概要
武田綾乃による青春部活小説『響け!ユーフォニアム』シリーズに登場する、架空の吹奏楽部。本項目では、同作のTVアニメ版の情報についてもあわせて掲載している。
京都府宇治市にある府立の高等学校、北宇治高校に設立された文化部のひとつで、物語の主人公、黄前久美子をはじめとする数多くの生徒が部員として所属している。
かつては京都府内でも名の知れた強豪団体のひとつであり、名指導者として名高い滝透の指導のもとに高い実力を有していたものの、彼の他校への転勤を機として10年ほどの低迷期を迎えることになる。そののち、久美子たちの代の入学と時を同じくして就任した新任顧問・滝昇が定めた方針により、10年ほど続いた従来のだらけた体質を一蹴するように「本気で全国大会を目指す」という目標に基づいた部内改革がなされ、結果として同部はそれまでの下馬評を覆す形で大躍進を成し遂げている。
各パートの編成
※サポートメンバーは名前の使われなかった2年目も含めて「チームもなか」と表記、また、3年目の「もなか」メンバーについては各コンクール出場時における同チームへの配置を以下のように略す。
注記なし＝すべて、京＝京都大会（府大会）時、関＝関西大会（支部大会）時、全＝全国大会時
クラリネット
1年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 鳥塚ヒロネ | 3年 | コンサートミストレス兼パートリーダー |
| 臼井ひとし | 3年 | バスクラリネット担当 |
| 大口弓菜 | 3年 | |
| 加瀬まいな | 3年 | E♭クラリネット担当 |
| 越川純子 | 3年 | バスクラリネット担当 |
| 鈴鹿咲子 | 3年 | |
| 田中須賀美 | 3年 | |
| 萩原笙子 | 3年 | |
| 島りえ | 2年 | |
| 植田日和子 | 1年 | |
| 高野久恵 | 1年 | チームもなか |
| 高久ちえり | 1年 | |
| 松崎洋子 | 1年 |
2年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 島りえ | 3年 | コンサートミストレス兼パートリーダー |
| 植田日和子 | 2年 | |
| 高野久恵 | 2年 | |
| 高久ちえり | 2年 | E♭クラリネット担当 |
| 松崎洋子 | 2年 | バスクラリネット担当 |
| 芦田聖子 | 1年 | |
| 井村たく | 1年 | |
| 加藤樹 | 1年 | チームもなか |
| 北山タイル | 1年 | |
| 坂崎彩子 | 1年 | バスクラリネット担当 |
| 端田麻椰 | 1年 | |
| 平沼詩織 | 1年 |
3年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 高野久恵 | 3年 | パートリーダー |
| 植田日和子 | 3年 | |
| 高久ちえり | 3年 | |
| 松崎洋子 | 3年 | バスクラリネット担当 |
| 芦田聖子 | 2年 | |
| 井村たく | 2年 | チームもなか（京・関） |
| 加藤樹 | 2年 | チームもなか（全） |
| 北山タイル | 2年 | アルトクラリネット担当 |
| 坂崎彩子 | 2年 | バスクラリネット担当、チームもなか（関） |
| 端田麻椰 | 2年 | E♭クラリネット担当 |
| 平沼詩織 | 2年 | |
| 甲斐田吉人 | 1年 | チームもなか |
| 中田いちご | 1年 | バスクラリネット担当、チームもなか（京・全） |
| 松藤映子 | 1年 | チームもなか |
| 義井沙里 | 1年 |
フルート
1年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 姫神琴子 | 3年 | パートリーダー |
| 雑賀頼子 | 3年 | ピッコロ担当 |
| 三原京子 | 3年 | |
| 渡辺つね | 3年 | |
| 井上調 | 2年 | |
| 傘木希美 | 2年 | 吹奏楽コンクール関西大会（支部大会）後に復帰、チームもなか |
| 小田芽衣子 | 1年 | |
| 高橋沙里 | 1年 | |
| 中野蕾実 | 1年 | チームもなか |
2年生編
3年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 高橋沙里 | 3年 | パートリーダー |
| 小田芽衣子 | 3年 | |
| 中野蕾実 | 3年 | チームもなか（京） |
| 江藤香奈 | 2年 | チームもなか（関・全） |
| 平石成美 | 2年 | チームもなか |
| 山根つみき | 2年 | ピッコロ担当 |
| 水井陽向 | 1年 | チームもなか |
| 吉田巧美 | 1年 |
ダブルリード（オーボエ＆ファゴット）
1年生編
2年生編
3年生編
サックス
1年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 小笠原晴香 | 3年 | 部長兼パートリーダー、バリトンサックス担当 |
| 岡本来夢 | 3年 | アルトサックス担当 |
| 斎藤葵 | 3年 | テナーサックス担当、吹奏楽コンクール京都大会（府大会）前に退部 |
| 橋弘江 | 3年 | アルトサックス担当 |
| 宮キリコ | 3年 | アルトサックス担当、駅ビルコンサートではソプラノサックス担当 |
| 平尾澄子 | 2年 | テナーサックス担当 |
| 森田しのぶ | 2年 | チームもなか、アルトサックス担当 |
| 瀧川ちかお | 1年 | テナーサックス担当 |
| 牧誓 | 1年 | アルトサックス担当、駅ビルコンサートではバリトンサックス担当 |
2年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 平尾澄子 | 3年 | パートリーダー、テナーサックス担当 |
| 森田しのぶ | 3年 | アルトサックス担当 |
| 瀧川ちかお | 2年 | テナーサックス担当 |
| 牧誓 | 2年 | アルトサックス担当 |
| 鮎川京子 | 1年 | バリトンサックス担当 |
| 内田ベイブ | 1年 | テナーサックス担当、チームもなか |
| 遠藤正 | 1年 | バリトンサックス担当 |
| 大滝七海 | 1年 | アルトサックス担当、チームもなか |
| 鈴木靖也 | 1年 | アルトサックス担当 |
| 奈良町子 | 1年 | テナーサックス担当、チームもなか |
| 服部半葉 | 1年 | アルトサックス担当、チームもなか |
| 細野暖奈 | 1年 | アルトサックス担当、チームもなか |
| 松本きり | 1年 | アルトサックス担当 |
3年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 牧誓 | 3年 | パートリーダー、アルトサックス担当 |
| 瀧川ちかお | 3年 | テナーサックス担当 |
| 鮎川京子 | 2年 | バリトンサックス担当、チームもなか |
| 内田ベイブ | 2年 | テナーサックス担当 |
| 遠藤正 | 2年 | バリトンサックス担当 |
| 大滝七海 | 2年 | アルトサックス担当、チームもなか |
| 鈴木靖也 | 2年 | アルトサックス担当 |
| 奈良町子 | 2年 | テナーサックス担当、チームもなか |
| 服部半葉 | 2年 | アルトサックス担当、チームもなか |
| 細野暖奈 | 2年 | アルトサックス担当、チームもなか（京・関） |
| 松本きり | 2年 | アルトサックス担当、チームもなか（全） |
| 梶原支音 | 1年 | バリトンサックス担当、チームもなか |
| 河口純夏 | 1年 | テナーサックス担当、チームもなか |
| 甲元瞳 | 1年 | アルトサックス担当、チームもなか |
| 真島真白 | 1年 | アルトサックス担当、チームもなか |
トランペット
1年生編
2年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 吉川優子 | 3年 | 部長兼ドラムメジャー兼パートリーダー |
| 加部友恵 | 3年 | 新入生指導係、オーディション前に奏者を引退しマネージャーへ転向 |
| 滝野純一 | 3年 | |
| 高坂麗奈 | 2年 | |
| 吉沢秋子 | 2年 | |
| 浅倉玉里 | 1年 | チームもなか |
| 小日向夢 | 1年 | |
| 貴水卓 | 1年 | チームもなか |
| 滝野さやか | 1年 | チームもなか、純一の妹 |
3年生編
ホルン
1年生編
2年生編
3年生編
トロンボーン
1年生編
2年生編
3年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 塚本秀一 | 3年 | 副部長兼パートリーダー |
| 赤松麻紀 | 3年 | |
| 福井さやか | 3年 | バストロンボーン担当 |
| 吉川真衣弥 | 2年 | チームもなか |
| 葉加瀬みちる | 2年 | チームもなか（全） |
| 布袋知美 | 2年 | チームもなか |
| 浅野勇高 | 1年 | チームもなか（京・関） |
| 山下ケイト | 1年 | バストロンボーン担当、チームもなか |
| 吉澤洋 | 1年 | チームもなか |
低音（ユーフォニアム、チューバ、コントラバス）
1年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 田中あすか | 3年 | 副部長兼ドラムメジャー兼パートリーダー、ユーフォニアム担当 |
| 後藤卓也 | 2年 | 副パートリーダー、チューバ担当 |
| 中川夏紀 | 2年 | ユーフォニアム担当、チームもなか |
| 長瀬梨子 | 2年 | チューバ担当 |
| 黄前久美子 | 1年 | ユーフォニアム担当 |
| 加藤葉月 | 1年 | チューバ担当、チームもなか |
| 川島緑輝 | 1年 | コントラバス担当、駅ビルコンサートではエレキベースを担当 |
2年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 中川夏紀 | 3年 | 副部長、ユーフォニアム担当、新入生勧誘演奏ではエレキギターを担当 |
| 後藤卓也 | 3年 | パートリーダー、チューバ担当 |
| 長瀬梨子 | 3年 | 副パートリーダー、チューバ担当 |
| 黄前久美子 | 2年 | 新入生指導係、ユーフォニアム担当 |
| 加藤葉月 | 2年 | チューバ担当、チームもなか |
| 川島緑輝 | 2年 | コントラバス担当、新入生勧誘演奏ではエレキベースを担当 |
| 鈴木さつき | 1年 | チューバ担当、チームもなか |
| 鈴木美玲 | 1年 | チューバ担当 |
| 月永求 | 1年 | コントラバス担当 |
| 久石奏 | 1年 | ユーフォニアム担当 |
3年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 黄前久美子 | 3年 | 部長、ユーフォニアム担当 |
| 川島緑輝 | 3年 | パートリーダー、コントラバス担当 |
| 加藤葉月 | 3年 | 副パートリーダー兼新入生指導係、チューバ担当 |
| 黒江真由 | 3年 | ユーフォニアム担当 |
| 鈴木さつき | 2年 | チューバ担当、チームもなか（京） |
| 鈴木美玲 | 2年 | チューバ担当 |
| 月永求 | 2年 | コントラバス担当 |
| 久石奏 | 2年 | ユーフォニアム担当、チームもなか（関・全） |
| 釜屋すずめ | 1年 | チューバ担当、つばめの妹 |
| 上石弥生 | 1年 | チューバ担当、チームもなか |
| 針谷佳穂 | 1年 | ユーフォニアム担当、チームもなか |
パーカッション
1年生編
2年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 大野美代子 | 3年 | パートリーダー |
| 井上順菜 | 2年 | 新入生勧誘演奏ではドラムスを担当 |
| 釜屋つばめ | 2年 | チームもなか |
| 堺万紗子 | 2年 | |
| 北田畝 | 1年 | チームもなか |
| 林來理 | 1年 | チームもなか |
| 東浦心子 | 1年 | |
| 前田蒼太 | 1年 | 颯介の双子の兄 |
| 前田颯介 | 1年 | 蒼太の双子の弟 |
| 町田道子 | 1年 | チームもなか |
3年生編
| 名前 | 学年 | 備考 |
|---|---|---|
| 井上順菜 | 3年 | パートリーダー |
| 釜屋つばめ | 3年 | |
| 堺万紗子 | 3年 | |
| 北田畝 | 2年 | |
| 林來理 | 2年 | チームもなか（京・関） |
| 東浦心子 | 2年 | チームもなか（全） |
| 前田蒼太 | 2年 | 颯介の双子の兄 |
| 前田颯介 | 2年 | 蒼太の双子の弟 |
| 町田道子 | 2年 | チームもなか |
| 素手辺きつね | 1年 | チームもなか |
| 砂井田飛美 | 1年 | チームもなか |
顧問および協力者
顧問
外部指導員
沿革
小笠原・田中の代
滝昇が初めて顧問として就任したとき、北宇治高校吹奏楽部は部長の小笠原晴香と副部長の田中あすかの二人を中心として活動している（また、TVシリーズ（第1期）では、部長のメンター（相談役）として中世古香織も活躍している）。年度が始まった当初は、先年度から続いていただらけた雰囲気を引きずり、全体的な音楽の完成度や部員たちの意欲は低調だったものの、新顧問の滝が部の空気感を一変させたことによって、部全体として強い上昇志向のもとに躍進を遂げることになる。
弱小団体から競合団体への過渡（かと）期を経験したこの代は、部の目標である「吹奏楽コンクール全国大会出場」を果たすために、コンクールのA編成部門に向けた編成を決めるために実力形式のオーディションを実施するなど、革新的な施策を行なっている。一時は、長らく部に貢献してきた最上級生を優先させようとする一派によって不和が生じたこともあったものの、最終的に部員全員が「上手い人が吹くべき」という合意を形成するに至っている。
また、部長である晴香は、副部長のあすかが卓越した実力と優れた人心掌握術を併せ持っていたことから劣等感を感じており、そのために部の運営は実質的に副部長のあすかのペースで行われるようなものとなっている。吹奏楽コンクール全国大会に向けて練習に取り組むなかでは、あすかが退部を迫られて練習に顔を出さなくなった期間があり、その際には実質的な部の支柱を失ったことで部内は一時的な低調を見せている。
吉川・中川の代
晴香やあすかたちの代が引退したのち、吉川優子と中川夏紀を中核とする新体制が発足している。4月から始まった新年度では、前年に得た「吹奏楽コンクール全国大会出場」という実績に惹かれた多くの新入部員を獲得しており、年度を通して潤沢な基盤のもとに活動を展開している。
部長である優子は強力なリーダーシップを発揮することに長けており、部員たちに対して明確なビジョンを見せて方向性をまとめ上げている。また、副部長の夏紀や年度の途中からマネージャーに転向した加部友恵はそのような優子の特質をよく理解しており、突っ走りがちな優子の足りない部分を上手くカバーする様子を見せている。
吹奏楽コンクールへの挑戦に向けては、部長である優子の「無理をしない、させない」という方針が色濃く反映されており、高い実力を持つが人前に立つことが苦手な小日向夢を負担の軽いポジションで吹かせたり、トップ奏者の鎧塚みぞれと傘木希美の二人が輝く構成でコンクールに臨むというような施策を見ることができる。しかしながら、吹奏楽コンクール関西大会（支部大会）において新興の龍聖学園高等部に全国大会への出場枠を勝ち取られてしまったことで、優子は部員たち一人ひとりの実力を上げることの必要性を痛感し、次代にその実現を託すことになる。
「チーム黄前」の代
先代の教訓により、音楽面の指導を専門的に行う役職「ドラムメジャー」を新たな幹部役職に据えた新体制は、黄前久美子、塚本秀一、高坂麗奈の3名を中核として発足している。この「チーム黄前」の代は、先代の要望である「部員たち一人ひとりの実力を上げる」を実現するために、発足後まもなくアンサンブルコンテストへの出場に向けた部内予選を実施し、部員たちが切磋琢磨する下地を作り上げている。また、新年度以降のコンクールシーズンでは、各大会への出場のたびに最高の編成で演奏ができるようにその都度オーディションを行っており、年度を通して緊張感のある活動を送っている。
ドラムメジャーが音楽に関する指導を一手に引き受けることで、部長と副部長は部内の取りまとめや環境調整に専心できるようになっている。また、ドラムメジャーである麗奈は、先年度の融和を重んじる方針とは対照的に、徹底して実力を向上させるための指導を行なっており、その指導に脱落しそうになった部員たちを部長と副部長がその都度カバーしている。ときには、コンクールの結果を追求するドラムメジャーと部員たちの納得を重んじる部長とのあいだで意見の対立が起きたり、転入生の3年生である黒江真由をソリストとして受け入れるかどうかで部内が割れたりしたこともあったものの、部長である久美子が「北宇治高校吹奏楽部は実力主義」と明確な指針を示したことで、部員たちは納得のもとに強固な団結を結ぶに至っている。
「チーム剣崎」の代
久美子たちの代の引退とあわせて、新たに剣崎梨々花、久石奏、鈴木美玲の3名を核心とする「チーム剣崎」の代が発足している。幹部の構成については、先代の活動のなかでドラムメジャーが大きな活躍を果たしたことから、引き続きドラムメジャーを幹部役職に入れた三役体制となっている。
部の活動については、ドラムメジャーである美玲が音楽理論に基づいた理知的な指導を施し、梨々花や奏が部内の全体的な雰囲気を取り持つような構成となっている。また、発足からまもない3月の中旬には、京都府から遠く離れた沖縄県真日瑠（まひる）島へと遠征し、同島内のアミューズメントパークのオープニングセレモニーにパレード演奏で参加するといった華々しい機会にも恵まれている。
部長である梨々花が漂わせるのほほんとした雰囲気は、部員たちの心理的な安全性を確保するのに一役買っているものの、同時に一部の部員たちから舐められてしまうような翳（かげ）りも見せている。部長の梨々花はそれらの問題に際して、普段の雰囲気とのギャップを見せるような形で怒ったり、副部長の奏と一緒に懐柔を行うなど、彼女なりの手段で収拾を図っている。
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