概要
ファゴット(Fagotto)とは、オーボエやコールアングレ等と同様にダブルリードを使用する、木管楽器の一種。
低音を受け持つ大型の楽器であるが、その音域は幅広く、ひょうきんで鼻の詰まったような音色が特徴。
一般的なファゴットよりも更に大きくて音の低い「コントラファゴット」なる楽器も存在する。
吹奏楽コンクール(特に課題曲)等ではオーボエとともにOptionに甘んじるが、オーケストラ(管弦楽)や木管五重奏等ではこれでもかと言わんばかりに活躍する。
また、テレビ番組のBGMにもよく起用されている。
ルーツはオスマン帝国の軍楽である「メフテル」で用いられていた篳篥に似た小型の木管楽器(ズルナ)であり、鋭く高い音色を持ち、音程も取りづらい楽器であった。これをアラブ音楽とは音階・音楽理論の全く異なる西洋音楽に合わせて魔改造することにより誕生した楽器であるが、この過程で全体に大型化、低音化することとなる。この過程で比較的高音域のものとさらに低音域のものに分化することとなり、前者がオーボエ、後者がファゴットとなった。
余談
- MiG-15のNATOコードネームである。
- ファゴットという名前はドイツ語のFagottまたはイタリア語のFagottoから来ている。元々は古いフランス語が語源で、元の意味は(薪などの)「束」である。楽器の構造を見れば何となく想像できそうではあるが。
- しかし、英語圏では何故かゲイを罵るための罵倒語として用いられるため、代わりにバスーン(Bassoon)の呼称が用いられている(余談だが、フロントミッションの初代作にもファゴットというヴァンツァーが登場するが、言葉狩りを危惧したかして、後継作ではドイツ製という設定にもかかわらず名称が変更されている)。
- また、フランス語のバソン(Basson)という語も用いられることがあるが、もっぱら日本で主流のドイツ式に対し構造の単純なフランス式のものを特に区別する時にそう呼ぶことが多い。
- 木管楽器の中では最も親指を多用する楽器のひとつである。キー配置の関係上10本の指をフルに使用する必要がある他、左手の親指ひとつで9~10個のキーを操作しなければならない(特に最も音の低い半オクターブの運指の違いは左手の親指で押すキーの組み合わせだけである)。
関連イラスト
オリジナル
版権
関連動画
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191(186e)/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
第1楽章「アレグロ」(Allegro)
第2楽章「アンダンテ・マ・アダージョ」(Andante ma adagio)
第3楽章「ロンド テンポ・ディ・メヌエット」(Rondo Tempo di Menuetto)
(Bassoon Solo : Aligi Voltan)
ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75 J.127/カール・マリア・フォン・ウェーバー
(Bassoon Solo : Valentino Zucchiatti)
ファゴット小協奏曲(Concertino for Bassoon and Orchestra op.12.)/フェルディナンド・ダヴィッド
(Bassoon Solo : Robert Rønnes)
ちなみに、音域の広さを無駄遣いするとこんな事もできるそうである。
ファゴット奏者
国内
- 石川晃
- 岡崎耕治
- 笹崎雅通
- 鹿野智子
海外
- ヴァレンティーノ・ズッキアッティ(Valentino Zucchiatti) - イタリア
- マーティン・クークスマン(Martin Kuuskmann) - エストニア
- ロベルト・レンネス(Robert Rønnes) - ノルウェー
架空のファゴット奏者
- 芥川高志(たんさんすいぶ)
- 岡美貴乃(響け!ユーフォニアム)
- 兜谷える(響け!ユーフォニアム/リズと青い鳥)
- 喜多村来南(響け!ユーフォニアム)
- 香田直弥(ヒビキノBB)
- 籠手山駿河(響け!ユーフォニアム/リズと青い鳥) - コントラファゴット奏者
- 小山桃花(立華高校マーチングバンドへようこそ)
- 松尾光(群青のカノン)
- 南乙音(金色のコルダスターライトオーケストラ)
- ワート(オーバー・ザ・ガーデン・ウォール)
- 上城大華(遊戯王SEVENS)
- 堂本大我(金色のコルダスターライトオーケストラ)
関連タグ
クラリネット バスクラリネット リコーダー オーボエ フルート サックス リコーダー 笛