。また、同じパートのメンバーである川島緑輝からは「ジャック」と勝手に名づけられている。(原作1巻、222ページ、TVアニメ版1期9話)

余談だが、小学校時代の金管バンドと中学時代の吹奏楽部では、ともに4本のピストン全部を右手で操作するYAMAHA YEP-321Sを演奏している。(TVアニメ版1期6話、TVアニメ版1期10話)


経歴

小学生時代

Hibike! Log

幼少時代を東京都で過ごした久美子は、小学1年生のころに姉の麻美子が演奏会でトロンボーンを吹いている姿を観て、「お母さん、くみこもあれやりたい」と楽器に興味を抱くようになる(原作1巻、204ページ、原作3巻、36〜38ページ、TVアニメ版2期8話)。そののち、小学3年生のときに東京から京都府に引っ越してからは、母親同士が昔からの知り合いだったことで親しくなった同い年の塚本秀一や、近所に住んでいたふたつ上のお姉さんである斎藤葵たちと仲良くなり、新しい生活に馴染んでいる。(原作1巻、58〜59ページ、169ページ、原作2巻、34ページ)

小学4年生になった久美子は、学校のクラブ活動が解禁されたことでさっそく金管バンドに入部を申し出て、かねてからやりたかったトロンボーンを希望するものの、奏者の空きがなかったためにユーフォニアムを割り振られることになる。当初は自身の担当楽器であるユーフォニアムに対して「地味だし重いし嫌だなー」などといった感想を抱いていた彼女だったが、当時の部長からプロのユーフォニアム奏者である進藤正和のCDや教則本を渡されて手本となる音色や技術を知ったことや、音を出して合わせること自体に楽しさを覚えていたことなどによって、純粋に音楽に打ち込む日々を満喫するようになっている。(原作1巻、176ページ、306ページ、原作2巻、19ページ、原作3巻、152〜158ページ、短編集1巻、22ページ)


中学生時代

響け!ユーフォニアム_102


北中学校(大吉山北中学校)に進学した久美子は、小学生時代の金管バンドに引き続くような形で吹奏楽部に入部し、同級生の部員仲間である麗奈や秀一、梓たちとともに活動に励んでいた。同校の吹奏楽部は部員数が100名近くになる大所帯であり、顧問である藤城の指導のもと、吹奏楽コンクール関西大会への出場をはじめとする数々の功績をあげている。(原作1巻、72ページ、236ページ、原作2巻、14ページ、90ページ、240ページ、原作3巻、28〜30ページ)

しかし、久美子はその中学時代の活動によって、吹奏楽部という団体が決して楽しいものばかりで構成されているわけではないということを知るようになっている。中学1年生のころには、小学生時代から楽器演奏の経験があるというアドバンテージ(優位性)によって3年生の先輩をコンクールメンバー選抜のためのオーディションで出し抜いてしまい、それを妬(ねた)んだ先輩によって八つ当たりとあからさまな無視による仕打ちを受け、心に深いトラウマを植え付けられている(原作1巻、234〜238ページ、原作2巻、145ページ、第二楽章全編、348ページ)。また、中学3年生のときに挑んだ最後の吹奏楽コンクールでは、京都大会金賞という結果を及第点として満足していたところ、その結果を本気で悔しがっていた麗奈の想いに触れて「ほっとした気持ちを見透かされた」ような後ろめたい気持ちを実感している。(原作1巻、8〜9ページ、短編集1巻、22〜23ページ)


中学時代の吹奏楽部での活動を通して、久美子は確かに自身の演奏技術の研鑽(けんさん)や演奏者としてのキャリアを積み重ねていたものの、部活動の宿命であるギスギスとした人間関係に横槍を入れられた結果として、主体性を持つことなく多数派に流されることをよしとするような姿勢(久美子自身はこれを「ズルい考え」と評している)を持つに至っている。(原作1巻、53〜54ページ、75ページ、299〜300ページ)


高校1年生時

息を合わせて


北宇治高校への入学は、宇治市で唯一のセーラー服に憧れたことがきっかけとなっている。また、同級生の多くが南宇治高校に進学したこともあり、友達のあまりいない環境で新しいスタートを切ろうと思ったことも同校を選んだ理由のひとつである(原作1巻、10ページ、140ページ)。進学した当初はとくに吹奏楽部に対してこれといったこだわりはなく、同校の吹奏楽部にも実力的な観点からあまりいい感情は持っていなかったものの、クラスメイトの葉月と緑輝とともに会話の流れでそのまま吹奏楽部へと入部する。そして、新入部員のパート決めにおいて、低音パートのリーダーを担当している田中あすかに目をつけられ、彼女の強い勧めによって引き続きユーフォニアムを担当することになる。

小学生時代からユーフォニアムを続けてきたこともあり、久美子は持ち前の実力の高さを評価されて吹奏楽コンクールA編成部門の出場メンバーにも選ばれており、コンクールシーズンでは京都大会(府大会)のほか、兵庫県で行われた関西大会(支部大会)、そして名古屋のセンチュリーホールで行われた吹奏楽コンクール全国大会など、1年生部員ながら数々の晴れ舞台を経験している。


新体制発足~高校2年生時

新生ユーフォ隊


コンクールシーズンを終えて3年生部員が引退すると、久美子は新たに立ち上がった新体制のもとで新入生指導係の役職を担うことになる(短編集1巻、247ページ、原作公式ガイドブック、7ページ)。なお、同役職は下級生の部内における指導を担うものであるため、新入生が入ってくるまでのあいだは定期演奏会係の補佐役をはじめとする諸業務をこなしている。(原作公式ガイドブック「冬色ラプソディー」)

新年度を迎えて2年生となり、吹奏楽部に新入部員が入ってくると、久美子は3年生の加部友恵とともに新入生指導係の仕事に本格的に着手するようになる。彼女は新1年生部員の大多数をなす楽器経験者の演奏指導にあたる一方で、指導の過程で知り合った新1年生部員たちから相談事を持ちかけられるようにもなっており、彼らの悩みを的確に解決していくその手腕から「黄前相談所」なる二つ名で呼ばれるまでに至っている。(第二楽章前編、159ページ、192ページ、274ページ)


吹奏楽コンクールでは、3年生の中川夏紀、新1年生の久石奏とともにA編成部門に出場し、課題曲のソロを受け持つなどして関西大会への出場に貢献している(第二楽章後編、16ページ)。しかしながら、続く関西大会では金賞を受賞するものの、同じく金賞を獲得した新進気鋭のダークホース・龍聖学園高等部に枠を取られる形で、全国大会への出場を絶たれてしまうことになる。


部長就任

ゆーふぉまとめ⑩


8月末のコンクールシーズン終了からほどなくして行われた3年生部員たちの引退演奏会が終わった日の夜、久美子は部長である吉川優子と副部長である中川夏紀の二人から呼び出される。困惑する久美子からの問いかけに、優子と夏紀はそれぞれ身を乗り出しながら「アンタさ、来年部長やってくれへん?」と頼み込み、次年度の部長職を久美子に渡そうとする意思を告げている。(第二楽章後編、374~375ページ)

現部長である優子は、久美子とともに過ごしてきた2年間の活動を通して、彼女の持つ優れた演奏技術やマネジメント(管理)能力、頼りになる仲間がいることなどを高く評価しており、新入生指導係の役職とそれに付随する「黄前相談所」という仕事を任せていたことも、ひとつ下の代に大きな影響力を持たせるために行わせていたと明らかにしている(第二楽章後編、378~380ページ)。それらの点を踏まえた上で、優子の告げた「今年、うちらが果たせへんかった夢を、アンタに叶えてほしい」(第二楽章後編、376ページ)という想いと向き合った久美子は、次年度の新部長となることを決意している。


その数日後に発足した新体制の吹奏楽部は、部長である久美子と副部長に指名された秀一、そして演奏指導を担うドラムメジャーの麗奈による三役体制を軸に活動していくことを宣言する(第二楽章後編、384~387ページ)。この黄前・塚本・高坂の三役体制で幕を開けた新体制は、前部長である優子が示した「個人ごとの演奏技術を向上させる」という目標を受け継ぐ形で発足して間もなく部内アンサンブルコンテストを実施し、勝ち上がったクラリネット四重奏のグループを全日本アンサンブルコンテストに出場させるなど(短編集2巻、281ページ、最終楽章前編、82ページ、136ページ)、結果として部内全体の演奏能力と意気を大きく向上させるに至っている。

また、部長、副部長、ドラムメジャーの3人による「幹部」(最終楽章前編、13ページ)同士の意思の疎通には、優子からのアドバイスを受ける形で「北宇治幹部ノート」を作成し、記入の担当者を交代しながら回覧する形をとっている。(最終楽章前編、12ページ、TVアニメ版3期1話)


高校3年生時

『響け!ユーフォニアム』自撮りユーフォ組


4月になって新年度を迎え、3年生として部を仕切ることになった久美子は、針谷佳穂義井沙里をはじめとする新1年生たち、そして新たに転入してきた新3年生の黒江真由を加えた計103名(TVシリーズでは90名)の部員たちを率いていくことになる(最終楽章前編、89ページ)。その仕事内容は、部活の開始および終了時のあいさつ、幹部同士やパートリーダーを集めてのミーティング、吹奏楽コンクールの自由曲の提案といったものから、新入生指導係の使う資料の作成、前年度に引き続いての後輩たちの相談対応など多岐にわたり、彼女は想像以上の仕事量の多さに忙しなさを覚えるような場面もしばしば登場している。(最終楽章前編、105ページ、117ページ、158ページ、190~192ページ、224ページ)

久美子は部長としての運営方針に「全員にとって居心地のいい部活にする」という目標を掲げており、吹奏楽コンクールの”全国金賞”を目指すために厳しい練習を行うことは認めつつも、それによって生じる排他的な空気がもとになって軋轢(あつれき)や脱落者が生じないように、部員の一人ひとりに対して入念かつ積極的なフォローを実施している(最終楽章前編、94~95ページ、115ページ、182ページ、194~195ページ)。それらのフォローを行う過程において、彼女はかつての先輩であったあすかを手本にした巧みな話術と、元来自身が持ち合わせている鋭い観察眼を併用しており、それらを組み合わせた人心掌握術によって不満や反感の芽を早期のうちに摘み取っている。(短編集2巻、222ページ、最終楽章前編、207ページ、215~216ページ、229ページ、327~333ページ)


しかしながら、部長と奏者という二正面を完全にこなし続けるのは久美子にとっても限度があり、コンクールシーズンを迎えて発表された「大会ごとに実施するオーディション」という新たな形式や、顧問の滝の優柔不断さに不信感を漂わせる部の空気、そして転入生の真由との拮抗(きっこう)する実力によるソリストの座の問題など、吹奏楽コンクールへの挑戦が佳境を迎えるにつれて部全体の思惑の強さは久美子の制御できない域にまで達することになる。彼女自身もまた、部長と奏者の境目が曖昧になるような焦燥と心許なさに惑いながら、それでも部長と奏者のそれぞれの立場から「自らの居場所と拠り所」「努力は誰のためのものなのか」という問いに対する答えを探し求めるようになる。(最終楽章後編、204~205ページ、315ページ)


そのような気苦労を抱えながら練習にあたっていたコンクールシーズンのある日(原作小説では全国大会に向けた練習期間中、TVシリーズでは関西大会の直前)、久美子はついに信頼のおける先輩であるあすかに部の運営に関する相談を持ちかけることを決意し、先年度の夏に教えてもらった住所を頼りにして彼女のマンションを訪れる。そこで久美子は、部の事情を知ったあすかから滝の指導の裏にある彼の本心について語られ、滝もまた部のために試行錯誤を重ねている途中なのだと自身の認識を改めている(最終楽章後編、302ページ、306〜308ページ)。あわせて、久美子は、あすかから部内の問題を解決するための手立てとして、久美子自身の秘める「理屈や正論ではない想いの強さ」を部長という立場から部の皆に届けることを勧められており、彼女はその後日に幹部ノートに自身の決意を書き記したほか、実際に壇上に立って部員たちに自身の想いを打ち明けている。久美子はそのなかで、部員たち一人ひとりの日々の活動とその演奏の積み重ねが基となって生まれる「北宇治が好き」という自身の想いをまっすぐな言葉で語り、結果として部員たちの意気込みをコンクールの本番に向けて大きく好転させることに成功している。(最終楽章後編、305〜306ページ、314〜315ページ、324〜327ページ、TVアニメ版3期10話)


進路決定

一年の詩


久美子は高校1年生のころから高い目標を目指した練習環境や、よき友達や恋人などにも恵まれており、充実した吹奏楽部での日々を送っていた。しかしその反面、元来の流されやすい性格や、今現在の活動が満足の行くものであるために、自らの特別やりたいことや叶えたい夢を見定めるような機会は持つことがなかった。(原作3巻、73ページ、第二楽章後編、160ページ、最終楽章前編、160~161ページ、341~342ページ、最終楽章後編、58~60ページ)

友達である麗奈や緑輝たちが、それぞれの進路を卒業した先の将来像まで明確に描いているのに対し、久美子は高校3年生に進級してもなお「自分は何者になりたいのか」という答えを出すことができず、周囲との意識の差によって自分だけが取り残されているような焦りを実感するようになる。(最終楽章前編、267ページ、最終楽章後編、49~50ページ、58ページ、TVアニメ版3期6話)


3年生になって本格化した進路調査の過程や、担任の松本美知恵をはじめとする周囲の人間たちの「黄前は人間に興味があるように感じる」というような評価を基にして、久美子は暫定的ながらも文系の学部の大学受験に焦点を絞ることを決める(最終楽章前編、342~343ページ、最終楽章後編、261ページ)。また、彼女は大学を出たあとの将来像については相変わらず未定なままであったものの、吹奏楽部の部長という目線から顧問の滝の普段見せない試行錯誤の様子を目にしたり、担任教師である美知恵の生徒一人ひとりと正面から向き合う姿などと接することにより、「教師という仕事は本当にすごい」と漠然ではありながらも教師という仕事に関心を抱くようになる(最終楽章前編、178ページ、344ページ、最終楽章後編、52~53ページ)。彼女自身は、教師の仕事について回る責任の重さから「自分には耐えられないだろう」と遠慮する様子を見せているものの、自身のそのような思いとは裏腹に、彼女の日々の部長としての仕事ぶりと人間性に接している葉月からは「久美子が学校の先生やったらおもしろいやろうなぁ。部長として話すときによう教卓立ってるけど、意外と違和感ないなって思ってさ」などといった冗談交じりの意見を向けられてもいる。(最終楽章後編、53ページ、TVアニメ版3期7話)


主要キャラクターとの関係

高坂麗奈

北宇治高校吹奏楽部へようこそ


トランペットパートに所属している同級生。1年生。

久美子は麗奈のことを「高坂さん」から「麗奈」と呼んでおり、対する麗奈も「黄前さん」から「久美子」と呼んでいるなど、その時々の関係性の進展によって呼び方を変えている。

久美子と同じ大吉山北中学校の出身であるものの、中学時代は互いに面識があるだけの関係であり(原作1巻、192ページ)、互いのことも名字で呼ぶような距離感であった。(TVアニメ版1期1話~1期7話)

中学3年生のときに出場した吹奏楽コンクール京都大会において、より上の大会に進めない金賞「ダメ金」を受賞した際に、久美子は本気で全国大会への出場を目指していた麗奈の熱量に気づけなかったことから彼女を傷つけてしまい、負い目を引きずることになる。中学卒業後、偶然にも同じ高校に進学することになった久美子と麗奈は、滝昇の指導のもと激変する吹奏楽部のなかで互いの持つ魅力を見出していき、次第に二人のあいだに生じていた距離感を縮めていく。(TVアニメ版1期3話~1期6話)

6月のあがた祭りの夜に、ひょんなことから麗奈と二人で遊ぶことになった久美子は、彼女に連れられるがまま大吉山の展望台へと登った果てに、二人きりの世界のなかで麗奈の「特別」な本心を打ち明けられる(TVアニメ版1期8話)。麗奈の本心を知り、彼女と「麗奈」「久美子」と名前で呼び合うほどの親しい仲に進展した久美子は、その後の吹奏楽コンクールの自由曲におけるトランペットパートのソリストの問題に直面する麗奈を献身的に支えることになり、苦難をともに乗り切った二人は互いをかけがえのない存在として認め合うようになる。(TVアニメ版1期9話~1期11話)


久美子は麗奈のことを「自分を曲げずに一緒にいられる相手」として居心地のよさを感じつつも(原作1巻、205ページ、第二楽章後編、121ページ)、自らの実力の限界を痛感して「上手くなりたい」と向上心に目覚めて以降は、「特別になりたい。胸を張って、麗奈の隣に立ちたい」と熱いライバルの意識も燃やすようになっている(原作公式ガイドブック、167~168ページ、第二楽章後編、309ページ)。麗奈もまた、そのような久美子に対して「じゃあ私はもっと、特別になる」と寄り添いと張り合いを半々に織り交ぜた想いを向けており(TVアニメ版1期12話)、結果として両者は熱い想いをともに抱きながら互いを高め合う関係となって日々の活動に打ち込んでいくことになる。

また、2年生の夏ごろから自身の進路を意識しだした麗奈が、自分たちは将来別々の道を歩むことになるのだろうという寂しさを打ち明けるようになると、久美子は自身と麗奈のあいだにある実力差からくる覆しようのない運命に「怖い」と感じつつも、同時に麗奈が久美子のことを「特別」に想っていることに対する嬉しさも実感している。(第二楽章前編、317~319ページ、最終楽章後編、296~298ページ)


2年生の秋に新体制を迎えてからは、二人はそれぞれ部長とドラムメジャーという部を牽引する幹部職に就くことになり、久美子は部の演奏指導を担う麗奈が音楽的要素に集中できるように、部内の人間関係などを引き受けて彼女のフォローに回ることを心に決めている(最終楽章前編、12ページ、188ページ、TVアニメ版3期1話)。新年度が始まった当初は、久美子は吹奏楽コンクールの”全国金賞”を目指す部活とそこに向けて厳しい指導を行う麗奈のために、意志崩れを起こしそうになる後輩たちのフォローに奔走している。しかしながら、コンクールシーズンが佳境を迎えるころになると、久美子は音楽的な立場から顧問の意見を絶対視する姿勢を崩そうとしない麗奈に対して、部員たちの納得を重んじる自身の立場から「麗奈は正しい。けど、私は麗奈の当たり前を、ほかの子に求めることはできない」などといった異なる意志を表明するようにもなっている。(最終楽章前編、337~338ページ、最終楽章後編、159ページ、170ページ、184~185ページ、306ページ、TVアニメ版3期9話)


田中あすか

お・う・ま・え ちゃ~ん (´͈ ૢᐜ `͈ૢ)


低音パートでユーフォニアムを担当しているふたつ上の先輩。3年生。

久美子はあすかのことを「あすか先輩」と呼んでおり、対するあすかは「黄前ちゃん」(原作小説では「久美子ちゃん」)と呼んでいる。

あすかは普段は茶目っ気のある賑やかな振る舞いによって周囲を振り回すことも多く、久美子もしばしば巻き込まれて呆れているものの、副部長としての卓越した掌握術とユーフォニアム奏者としての天賦の技量を併せ持つあすかの姿は、久美子の目に「特別」なものとして映っている(第二楽章前編、31ページ、最終楽章前編、215ページ、279ページ)。久美子はそれと同時に、物事や人間関係などの情勢に達観し、分厚い仮面の下に底の知れない本性を秘めているあすかの追及に対して、若干の苦手意識も抱いている。(最終楽章後編、304ページ、TVアニメ版2期13話)

久美子の持つ豊富な楽器経験から彼女に信頼を置いているあすかは、トランペットパートのソリストの問題や傘木希美の部活復帰を巡る騒動、そして自身に退部の危機が迫ってきたときなどに、しばしば久美子と二人きりの状況を作って彼女に持論や本心を打ち明けている。その過程において、あすかの秘める本当の想いに触れることになった久美子は、現実を受け入れて退部を認めようとするあすかを強い一心のもとに引き止め、結果として彼女の復帰に大きく貢献するに至っている。(原作3巻、264~268ページ、TVアニメ版2期10話)

コンクールシーズンを通した一連の活動のなかで久美子と本心を打ち明け合ったあすかは、卒業式の日に自身のこれまでのユーフォニアム奏者としてのすべてを代弁する曲『響け!ユーフォニアム』の譜面を書き留めたノートを久美子に託す(原作3巻、378~382ページ、TVアニメ版2期13話)。そして、その曲を通してあすかの想いを受け継いだ久美子は、「北宇治でいちばんのユーフォニアム奏者」としての自負のもとにさらなる飛躍へと勤しんでいくことになる。


塚本秀一

手をつなごう


トロンボーンパートに所属している男子部員の同級生。1年生。

久美子は秀一のことを「秀一」と呼んでおり、対する秀一は「久美子」と呼んでいる。

二人は小学校3年生のころから家族ぐるみの交流がある幼馴染であり(原作1巻、169ページ)、互いに名前で呼び合うほどの親しい間柄でもある。中学生になって以降は、久美子は思春期ゆえに秀一と話し合うのに気恥ずかしさを覚えることもたびたびあったものの(原作3巻、33ページ)、確たる決裂を起こすこともなくほどほどの距離感を保ちながら接していた。

久美子にとっての秀一は、長いあいだ「幼馴染」として接してきたがために明確な恋愛対象として意識することもなく、かといって勝手にほかの女子生徒との仲を深められるのも面白くないと感じる存在となっている。(原作3巻、33ページ)


吉川・中川の新体制を迎えて間もない冬のある日、秀一からの突然の告白を受けた久美子はこれを受け入れ、二人は秘密裏にカップルとしての付き合いを始めることになる(短編集1巻「とある冬の日」)。しかしながら、二人は長らく幼馴染としての付き合いがあるために「カップル」という新しい関係性の名称が加わっても特段変わった付き合いをすることもなく、2年生に進級してもいつもどおりの幼馴染としての交遊を続けることになる。(原作公式ガイドブック、25ページ、第二楽章前編、276ページ)

そのようななか、ひとつ上の代の引退に合わせる形で久美子が次年度の部長に指名されると、彼女は部長職に専念したいという自身の思いのもとに秀一と一旦距離を置くことを心に決め、秀一もまた彼女の事情を受け入れる形で交際の休止を承諾する(第二楽章後編、380~383ページ ※なお、TVシリーズの2年生編にあたる劇場版『誓いのフィナーレ』では、夏合宿中の夜に久美子から別れを切り出しており、その理由も「部活に専念したい」というものになっている)。二人はこうしてふたたび「幼馴染」の関係に戻ったものの、今度は秀一が先年度の幹部の推薦によって副部長に就任したために、「部長と副部長」という新たな関係性のもとに接することになる。(第二楽章後編、385~386ページ)


黄前・塚本・高坂による新体制の部活が始まってからは、久美子は副部長に指名された秀一に対して、「カップルを解消したのだから断ればよかったのに」という気持ちと「引き受けてくれて嬉しい」という気持ちが絡まった複雑な想いを抱いている(短編集2巻、168ページ)。同時に、ただの幼馴染になった秀一がふたたびほかの女子との交際を始めてしまう可能性をうっすらと思い浮かべて、起こってほしくないと願いつつもその可能性を招いてしまった己の身勝手さに自嘲(じちょう)するような様子も見せている。(短編集2巻、217ページ)

3年生に進級して新年度を迎えて以降は、久美子と秀一は「幼馴染」と「部長と副部長」という二つの関係性を軸にして接することになる。久美子は部長の仕事の補佐や男子部員の統率といった数々の仕事を率先してこなし、部活の円滑な運営に貢献している秀一に対して、「部長と副部長としては、たぶん、上手くいってる」というような好意的な感想を述べている。(最終楽章前編、46ページ、193ページ)


黄前麻美子

黄前姉妹


久美子の5つ上の姉。現在は大学3年生。

久美子は麻美子のことを「お姉ちゃん」と呼んでおり、対する麻美子は「アンタ」と呼んでいる。

かつて久美子が幼かったころ、彼女は発表会でピカピカの楽器を演奏する麻美子のことを「すっごくかっこいい」という強い憧れのもとに見ており、しょっちゅう姉の後ろをついて回っている(原作1巻、204ページ、原作2巻、131ページ、原作3巻、38ページ)。また、TVシリーズでは麻美子が勉強のみに打ち込むようになるのが高校受験以降になっていることから、小学4年生当時の久美子は中学3年生だった麻美子から直接楽器の演奏法や取り扱い方を教えてもらい、そのことに満足感を覚えている。(TVアニメ版1期1話、1期6話、2期8話)

しかしながら、麻美子が受験勉強を境に楽器を辞め、久美子に対して憂(う)さ晴らしのようなきつい言葉を投げつけるようになると、久美子のなかにあった姉への憧れの気持ちは消散し、反抗心や息苦しい思いばかりを募(つの)らせている(原作3巻、48ページ、140ページ)。久美子は長らくそのようなぎこちなさを抱きながら麻美子と関わっていたものの、麻美子が自身の将来のために両親と対立するようになったことを機に、彼女が本当はこれまで何を思いながら生きてきたのかを知ることになる。これまで親に言われるがまま生きてきたことを後悔し、自分の道を生きる覚悟を決めた麻美子の言葉に久美子は強く心を動かされ、やがて彼女から受け取ったその想いは退部を迫られていた田中あすかを吹奏楽部へと引き戻す決め手となっている。(原作3巻、251〜256ページ、原作公式ガイドブック、217ページ)

麻美子が独り立ちすることを決めてからは、二人の関わりは昔のような自然で遠慮のないものに変わっており、久美子は姉と触れる機会を得るたびに「奇跡みたいなものだ」というような感慨を覚えるようになっている。(原作3巻、336ページ、第二楽章後編、147〜148ページ、最終楽章後編、60ページ)


黒江真由

ユーフォまとめ9


低音パートでユーフォニアムを担当することになる、久美子と同学年の転入生。新3年生。

久美子は真由のことを「真由ちゃん」と呼んでおり、対する真由は「久美子ちゃん」と呼んでいる。

久美子の3年生への進級と時を同じくして、福岡県にある吹奏楽部の超強豪校・清良女子高校から転入してきた真由に対し、同じ吹奏楽部員だったことを知った久美子は当初「部員が増えることは喜ばしい」と好意を持ちながら入部を勧めている(最終楽章前編、29~30ページ)。しかしながら、入部を果たした真由が自らと同じユーフォニアムの担当であることを知り、その実力が超強豪校という経歴に相応しい卓越したものである事実をまざまざと突き付けられて以降は、彼女は「”北宇治でいちばんのユーフォニアム奏者”というポジションを奪われてしまうのではないか」という焦燥感と、「経験者としてのプライド」からくる無意識の敵対心を抱くようになっている。(最終楽章前編、88~89ページ、114ページ、279ページ、最終楽章後編、284ページ、314~315ページ)

自らの演奏の腕前と拮抗する真由の実力を脅威と捉え、いまの奏者としてのポジションを奪われるかもしれないという恐怖を覚える久美子は、仲良くなりたいと近づいてくる真由の純粋な好意を頭では理解しつつも、本能的な不快感によってそれを素直に受け取れずにいた(最終楽章前編、353~354ページ、最終楽章後編、128~129ページ)。コンクールシーズンの始終を通して「自分と彼女のどちらが優れた奏者であるか」という視点を崩そうとしなかったり、久美子を労わろうとする真由の優しさを「情けをかけられているのだ、自分は」と頑なに拒(こば)もうとするなど、久美子は真由に対して競い合う者同士の厳しい想いを向けているものの(最終楽章前編、280~281ページ、最終楽章後編、106ページ、136ページ)、当の真由にその想いが”刺さる”様子は一向に見られない。


加藤葉月

低音パート三人組


低音パートでチューバを担当している同級生。1年生。

久美子は葉月のことを「葉月ちゃん」(原作小説では「葉月」)と呼んでおり、対する葉月は「久美子」と呼んでいる。

北宇治高校の入学式を終えて教室についた際、葉月のほうから声をかけてきたのが互いに知り合うきっかけとなっており、吹奏楽部に入りたがる彼女の勢いに押されるような形で久美子もまた同部に入ることになる(原作1巻、13ページ、18~19ページ、25~26ページ)。ともに低音パートのメンバーになってからは、初心者として成長や挫折(ざせつ)を味わう葉月の姿にかつての自身の姿を重ね合わせながら見守っているほか(TVアニメ版1期6話)、あがた祭りの際に彼女が久美子の幼馴染である秀一を誘おうとした際には、これまでの自身を取り巻く関係性が崩れることを予感して胸中にどろりとした感情が渦巻くのを覚えている。(原作1巻、185~186ページ、212~213ページ、短編集2巻、217ページ)

しかし、葉月と秀一が近づいたことによって関係性が変わることへの不安以上に、久美子は葉月の力強く楽天的な振る舞いに信頼と安心感を抱いており、3年間にわたる活動のなかで互いに助け合う仲間として友情を育んでいくことになる。(第二楽章後編、292ページ、最終楽章後編、153~154ページ)


川島緑輝

Hibike! Euphonium


低音パートでコントラバスを担当している同級生。1年生。

久美子は緑輝のことを「緑ちゃん」(原作小説では「」)と呼んでおり、対する緑輝は「久美子ちゃん」と呼んでいる。

入学式の日の放課後に葉月といっしょに吹奏楽部の話をしていたところに緑輝が突然割り込んできたことがきっかけで、久美子は彼女も含めた3人で吹奏楽部の見学に行くことになる(原作1巻、19~26ページ)。その後は互いに低音パートのメンバーとして活動するなかで、緑輝の強豪校エピソードに舌を巻いたり、前向きで達観した彼女からのアドバイスに勇気をもらったりと、高校生活の3年間を通して幾度となく久美子を支えてくれる頼もしい仲間として親交を深めている。(原作1巻、224ページ、304~305ページ、原作2巻、281ページ、短編集1巻、24ページ、最終楽章後編、264ページ)

また、緑輝がときおり見せる大人びた知見に対してはうらやましさや感心を覚えているものの、移動中のバスの外の景観に興奮したり、得意げな顔を浮かべながら褒められるのを待つなどの無邪気な振る舞いを目にした際には、その天真爛漫(らんまん)さに呆れ返ったり思わず噴き出したりといった反応を見せている。(原作1巻、125ページ、原作2巻、82~83ページ)


中川夏紀

「部長がキレ気味で呼んでますよ~?」


低音パートでユーフォニアムを担当しているひとつ上の先輩。2年生。

久美子は夏紀のことを「夏紀先輩」と呼んでおり、対する夏紀は「黄前ちゃん」(原作小説では「久美子」)と呼んでいる。

久美子の入部前は、初心者でありながらも向上心を放棄してだらけた態度で過ごしていたものの、2年生に進級してひとつ下の後輩である久美子がパート内に入ってきてからは、その経験年数の差からくる実力に影響されて練習に取り組むようになる。

コンクールに向けたオーディションの結果、実力差からメンバーに選ばれなかった夏紀は、先輩を差し置いてメンバーに選ばれたことにより私的制裁を受けることを恐れていた久美子を逆に讃えるとともに、「黄前ちゃんのおかげで、少しは上手くなれた気がするよ」と屈託のない感謝の言葉で応援している(原作1巻、241~242ページ、第二楽章前編、348~349ページ、TVアニメ版1期10話)。それ以降も、希美の部活復帰を支えることを決めた経緯や、退部を迫られたあすかに対する自身の想いなどを久美子に打ち明けている。

そのようなエピソードを通して、久美子は夏紀の不真面目な印象の裏に隠された聡明(そうめい)さや思いやりの心を見出しており、彼女がのちに副部長に選出されたことに対しても、そのような内面を備えているからこそであると考えている。(第二楽章前編、349ページ)


吉川優子

吉川優子×黄前久美子


トランペットパートに所属しているひとつ上の先輩。2年生。

久美子は優子のことを「優子先輩」と呼んでおり、対する優子は「黄前(黄前さん)」と呼んでいる。

久美子が1年生だった当時、吹奏楽コンクールの自由曲におけるトランペットパートのソリストの問題で麗奈と激しく衝突しており、その際に麗奈の側についていた久美子は優子に苦手意識を抱いていた。吹奏楽コンクール関西大会に向けた夏合宿の晩に、寝つけずに出歩いていた久美子は優子とばったり出会うこととなり、流れで話し込んでいるうちに彼女の筋の通った想いを知り「憎めない人」という感想を抱くようになる。(原作2巻、217ページ、TVアニメ版2期3話)

優子もまた、その後のみぞれと希美の邂逅や、あすかの退部騒動のなかにおける久美子の動きを直接的・間接的に知りえており、人間性と演奏技術の双方で信頼できる後輩として認めた上で、彼女を新入生指導係の役職にあたらせている。(第二楽章後編、378ページ)


久石奏

ユーフォ組


低音パートでユーフォニアムを担当しているひとつ下の後輩。新1年生。

久美子は奏のことを「奏ちゃん」と呼んでおり、対する奏は「久美子先輩」と呼んでいる。

丁寧な処世術と他者の目を意識した振る舞い、そして吹奏楽部経験者としての確かな演奏技術を持ち合わせる奏のことは、久美子は入部当初から警戒しつつも「聡明な後輩」「冷静に他人を分析できるタイプ」などとして高く評している(最終楽章前編、101ページ、最終楽章後編、283ページ)。そしてその一方で、曲者のように自分を演出しながらも詰めの甘さが目立つ彼女の様子についても「芯の部分は子供っぽい」と認識している。(最終楽章前編、40ページ)

2年生に進級した久美子による「黄前相談所」の活躍ぶりや、コンクールシーズンにおける一連の活動を通して、久美子は奏から人間性と演奏技術の双方で高い信頼を預けられている(短編集2巻、29ページ)。対する久美子もまた、奏の小悪魔的な振る舞いのなかに憎めなさを見いだし、「奏ちゃんは本当にイイ性格してるなって思うよ」「あれ、もしかして馬鹿にされてる?」などと、先輩としての余裕からくる気軽な対応を見せている。(最終楽章前編、112ページ、142~143ページ、232ページ)


針谷佳穂

日5はユーフォ!


低音パートでユーフォニアムを担当しているふたつ下の後輩。新1年生。

久美子は佳穂のことを「佳穂ちゃん」と呼んでおり、対する佳穂は「久美子先輩」と呼んでいる。

久美子はしばしば、高校から吹奏楽部を始めた初心者である佳穂の無邪気な感想に際して、自身の幼少時代と現在とのあいだに生じたギャップを思い起こしている。(最終楽章前編、62ページ)

二人は吹奏楽部の部長と初心者の1年生という立場上の関係もあり、パート練習の時間も一緒に練習することはあまりなく、久美子は2年生の鈴木美玲鈴木さつきたちに佳穂の面倒と指導を見させるようにしている(最終楽章前編、107~108ページ、273ページ)。また、麗奈によるマーチングの指導において、佳穂が初心者という特性を度外視した厳しい指導に直面してしまった際には、久美子は「やはり去年のように初心者はステップ係に徹したほうがよかっただろうか」などといった運営上の不手際に思いをいたしている。(最終楽章前編、166ページ)


語録集

———全国に行けたらいいな。中学生のころからそう思っていた。

だけどそれは口先だけの約束みたいなもので、本当に実現させようなんて一度も思ったことなかった。

だって、期待すれば恥をかく。叶いもしない夢を見るのは馬鹿げたことだって思ってたから。


だけど、願いは口にしないと叶わない。

絶対、全国に行く!

(原作1巻、303ページ、TVアニメ版1期13話)



———この時間は永遠ではない。

大好きな友達ともいつか離れ離れになって、どんなに願ってもすべては瞬く間に過去になっていく。

いまというこの瞬間を容器に詰め込んで、冷凍保存できればいいのに。

そうすれば、怖がることなんて何もないのに。

(原作2巻、119ページ、TVアニメ版2期1話)



———だったらなんだって言うんですか!!

先輩は正しいです! 部のこともコンクールのことも全部正しい!!

でもそんなのはどうでもいいんです!! あすか先輩と本番に出たい! 私が出たいんです!!


(あすか:そんな子供みたいなこと言って……)


子供で何が悪いんです! 先輩こそなんで大人ぶるんですか!! 全部わかってるみたいに振る舞って!! 自分だけが特別だと思い込んで!!

先輩だってただの高校生なのに!! こんなのの、どこがベストなんですか!


……先輩、お父さんに演奏聴いてもらいたいんですよね? 誰よりも全国行きたいんですよね? それを、どうしてなかったことにしちゃうんですか。

我慢して諦めれば丸く収まるなんて、そんなのただの自己満足です! おかしいです。


待ってるって言ってるのに…… 諦めないでください。後悔するってわかってる選択肢を、自分から選ばないでください。諦めるのは最後までいっぱい頑張ってからにしてください!!

私は、あすか先輩に本番に立ってほしい!! あのホールで先輩と一緒に吹きたい! 先輩のユーフォが聴きたいんです!!

(原作3巻、264~266ページ、TVアニメ版2期10話)



———私ね、うまくなりたいんだ。ユーフォニアム。


(奏:うまくなってどうするんですか?)


そんなの考えたことない。


(奏:そんなのって……

たくさん練習して、毎日毎日居残りして、それでうまくなっても何もないかもしれないんですよ!

誰も喜んでくれなくて、いいことも一個もなくて!!)


そんなのあたり前だよ!

一生懸命頑張って、努力して、努力して努力して、でも結局ダメだったなんて、誰にでもあることだよ! そんなことばっかりだよ!!

いつだって頭をよぎるよ、やっても無駄かもって。叶わないかもって。

こんなに練習して、結果が出なかったらどうしようって! うまくいかなくて後悔したらどうしようって!!


でも、私は頑張れば何かがあるって信じてる。それは絶対無駄じゃない。

(劇場版『誓いのフィナーレ』)


関連イラスト

冬制服

久美子ちゃん🌸失言系主人公

センシティブな作品恋に落ちた久美子!?


冬制服&ポニーテール

久美子、麗奈久美子


夏制服

ユーフォニアムはぴば

66日目,黄前久美子響け!ユーフォニアム_184


ジャージ&体操服

ぺったんこ落書

くみこShocked


パレード衣装・高校1年生時(サンライズフェスティバル)

響け!ユーフォニアムSound!Euphonium The Movie

マーチング響け!ユーフォニアム_81


パレード衣装・高校2年生時(サンライズフェスティバル)

サンライズサンフェス

祝、響け!ユーフォニアム3期久美子ハピバ!!


私服姿(あがた祭り)

二人きりの演奏会旧图


浴衣姿(宇治川花火大会)

黄前久美子 浴衣浴衣くみこ

KumiReiゆーふぉまとめ⑦


水着姿(TVアニメ版2期2話)

センシティブな作品黄前ちゃん誕生日おめでとう

水着② 黄前久美子センシティブな作品


ウェイトレス姿(北宇治高校文化祭)

響け!ユーフォニアム_229黄前久美子

アリス久美子ちゃんくみれいメイズ!


コート姿(TVアニメ版2期13話)

響け!ユーフォニアム_132朝


関連動画

京アニチャンネル

黄前久美子 8/21 誕生日ムービー(2023年8月)


TVアニメ『響け!ユーフォニアム3』キャラクターPV 黄前久美子ver.(2024年2月)


関連タグ

響け!ユーフォニアム

ユーフォニアム

加藤葉月 川島緑輝 - 低音パートに所属している同級生。1年生。久美子のクラスメイトでもある。

田中あすか - 低音パートのリーダーを務めているふたつ上の先輩。3年生。

中川夏紀 - 低音パートに所属しているひとつ上の先輩。2年生。

久石奏 - 久美子の2年生進級時に低音パートに新しく加わるひとつ下の後輩。新1年生。

黒江真由 - 久美子の3年生進級時に低音パートに新しく加わる同級生。新3年生。

針谷佳穂 - 久美子の3年生進級時に低音パートに新しく加わるふたつ下の後輩。新1年生。


塚本秀一 - トロンボーンパートに所属している同級生。幼馴染の1年生。

高坂麗奈 - トランペットパートに所属している同級生。才色兼備な実力者の1年生。

佐々木梓 - 中学時代にともに活動していた立華高校の1年生。トロンボーンを担当している。


斎藤葵 - テナーサックスを担当しているふたつ上の先輩。3年生。久美子が小学生のときから面識があった。

黄前麻美子 - 5歳年上の姉。トロンボーンの演奏経験を持つ大学3年生。

黄前明子 - 久美子の母親。

滝昇 - 新しく吹奏楽部の顧問を務めることになる音楽教師。

松本美知恵 - 吹奏楽部の副顧問で、久美子のクラスの担任。高校生活の3年間を通して彼女のクラスに籍を置くことになる。


くみれい れいくみ - 高坂麗奈とのカップリング(コンビ)タグ。

あすくみ くみあす - 田中あすかとのカップリング(コンビ)タグ。

秀久美 - 塚本秀一とのカップリングタグ。

まゆくみ - 黒江真由とのコンビ(カップリング)タグ。

なつくみ - 中川夏紀とのコンビ(カップリング)タグ。

くみかな - 久石奏とのコンビ(カップリング)タグ。


ナイスネイチャ(ウマ娘) - ウマ耳としっぽが生えた久美子→ナイスクミチャ

そして次の曲が始まるのです - TVシリーズにおける久美子のモノローグ決め台詞)。


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