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リズと青い鳥

りずとあおいとり

山田尚子によるアニメーション映画。武田綾乃原作の『響け!ユーフォニアム』シリーズのスピンオフ作品にあたる。
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概要

リズと青い鳥(Liz and the Blue Bird)とは、山田尚子監督による劇場版アニメーションの名称である。武田綾乃原作の吹奏楽部作品シリーズ『響け!ユーフォニアム』のスピンオフ作品(外伝)にあたる。

北宇治高校の吹奏楽部に所属する3年生、オーボエ担当の鎧塚みぞれフルート担当の傘木希美の二人を主人公に据(す)え、高校生活最後の吹奏楽コンクールに挑むなかで繊細に揺れ動く青春模様が描かれている。

2017年6月に行われた『響け!ユーフォニアム』のスペシャルトークイベントにおいて、2018年公開予定の新作アニメーション映画「みぞれと希美の物語」の制作が発表され、同年9月に作品の正式なタイトルである『リズと青い鳥』と公式ティザーサイト、そして2018年4月21日の公開日が明らかにされた。あわせて同年12月には、メインスタッフとして監督に山田尚子、脚本に吉田玲子、キャラクターデザインに西屋太志、音楽に牛尾憲輔と、映画『聲の形』のスタッフが再集結することが公表されている。

2018年4月24日には、フランスのアヌシーにおいて6月11日から16日にかけて開催される「アヌシー国際アニメーション映画祭」の長編部門オフィシャル作品のひとつとして選出されたことが発表されている。


劇場版の第2作『響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』では、主人公の黄前久美子とキーパーソンの田中あすかの二人を主軸としながらも多くの登場人物が絡む群像劇となっているのに対し、本作では主人公であるみぞれと希美の物語と、劇中劇『リズと青い鳥』の登場人物であるリズと少女の物語が並行して進んでおり、みぞれと希美に影響を与える人物として中川夏紀吉川優子、外部指導員の新山聡美たちが登場するほかは、”ふたつの物語の二人の主人公”による二人芝居の構図となっている。

また、2019年4月19日に公開された劇場版の第4作『響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』は本作と対になっており、精神的な脆(もろ)さを乗り越えたみぞれと、影で彼女を支えることを決めた希美の演奏が作品のクライマックスを飾っている。


作品情報

原作武田綾乃宝島社文庫響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』)
監督山田尚子
脚本吉田玲子
キャラクターデザイン西屋太志
美術監督篠原睦雄
色彩設計石田奈央美
楽器設定髙橋博行
撮影監督高尾一也
3D監督梅津哲郎
音響監督鶴岡陽太
音楽牛尾憲輔
音楽制作ランティス
音楽制作協力洗足学園音楽大学
音楽監修大和田雅洋
アニメーション制作京都アニメーション
製作「響け!」製作委員会
配給松竹
公開日2018年4月21日
Blu-ray&DVD発売日2018年12月5日

ストーリー

———ひとりぼっちだった少女のもとに、青い鳥がやってくる———


鎧塚みぞれ 高校3年生 オーボエ担当。

傘木希美 高校3年生 フルート担当。


希美と過ごす毎日が幸せなみぞれと、一度退部をしたが再び戻ってきた希美。

中学時代、ひとりぼっちだったみぞれに希美が声を掛けたときから、みぞれにとって希美は世界そのものだった。

みぞれは、いつかまた希美が自分の前から消えてしまうのではないか、という不安を拭えずにいた。


そして、二人で出る最後のコンクール。

自由曲は「リズと青い鳥」。

童話をもとに作られたこの曲にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。


「物語はハッピーエンドがいいよ」

屈託なくそう話す希美と、いつか別れがくることを恐れ続けるみぞれ。


———ずっとずっと、そばにいて———


童話の物語に自分たちを重ねながら、日々を過ごしていく二人。

みぞれがリズで、希美が青い鳥。

でも……。

どこか噛み合わない歯車は、噛み合う一瞬を求め、まわり続ける。


(劇場版公式サイトより引用)


登場人物

北宇治高校吹奏楽部

鎧塚みぞれ(よろいづか みぞれ)

CV:種﨑敦美

オーボエ担当。無口で物静かな、技巧派の3年生。

部内でも屈指の精彩さを放つオーボエの音色は、3年生に進級するとともにさらに艶やかに磨き上げられている。

希美のことを何よりも大切に想っているが、それゆえに自らの将来を真剣に捉えきれない危うさも持ち合わせている。ミドリフグの世話をする。


傘木希美(かさき のぞみ)

CV:東山奈央

フルート担当。いつも明るく活発に振る舞う、黒髪の3年生。

みぞれと同じ吹奏楽部の強豪・南中学校の出身で、高校に進学して一度は吹奏楽部を辞めたものの、実力を磨いて様変わりした吹奏楽部を目の当たりにして復帰を果たした。

トップ奏者を務めるほどの高い実力と明るい性格によって、後輩をはじめとする部員の皆から慕われている。


中川夏紀(なかがわ なつき)

CV:藤村鼓乃美

ユーフォニアム担当。吹奏楽部の副部長を務める3年生。

吹奏楽部は高校生になってから始めており、まだ中学生だったころ、吹奏楽部の部長として皆の輪の中心にいた希美に憧れを抱いていた。


吉川優子(よしかわ ゆうこ)

CV:山岡ゆり

トランペット担当。吹奏楽部の部長を務める3年生。

みぞれと希美の二人と同じ南中学校の出身で、彼女たちとは中学時代から同じ吹奏楽部で活動にあたっていた間柄。

2年前に起こった集団退部騒動のころからみぞれを気にかけており、また、みぞれと希美が互いに寄せている想いの違いにも危うさを感じている。


剣崎梨々花(けんざき りりか)

CV:杉浦しおり

オーボエ担当。みぞれの直属の後輩となった1年生。

誰とでも仲良くなれる明るい性格の持ち主で、同じ楽器の唯一の先輩であるみぞれと仲良くなろうと頑張っている。


黄前久美子(おうまえ くみこ)

CV:黒沢ともよ

ユーフォニアム担当。低音パートに所属する癖毛の2年生。

みぞれと希美の二人とは、1年前の夏に起こった希美の復帰騒動をきっかけとして親しく接している。


加藤葉月(かとう はづき)

CV:朝井彩加

チューバ担当。低音パートに所属するショートヘアの2年生。


川島緑輝(かわしま さふぁいあ)

CV:豊田萌絵

コントラバス担当。低音パートに所属する小柄な2年生。


高坂麗奈(こうさか れいな)

CV:安済知佳

トランペット担当。部内でも有数の高い実力を誇る、長い黒髪の2年生。

吹奏楽コンクールに挑むなかで、自由曲にあるみぞれのソロに違和感を感じ取ったことにより、みぞれと希美の関係性に懸念を抱くようになる。


大野美代子(おおの みよこ)

パーカッション(打楽器)担当。同パートのリーダーを務める3年生。

吹奏楽コンクールの自由曲『リズと青い鳥』において、みぞれと希美のかけ合いをハープの演奏で彩っている。


滝昇(たき のぼる)

CV:櫻井孝宏

北宇治高校吹奏楽部の顧問。同部の指揮者を務めている。

1年前に赴任してきたばかりの新任顧問で、その卓越した指導力によって就任後わずか半年で同部を吹奏楽コンクール全国大会へと導いている。


新山聡美(にいやま さとみ)

CV:桑島法子

外部の指導者で、専門はフルート。滝の音大生時代の後輩でもある。

木管楽器の専門家として部員たちの指導・相談役を務めているほか、みぞれのオーボエ奏者としての資質を高く評価し、彼女に音楽大学への進学を勧めている。


橋本真博(はしもと まさひろ)

CV:中村悠一

外部の指導者で、専門はパーカッション(打楽器)。滝の音大生時代からの旧友でもある。

人好きのする性格を活かした指導に定評があり、とりわけパーカッションパートのメンバーからの信頼は厚い。


童話『リズと青い鳥』の登場人物

リズ

CV:本田望結

両親を亡くし、町はずれの湖のほとりにひとりで暮らしている、亜麻色の髪の少女。

働き先で余ったパンを森の動物たちに分け与えており、そのなかでも1羽の青い小鳥と飛び抜けて仲良しだった。


少女

CV:本田望結

空色の髪をした不思議な少女。

ある嵐の夜の翌朝、湖のほとりに倒れていたところをリズに助けられ、一緒に暮らすようになる。

リズのそばにいることを何よりも喜んでいる。


主題歌

メインテーマソング

「Songbirds」

作詞 - 福富優樹 / 作曲・編曲 - Homecomings


エンドクレジットソング

「girls,dance,staircase」

作詞 - 山田尚子 / 作曲・編曲 - 牛尾憲輔 / 歌 - 小野豊


用語解説

卯田百合子(うだ ゆりこ)

作中に登場する吹奏楽曲リズと青い鳥』の作曲者。

吹奏楽の世界では馴染みの深い作曲家であり、彼女は同名の童話から得た印象をもとに曲の作成にあたっている。


北宇治高等学校(きたうじこうとうがっこう)

京都府宇治市にある府立の高等学校。

同校の吹奏楽部は、かつては吹奏楽コンクール関西大会(支部大会)の常連校レベルという高い実力を有していたが、その後顧問の交代によって低迷期に入る。

1年前に赴任してきた新任顧問、滝昇の指導によって実力を磨いた吹奏楽部は、それまでの下馬評を覆して関西大会への進出を決め、さらに大阪府の強豪校を退けて吹奏楽コンクール全国大会の出場校に選ばれるという快挙を成し遂げている。

その華々しい功績により、今年度からは多数の経験者を含む多くの新入部員を迎え入れ、盤石の体制で吹奏楽コンクールを迎えるに至っている。


リズと青い鳥(童話)

ヴェロスラフ・ヒチル作の童話

ひとりぼっちの少女リズと青い鳥の少女の、触れ合いと別れの物語が綴(つづ)られている。



両親を亡くしたリズは街のはずれ、湖のほとりの家にひとりで暮らしている。

パン屋で働きつつも、家族がいないリズはひとりぼっちの生活に孤独を感じていた。

そんなリズは売れ残ったパンを湖にやって来る動物たちに分け与えており、

とりわけ、青い小鳥とは仲が良かった。


そんなある日、ひどい嵐がやって来る。

嵐が過ぎ去ったあと、湖に出かけると青い髪をした一人の少女が倒れていた。

リズが介抱した甲斐もあって少女は目を覚まし、

二人は一緒に暮らすようになる。


どこか不思議な少女との生活は楽しく、

孤独だったリズにとって少女は特別な存在へとなっていく。

しかしある朝、リズは窓から入ってきた青い鳥が少女に姿を変えるのを見てしまい、

少女があの青い鳥だということに気づいてしまう。


少女を空に返せば自分はまたひとりぼっちになってしまう。

一度手に入れた幸せを手放せるのか……。


あぁ神様、どうして私にカゴの開け方を教えたのですか———。


自分にとっての幸せと、少女にとっての幸せを考えたリズは、

愛ゆえに、自らの手で幸せな日々を終わらせることを決断する。


(劇場版公式サイトより引用)


リズと青い鳥(吹奏楽曲)

卯田百合子(作曲:松田彬人 編曲:黒田賢一)の作曲による吹奏楽曲。

同名の童話からインスピレーションを受けて作曲された全4楽章からなる作品で、とりわけ第3楽章「愛ゆえの決断」に登場するオーボエのソロは、作品の代名詞になるほど有名になっている。

作中では、吹奏楽コンクールの時間規定に合わせる形で各楽章から抜粋・編曲がなされている。


関連イラスト

リズと青い鳥青鳥

リズと青い鳥.


関連動画

WEB予告映像 第1弾(2017年9月)


WEB予告映像 第2弾(2017年12月)


『リズと青い鳥』本予告 60秒版(2018年3月)


『リズと青い鳥』ロングPV(2018年4月)


『リズと青い鳥』ミュージックPV(2018年4月)


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