長瀬梨子
ながせりこ
北宇治高校の2年生で、吹奏楽部に所属。低音パートでチューバを担当している。
おっとりとした容貌と性格を併せ持つ低音パートの癒し系で、同級生の後藤卓也とともに加藤葉月をはじめとする後輩たちの指導にあたっている。
また、普段の座奏ではチューバを演奏しているが、サンライズフェスティバルなどのパレード演奏においてはスーザフォンに持ち替えて演奏している。
中学時代は料理部に所属しており、吹奏楽部は高校生になってから始めている(短編集1巻、126ページ)。じゃんけんや適性検査などによって別のパートに移されるのが嫌という理由から低音パートを見に行ったところ、当時低音パートの指導係を務めていた2年生の田中あすかに捕まり、なかば強引にチューバを担当することになった。以降は、ツンツンとした雰囲気の中川夏紀や押しの強い吉川優子をはじめとする部員たちと仲良くなりつつ、同級生の大量退部や部内意識の変革などを経験しながら吹奏楽部での生活に身を置くことになる。
容姿
柔らかなラインを描く身体の輪郭や、ふっくらとした頬や手のひらなど、全体的に丸みを帯びたふくよかな容貌をしている(短編集1巻、244ページ、原作公式ガイドブック、36ページ)。その柔らかな眼差しや振る舞いによって醸し出される雰囲気から、彼女のことを「お母さんみたいだ」と評する生徒や部員は多い。(原作2巻、147ページ、短編集1巻、134ページ)
また、運動はあまり得意ではなく、1年生時に初めてサンライズフェスティバルに参加したときには、運動神経の悪さから最後までステップを習得できずにいた。(原作1巻、78ページ)
余談だが、梨子は入部して間もないころに優子と初めて顔を合わせた際に、彼女から「美味しそう」と感想をこぼされている。(短編集1巻、126ページ)
性格
丸みを帯びた柔らかな容貌に違(たが)わず、のんびりとした温厚な性格の持ち主であり、のほほんとした口調と人のよさそうな笑みを浮かべることを常としている(原作3巻、22ページ、第二楽章前編、54ページ、176ページ)。また、困ったときに頬に手を添えたり、嬉しいときに口元に手を当てながらふくふくと笑みをこぼすなど、そのおっとりとした性格からくる彼女なりの癖を見せることもしばしばある。(第二楽章前編、127ページ、第二楽章後編、169ページ)
彼女は押しの弱い恥ずかしがり屋な性格をしているためにあまり饒舌(じょうぜつ)なほうではなく(原作1巻、189ページ、短編集2巻、154ページ)、優子のような明るく勝気な部員を前にすると「なんだか自分がどうしようもない人間に思える」といたたまれない気持ちを覚えることもある。(短編集1巻、125ページ)
後藤卓也
低音パートでチューバを担当している同級生。2年生。
梨子は卓也のことを「卓也君」(TVアニメ版では「後藤君」)と呼んでおり、対する卓也は「梨子」と呼んでいる。
梨子は1年生だった当時、下校の途中に卓也から告白されたことをきっかけとして彼と付き合うことになり(短編集2巻、154ページ)、以降は事あるごとに二人で仲睦(むつ)まじく過ごす彼氏と彼女の間柄になっている。(第二楽章前編、54ページ)
梨子は長年付き合ってきた卓也に対して、「大きな体や肉づきのいい腕、無愛想だけど優しいところも、全部好き」と、強い愛慕(あいぼ)の情を抱いている(短編集2巻、155ページ)。また、二人のあいだに漂う熟年夫婦然とした落ち着いた雰囲気から、後輩の黄前久美子や塚本秀一をはじめとする周りの部員たちもまた、「低音パートが誇るベストカップル」として、思いやりをもって応援する様子を見せている。(短編集1巻、246ページ、原作公式ガイドブック、38ページ)
なお、梨子は後藤家と家族ぐるみの付き合いをしており、卓也の家で夕食をご馳走になったことが何度かあるほか、彼の母親や3人の姉たちからも二人の付き合いを応援されている。(短編集2巻、152~153ページ)
中川夏紀と吉川優子
ユーフォニアムとトランペットをそれぞれ担当している同級生。2年生。
梨子は二人のことを「夏紀」「優子」と呼んでおり、対する二人はそれぞれ「梨子」と呼んでいる。
梨子は入部して間もないころ、購買に昼食を買いに行ったことをきっかけに二人との友達づきあいを始めており(短編集1巻『犬と猿とおかん』、ドラマCD『喧嘩するほど……?』)、以降は”犬猿の仲(喧嘩するほど仲がいい)”の関係になる二人のよき理解者になっている。(短編集1巻、225~226ページ)
また、彼女たち二人が部長と副部長に就任して以降は、日頃から率先して部を牽引する彼女たちを「いつも頑張ってるってちゃんとわかってるよ。ほんまにお疲れ様」とねぎらう様子も見せている。(第二楽章後編、262~263ページ)
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