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黄前久美子

おうまえくみこ

『響け!ユーフォニアム』の主人公。
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プロフィール

名前黄前久美子
誕生日8月21日
身長162cm
星座獅子座
血液型A型
担当楽器ユーフォニアム
好きな色白、黄
趣味音楽を聞くこと、家でダラダラするのが好き
特技缶に入ったコーンスープを飲む時、一粒も残さずに飲むことができる
好きなもの卵料理、洋菓子。大好物はオムライスショートケーキ
嫌いなもの虫!特にトビケラ!
CV黒沢ともよ


概要

北宇治高校の1年生で、吹奏楽部に所属。低音パートでユーフォニアムを担当している。
物事を一歩退いたところから見る冷めた性格の持ち主で、また思ったことがすぐ口に出てしまうという癖も抱えている。
小学校4年生の時からユーフォニアムを担当している楽器経験者であるが、その楽器を選んだ理由や今まで続けてきた理由は確固なものではなく、成り行きで「なんとなく」やっていたという程度であった。

中学時代の最後の吹奏楽コンクールで「ダメ金」を取り、それが元で同級生の高坂麗奈との関係を悪化させてしまうという苦い思い出を抱えており、そんな過去を振り切って新しいスタートを切るために北宇治高校へと進学する。
そこでクラスメイトとなった加藤葉月川島緑輝に誘われるようにして吹奏楽部に入ることとなった久美子は、新任顧問の滝昇の指導のもとに大きく流れを変える部活の中で自らのユーフォニアムに対する想いを見つめ直し、更なる高みを目指そうとする熱い想いを抱き始めるようになる。

人物

黄前久美子


容姿

栗色をしたセミロングの癖っ毛が特徴。また、吹奏楽コンクール等の公式なステージ演奏の場ではポニーテールにすることもある。
なお、当初のデザイン案ではハート型の髪飾りを付けており、久美子の中の人によればオーディションの頃までは付けていた模様だが、最終的には省かれている。(TVアニメ版1期オフィシャルファンブック、35ページ)

背丈は女子高生としてはそこそこ標準的な方であるが貧乳
TVアニメ版によるとBカップであるらしく、原作小説でもTVアニメ版でも自らのスタイルを嘆いている。(原作2巻、121ページ、TVアニメ版1期5話)
しかし、彼女の姉の黄前麻美子なかなかのプロポーションの持ち主のため、まだ見込みはあるかも知れない。Bカップ自体も(Cにかなり近い方ではあるが)現在の日本人女性の平均サイズである。
また、久美子の中学時代の同級生で大きな胸が悩みの佐々木梓からは、逆に彼女のスレンダーな体型を羨ましがられてもいる。(スピンオフ前編、195ページ)

性格

周りに流されやすい性格で、よく言えば協調性があり、悪く言えば引っ込み思案な面を持っている。(しかし、話数を重ねるにつれて自らの意志を確立するようになる)
また、高校に入学した当初はどちらかというと客観的で、どこか冷めているような面を持っていたものの、同じパートの先輩である田中あすか中川夏紀、そして中学時代からの同級生である高坂麗奈との邂逅を通じて、自らの意識や想いの強さを変えていくこととなる。
のちに久美子自身も、中学時代の自分と北宇治高校に入学してからの1年間を比較して「北宇治高校での1年間が、ずるい自分を変えてくれた」と振り返っている。(原作公式ガイドブック、167ページ)
なお、TVアニメ版では結構失言が多い。特に1期6話ではそれが顕著に見られる。そのため、ネットの一部では失言王と呼ばれる事もある。

同じ低音パートの先輩である田中あすかは、久美子のことを「ユーフォニアムが似合う」「(いい意味で)地味」等と、総じて「ユーフォニアムっぽい子」という評価をしており(TVアニメ版1期2話、2期9話)、2年生の先輩である長瀬梨子も、一歩退いた視点から物事を見て行動する彼女について「意外と立ち回りが上手い」と評している。(短編集、247ページ)
また、中学時代の同級生である佐々木梓からは「お人よし」「なんか気弱な性格なせいか舐められやすい」という評価をされている。(スピンオフ前編、138ページ)

ちなみに、原作者の武田綾乃は久美子というキャラクターを「冷静な人」「ちょっと面倒くさい性格」と語っている。(原作公式ガイドブック、192ページ)

現在に至るまでの経緯

小学校1年生の頃に、姉である黄前麻美子が参加するステージマーチングショー(コミカライズ版ではパレード演奏、TVアニメ版ではステージ演奏)を観て、その影響を受けて小学校4年生の時に金管バンドに入りユーフォニアムを始める。(なお、入った当初はトロンボーンを希望していたが、楽器の本数の関係でユーフォニアムを担当することになる)
中学校に進学後は吹奏楽部に所属し、同級生の高坂麗奈や佐々木梓、塚本秀一らと共に部活動に励んでいた。

北宇治高校へはセーラー服に憧れて入学する。また、同級生の多くが南宇治高校に進学したこともあり、友達のあまり居ない環境で新しいスタートを切ろうと思ったことも同校を選んだ理由のひとつである。
特に吹奏楽部に関してこれといったこだわりは無く、また北宇治高校の吹奏楽部にも実力的な観点からあまりいい感情は持っていなかったものの、クラスメイトの加藤葉月や川島緑輝と共に会話の流れでそのまま吹奏楽部へと入部する。また、楽器選びの際には低音パートのリーダーで同じ楽器を担当している田中あすかに目をつけられ、彼女の強い勧めにより引き続きユーフォニアムを担当することになる。

ちなみに、3年生の先輩である斎藤葵や同級生の塚本秀一とは幼馴染の関係である。

その他

日本を代表するユーフォニアム奏者、進藤正和のファンであり、小学生の頃からCD等を聴き続けている。
通学用のスクールバッグには「チューバくん」というチューバのゆるキャラのマスコットをぶら下げており、またTVアニメ版1期12話では新たにユーフォニアムのゆるキャラマスコット「ユーフォくん」を手に入れ、以降はその2つを一緒につけている。

2月に行われる定期演奏会に先駆け、各部員に対して希望曲を募った際には、吹奏楽の定番曲である「ハンティンドン・セレブレーション」と「ディスコ・キッド」の2曲を挙げている。
この事に関して、川島緑輝からは「鉄板」、2年生の先輩である長瀬梨子と後藤卓也からはそれぞれ「めっちゃ人気曲やね」「定番」という感想が語られており(原作公式ガイドブック、20ページ)、また既に部活を引退している田中あすかから「なんか久美子ちゃんらしいな」と選曲の感想を言われた際には、不服の気持ちを表明しようとしている。(原作公式ガイドブック、50ページ)

実力

響け!



小学校4年生の頃からユーフォニアムを始め、高校に入学した時点で金管バンドと吹奏楽部を合わせて6年の楽器経験年数を持っている、それなり以上の経験者。
新入生歓迎演奏を行った北宇治高校吹奏楽部の演奏を聴いてそのレベルの低さを一発で見抜いたほか、入部した段階で既に2年生の先輩である中川夏紀を凌駕している。また、吹奏楽部初心者の加藤葉月が苦しんだ腹式呼吸などの基礎練習も何食わぬ顔でこなしている。(TVアニメ版2期3話)
また中学時代の同級生である佐々木梓も、小学生の頃からユーフォニアムを続けている久美子に対しては一目置いており、「結構上手い子」としてその実力を認めている。(スピンオフ前編、138ページ)
しかし、その上手さはあくまで”一般的な”レベルと比べた時の話であり、同級生の高坂麗奈や3年生の田中あすかなど、ずば抜けた実力を誇る部員たちには及ばない。(原作公式ガイドブック、123~124ページ)

久美子にとってユーフォニアムは特に強い思い入れがある訳でもなく、周りに流されるままに続けていた感じであったが、吹奏楽コンクール京都大会(府大会)に向けた練習の中で自らの実力の限界を痛感し、また同時に自分自身の音楽に対する情熱を抱くようになり、関西大会(支部大会)以降の練習の中で大きな成長を見せることとなる。
そして3年生が引退して部が新体制を迎える頃には、2年生の中でも指折りの実力を持つ鎧塚みぞれ傘木希美の2人から「あすか先輩の音にそっくりだった」と言われるほどの上達を見せている。(TVアニメ版2期13話)

彼女の担当する金色のユーフォニアムのモデルは、YAMAHA YEP-621(クリアラッカー仕上げ)。
また、原作小説2巻の表紙イラストではヴァルブケーシングにコンペンセイティングシステム(音程補正システム)を搭載したYAMAHA YEP-642(クリアラッカー仕上げ)を構えている姿が描かれている。
いずれのユーフォニアムも学校の備品であり、かなり年季が入っている。また同じパートのメンバーである川島緑輝からは「ジャック」と勝手に名づけられている。(原作1巻、222ページ、TVアニメ版1期9話)

余談だが、小学校時代の金管バンドと中学時代の吹奏楽部では、共に4本のピストン全てを右手で操作するYAMAHA YEP-321Sを演奏している。(TVアニメ版1期6話、TVアニメ版1期10話)

久美子のトラウマ(TVアニメ版1期)

トラウマの発端

事の発端は中学1年生の夏のコンクール前、同じユーフォニアム担当の3年生の先輩を差し置いて吹奏楽コンクールの出場メンバーを決めるオーディションに合格したことから始まる。

コンクールの練習を終え、楽器を片付けるために楽器庫に入った久美子の前に現れた3年生の先輩は、「バカにしてるの?」の言葉と共に目の前の久美子をぎりっと睨み、久美子は気圧されただ口ごもる事しか出来なかった。

その反応が癪に障った先輩は「1年のくせに調子のんな!」と激昂し、久美子のユーフォニアムが置かれていた机を蹴り飛ばし、彼女の楽器を倒す。
(なお、この先輩は、原作小説では久美子のユーフォニアムそのものを蹴り飛ばしている
間髪入れずに「アンタが居なければ… コンクールで吹けたのに!!」と悲痛な叫びを上げたその先輩は、その後卒業するまで久美子のことを無視し続け、その年の低音パートの雰囲気を最悪のものにした。(原作1巻、236ページ)

そしてこの出来事は久美子のトラウマとなり、彼女の記憶に深い傷跡を刻み込んだ。

夏紀のお誘い(TVアニメ版1期10話)

吹奏楽コンクールに出場するメンバーを決めるためのオーディションの結果発表がなされた後、同じ低音パートの先輩である中川夏紀は久美子を「話あるから付き合ってよ、奢るからさ」といってファーストフード店(原作小説では「マクド」、TVアニメ版では「ファストバーガー」)に誘う。
出場メンバーを決めたオーディションの直後、なおかつ1年生の久美子がメンバーで2年生の夏紀が落選という現状を鑑み、それでいていつも以上に笑顔を見せる夏紀に久美子は恐怖を覚えた。
あの時のように目を付けられ、なにか酷いことでもされないかと。

そうして夏紀と一緒にファーストフード店に行き、久美子はストロベリーシェイクを奢られるが(夏紀曰く、「私はチョコ派だから嫌でも食べてもらうけど」らしい)、その直後、彼女はわざとらしく「あーあ! オーディション落ちてしまった!!」と発言する。

夏久美



久美子としては、(過去のトラウマのこともあって)そこは一番突かれたくないところであり、必死になって夏紀のことを弁護するが、それを見抜いた夏紀は「やっぱり気にしてたのか」と返す。
そして、久美子の気にしていた部分を「私はユーフォを始めて1年しか経ってない」「オーディションだって受からなくてもいいやって思ってたぐらいだから」等という発言で、オーディションの結果に不満はないことを伝えた上で、

自分が練習してないところを吹いてって言われて、後はボロボロ。
だから黄前ちゃんは実力でちゃんと勝ち取ったんだよ?私はそれに納得してる。良かったって思ってるぐらい。だから変な気使わないでよ

と語り、オーディションに合格した久美子を労わった。
更には、久美子から借りた「三日月の舞」の楽譜に

絶対金賞!!
来年一緒に吹くぞ!!中川

とメッセージを書き、「ありがとね。黄前ちゃんのおかげで、少しは上手くなれた気がするよ」 の言葉と共に屈託のない笑顔を見せた。
そんな夏紀の優しさと思いやりに接した久美子は「先輩はいい人ですね」と感涙した。

”特別”への覚醒(TVアニメ版1期12話)

ゆーふぉまとめ⑩



小学校4年生の時に成り行きで担当することになったユーフォニアムは、久美子にとっては吹奏楽部をやる上で「なんとなく」続けているような感覚であった。
しかし、高坂麗奈田中あすかをはじめとする多くの部員と交わる中で徐々に演奏に対する意欲が芽生えるようになった久美子は、吹奏楽コンクールの本番直前、新たに指定されたフレーズを甲斐なく外されてしまったことにより、生まれて初めて「死にたくなるほどの悔しさ」を味わうこととなる。
涙を流し、心の底から悔しさを噛みしめる久美子は、麗奈やあすか、自分自身に対してさえも「負けたくない」とする固い決意、そして自らのユーフォニアムを通して「特別になりたい」という真っ直ぐな向上心に目覚めていく。

新たなフレーズの追加

コンクール本番まで2週間弱を切ったある日の合奏中、自由曲の「三日月の舞」を振っていた顧問の滝昇は、コントラバスの動きを補強するためにユーフォニアムにも同じフレーズをユニゾンで吹いてもらうよう頼む。
しかし、そのフレーズは忙しなく上がり降りする16分音符の羅列を含んだ、演奏にかなりの技巧を要するものであった。
3年生のあすかは元のテンポに近い速さでさらっと吹ききったものの、久美子はそのテクニカルな譜面について行けず、連符がテンポに乗り切っていないモタった演奏になってしまった。
いくら経験が豊富であるとはいえ、ユーフォニアムに関する天賦の才能と並々ならぬ練習量を誇るあすかとの差は小さいものではなかった。

自分の演奏のひどさを自覚した久美子は、「あの… 私、個人練いってきます」と低音パートの練習部屋を離れ、校舎裏の日陰でゆっくりなテンポからフレーズをさらう。
徐々にテンポを元の速さに近づけ、指回しを体に覚えさせながら練習を続けていると、様子を見に来たらしい高坂麗奈が現れる。

久美子の隣に並び、「良くなってる。でもコンクール的にはダメ」と呟かれた麗奈の言葉には、今の久美子のフレーズがテクニックばかりを追求するあまり単なる音の羅列になっており、そこに何の表現も見出せないという指摘が含まれていた。
そのことを自分でも理解していた久美子は「だよね……」と返すと、そばに立つ麗奈に胸の内を明かした。

ねえ、麗奈。私、上手くなりたい。麗奈みたいに特別になりたい

自由曲のトランペットソロをはじめとし、高校生らしからぬ卓越した技量と表現力を持ち、いかなる時も信念を曲げす音楽活動に集中できる精神力を持つ麗奈の姿に、久美子は少なからず憧れを抱いていた。
そしてその実力が、才能だけではなく努力によるものであることも知っていた久美子は、自分も麗奈のようになりたいと口を開いた。
その久美子の言葉を受けた麗奈は、ふふっと頬を緩ませると「じゃあ私はもっと、特別になる」という、寄り添いと張り合いを半々に織り交ぜた言葉を口にした。

そのまま時が経つのも忘れて練習に没頭していた久美子は、自分の練習していた場所に日差しが深々と差し込んでいたことに気が付かなかった。
体の水分の消耗による血圧の上昇、激しいパッセージを吹き続けたことによる心拍数の上昇によって、久美子は無意識のうちに鼻血を流してしまう。
ただ幸いにも、偶然その様子を見つけてすぐさま保健室に連れていった川島緑輝により、大事には至らなかった。

鼻血を出すまで練習に没頭し、水分をとっただけで再び練習を再開しようとする久美子に、葉月と緑輝は「久美子、最近アツいよね」と感想を漏らす。
今までのクールで冷めたような印象から変わったと主張する2人に、久美子は「上手くなりたいって気持ちは前よりも強くなった…」と、自分自身に起こった変化を漠然ながらも見つめ直した。
それまでも適当に吹奏楽活動を続けていたとは言えないものの、あすかや麗奈、緑輝と比べるとその情熱の差は歴然であり、自身の担当楽器であるユーフォニアムについても心のどこかで「しょうがないから続けている」という姿勢が見えることもあった。

熱いのか、冷めているのか。そもそも今までの自分はどんなだったのか。
とにかく、あのオーディションの麗奈を見て、あの音を全身で受け止めてしまってから、私は完全に冒されてしまったのだ。
上手くなりたいという熱病に。

切り捨てられたフレーズ

コントラバスのフレーズを足された後日、合奏の途中で滝昇はその部分を1本ずつ指名する。
テンポに乗り切れず、芯のない音で演奏する久美子に対し、滝昇は「黄前さんそこ、難しいですか?」と訊ねる。
無言でうなずく久美子に「本番までに、出来るようになりますか?」と重ねた滝昇は、本番までに指定されたフレーズを仕上げなければ、本番のステージで部員全員に迷惑をかけることを示し、再度久美子を問いただす。
その責任の重大さに圧された久美子は、しばし顔を伏せた後に「はい、出来ます!」と力強く応えたものの、その意気とは裏腹に技術は思うようには上達しなかった。

その指。息の強さとタイミング。
求めるべき音はちゃんと頭で鳴っているのに、実際にその音が出ないもどかしさ。
次々と、確実に狙った力加減で、狙った息の強さで、狙った音をリズムに合わせて出していくことが、いかに難しいか。
私は思い知らされていた。

麗奈をはじめとする周りの部員に助けられながら、ひたすらフレーズの反復練習を重ね続ける久美子。
コンクールの本番まで後10日を切り、着実に練度が上がっていくのを実感していた矢先、滝昇から予想もしなかった一言が言い渡される。

それから、ユーフォ。ここは、田中さん一人でやってください

合奏の最中に不意に言い渡されたその言葉によって久美子の時間は止まり、彼女一人を置き去りにして合奏は再開される。
反論の隙も猶予も与えられずに茫然と立ち尽くしていた久美子は、そこで今自分たちが取り組んでいる演奏が、関西大会出場を賭けた戦いのためのものであることを悟る。
顧問の滝昇は、本気でコンクールで勝負に出ると誓った部員たちに全力で応えるがゆえに、時折部員に対して非情とも言える決断を下すこともある。
久美子は加えられたフレーズを必死になって身に付けようと練習していたものの、それでも滝昇の望む水準に達することはできなかった。それゆえに、演奏の質への影響と久美子の私情を秤にかけるまでもなく、彼は久美子を除外することを決めたのであった。

悔しさと”特別”への自覚

その日の練習を終えた帰り道、宇治川のほとりを一人で歩く久美子は、今までの練習の積み重ねをあっさり切り捨てた滝昇の一言を思い出し、報われなかった努力への悔しさに押しつぶされそうになっていた。
もし自分にもっと実力があれば、皆に迷惑をかけることもなく、皆の役に立つことが出来たかもしれない。
ふとして湧いたその想いが抑えていた感情の堰を破り、それに同調するかのように彼女の足もまたより強く、より遠くへと踏み出されていく。

上手くなりたい…。上手くなりたい…。上手くなりたい…!
上手くなりたい…!上手くなりたい!上手くなりたい!上手くなりたい!
上手くなりたい!上手くなりたい!上手くなりたい! …上手くなりたい……!
上手くなりたい!誰にも負けたくないっ! 誰にも…… 誰にもっ……!

力尽きたように橋の欄干にもたれかかった久美子は、たまたま通りかかって彼女の様子を気に掛けた秀一に向かって思いのたけを叫ぶ。
俺だって上手くなりてえ!と叫び返す秀一に、そのままより一層強い想いをぶつけた久美子は、とめどなく溢れる感情に屈してその場に崩れ落ちた。

うまくなりたい・・・っ!


悔しいっ……! 悔しくて、死にそう……!!

流れ落ちる涙と共に口をついて出たその言葉は、自分がまだ中学3年生だった頃、夏の吹奏楽コンクールの会場で高坂麗奈が言っていたものと全く同じものであった。
あの時、久美子は「ダメ金でも金賞だから嬉しい」と与えられた結果を素直に受け取っていた。そしてそれゆえに、本気で全国大会を目指し、その目標が潰えてしまった麗奈の悔しさを感じ取ることが出来なかった。
アタシは悔しい。めちゃくちゃ悔しい」と涙していた麗奈の感情をはじめて心から理解した久美子は、同時にユーフォニアムを担当するひとりの奏者として、何のために音楽を続けるかということを悟った。

家に帰り、無気力にベッドに横たわった久美子は、勝手に部屋に入ってきた姉の黄前麻美子と言い合いになる。
その最中、音大を目指すわけでもないのに吹奏楽部を続けることの理由を問われた久美子は、自らが悟ったその理由を叫んだ。

だって…… 私、ユーフォ好きだもん!私、ユーフォが好きだもん!!

自らの楽器であるユーフォニアムが大好きであるからこそ、その上達を喜び、挫折を悔しく思うことができる。
たったそれだけの理由であるが、彼女の抱くその自覚は”特別”になるための大きな第一歩であった。

その後、学校の練習場所に携帯を忘れたことに気が付いた久美子は夜遅くに高校に戻り、居残って仕事をしていた滝昇から「もし関西大会へ進出できれば、今回無しにしたフレーズをもう一度任せる」と言われる。
あなたの『出来ます』という言葉を、私は忘れていませんよ?」という滝昇からの期待を受けた久美子は元気を取り戻し、更なる練習への意欲に燃えることとなる。
そしてその甲斐あって、TVアニメ版2期3話の夏合宿で遂にあすかと共にそのフレーズを演奏することを認められた。

TVアニメ版2期での活躍

サウンドスケープ_
黄前久美子



TVアニメ版1期では麗奈との親友関係の構築と久美子自身のユーフォニアムや音楽への情熱の覚醒が主軸となっていたが、原作小説の2巻以降のエピソードを描くTVアニメ版2期では、久美子と上級生部員との関わりに物語の主軸が移っている。

傘木希美の部活復帰騒動(TVアニメ版2期1話~2期4話)

TVアニメ版2期4話までの内容は、北宇治高校吹奏楽部が吹奏楽コンクール関西大会(支部大会)への出場権を獲得した都府大会終了後に起こった、元部員の傘木希美の部活復帰を巡る騒動が物語の中心となる。
彼女や中川夏紀から、改めて1年前に起こった当時の1年生の大量退部事件の事情を聞いた久美子は、夏紀と同じく希美の部活復帰に関わろうとするが、その過程で彼女らと同じ南中学校の出身である吉川優子鎧塚みぞれとも関わるようになり、その結果として久美子は彼女たちとも親しくなった。

田中あすかの退部騒動(TVアニメ版2期7話~2期11話)

関西大会で金賞を獲得し、見事全国大会への出場を決めた吹奏楽部では、久美子の所属パートである低音パートのリーダーであり、吹奏楽部の副部長でもある田中あすかの退部騒動が起こり、部に大きな動揺がもたらされる。
この騒動を契機に、これまで久美子にとって謎の多かったあすかに久美子は深く関わるようになり、その過程であすかの実の父親が世界的なユーフォニアム奏者・進藤正和である事など、久美子はあすかの秘密を色々と知ることになった。

そして同時並行的に黄前家で起こっていた姉の黄前麻美子の大学の自主退学の一件をヒントに久美子は決意を固めると、自身の本心に嘘をついて退部を決めていたあすかの説得に乗り出し、その復帰に大きく貢献した。

全国大会とその後(TVアニメ版2期12話~2期13話)

全国大会の本番において、そのユーフォニアムの演奏を伝言という形で実父の進藤正和から褒められたあすかは、少女のような無邪気な笑顔を見せて久美子に抱きつき、その喜びをあらわにしている。
その一方、部として全国大会での成績が残念ながら銅賞で終わったため、あすかは残された2年生と1年生の部員に対し、次年度の全国大会における金賞獲得を託した。(TVアニメ版2期12話)

その後3年生部員が引退を迎えると、吉川優子中川夏紀を部長と副部長に据えた新体制が構築される。(TVアニメ版2期13話)
新体制において久美子は新入生の指導係を担当する事になったものの、新入生が入部するまでのあいだ係として特に仕事がなく、かつ鎧塚みぞれと親しいという理由から定期演奏会係であるみぞれの補佐を担当することとなり、彼女とともに2月に行われる定期演奏会の準備に奔走している。(原作公式ガイドブック所収「冬空ラプソディー」)
また、それと時を同じくして久美子は幼馴染の塚本秀一から告白されており、その告白を受け取った久美子は彼との交際を始めることとなる。(短編集所収「とある冬の日」)

卒業式ののちにあすかを探し、無事に彼女を見つけることが出来た久美子は、あすかと彼女の吹くユーフォニアムの演奏が「大好き」であることを告げる。
そんな久美子に、あすかは自身の幼少時に父親から贈られた一冊のノートを久美子に託し、「またね!」という一言を残して去っていった。
後に残された久美子が開いたそのノートには、あすかがかつて久美子に聴かせた曲の譜面、そしてその題名である「響け!ユーフォニアム」が記されていた。(TVアニメ版2期13話)

語録集

———全国に行けたらいいな。中学生のころからそう思っていた。
だけどそれは口先だけの約束みたいなもので、本当に実現させようなんて一度も思ったことなかった。
だって、期待すれば恥をかく。叶いもしない夢を見るのは馬鹿げたことだって思ってたから。

だけど、願いは口にしないと叶わない。
絶対、全国に行く!
(原作1巻、303ページ、TVアニメ版1期13話)


———この時間は永遠ではない。
大好きな友達ともいつか離れ離れになって、どんなに願ってもすべては瞬く間に過去になっていく。
いまというこの瞬間を容器に詰め込んで、冷凍保存できればいいのに。
そうすれば、怖がることなんて何もないのに。
(原作2巻、119ページ、TVアニメ版2期1話)

関連イラスト

冬制服

恋に落ちた久美子!?
響け!ユーフォニアム 黄前久美子


Euphonium
くみ&れい



冬制服+ポニーテール

久美子、麗奈
私も、特別に



夏制服

ユーフォニアム
はぴば


久美子と麗奈
黄前久美子



夏制服+ポニーテール

久美子生誕祭
黄前ちゃん



体操服

くみこ
Shocked


ぺったんこ
落書



パレード衣装(サンライズフェスティバル)

響け!ユーフォニアム
Sound!Euphonium The Movie


「そして次の曲が始まるのです♪」
響け!ユーフォニアム_02



私服

二人きりの演奏会
旧图


【響け!ユーフォニアム】
朝



浴衣姿

黄前久美子
KumiRei


╭( ・ㅂ・)و
ゆーふぉまとめ⑦



水着姿

久美子、お誕生日おめでとう!
祝!久美子誕生日&ユーフォ二期放映!!


水着② 黄前久美子
久美子11



関連タグ

響け!ユーフォニアム
ユーフォニアム
加藤葉月 川島緑輝 - 久美子のクラスメイトで、同じパートに所属。
田中あすか - 久美子の先輩で、所属する低音パートのリーダー。3年生。
中川夏紀 - 同じ低音パートの先輩で、高校からユーフォニアムを始めた2年生。

佐々木梓 - 中学時代に同じ吹奏楽部に所属していた。
塚本秀一 - 中学時代に同じ吹奏楽部に所属し、高校でも引き続き一緒になる。幼馴染。
高坂麗奈 - 中学時代に同じ吹奏楽部に所属し、高校でも引き続き一緒になるが…。
斎藤葵 - テナーサックスを担当する3年生。久美子が小学校の時から面識があった。
黄前麻美子 - 6つ上の姉。トロンボーンの経験者である大学3年生。
黄前明子 - 久美子の母親。

滝昇 - 新しく吹奏楽部の顧問を務めることになる音楽教師。
松本美知恵 - 吹奏楽部の副顧問で、久美子のクラスの担任。

秀久美 - 塚本秀一とのカップリングタグ。
くみれい れいくみ - 高坂麗奈とのカップリング(コンビ)タグ。

外部リンク

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