「笑顔じゃなければ?」「立華じゃない!」
「We enjoy」「music!」
「We love」「music!」
「We are」「RIKKA!」
概要
響け!ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ(Welcome to The Marching Band! - Sound! Euphonium)とは、武田綾乃(たけだ あやの)による吹奏楽部小説の名称である。2013年12月より刊行されている『響け!ユーフォニアム』シリーズのスピンオフ(外伝)作品にあたる。
『響け!ユーフォニアム』シリーズの主人公・黄前久美子の中学時代の同級生である佐々木梓と、彼女の進学先である立華高校の吹奏楽部を舞台として、強豪校ならではの新たな青春ストーリーが描かれている。
『前編』は2016年8月4日に第1刷が宝島社から発行されており、『後編』は同年9月6日に発行されている。
作品情報
題名 | 響け!ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ |
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作者 | 武田綾乃 |
イラスト | アサダニッキ |
媒体 | 小説 |
ジャンル | 音楽 部活 青春 |
出版社 | 宝島社 |
レーベル | 宝島社文庫 |
巻数 | 2巻 |
発売日 |
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ISBN |
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ストーリー
マーチングバンドの演奏を見て以来憧れだった立華高校吹奏楽部に入部した佐々木梓は、さっそく強豪校ならではの洗礼を受ける。
厳しい練習に、先輩たちからの叱責。努力家で完璧主義の梓は、早く先輩たちに追いつけるよう練習に打ち込むが、楽器を演奏しながら動くことの難しさを痛感する。
そんななか、コンクールに向けてオーディションが行われることになり……。
マーチングバンド全国大会常連の強豪「立華高校」を舞台に、新たな青春の幕が上がる!
(宝島社特設サイトのあらすじ紹介より一部抜粋)
登場人物
立華高校吹奏楽部(トロンボーンパート)
佐々木梓(ささき あずさ)
トロンボーン担当。しっかり者で世話焼きな性格の1年生。
小学校4年生のころから金管バンドでトロンボーンを始め、中学時代に立華高校吹奏楽部のマーチングパフォーマンスを観て同校への入学を夢見るようになる。立華高校へは吹奏楽推薦で進学する。
上昇志向が強く、頑張ることを苦としないタイプ。やれといわれたことは完璧にやりたい完璧主義者。
名瀬あみか(なせ あみか)
トロンボーン担当。純粋無垢で無邪気な性格の1年生。
胸元まで伸びるふわふわの長い髪と、左頬のほくろが特徴。東京都出身。
経験者の集まる立華高校の吹奏楽部では珍しい楽器未経験者で、同じパートの同級生である梓のことを慕っている。
菓子パンをはじめとする甘い食べ物が大好きで、趣味はミサンガなどの小物作り。
戸川志保(とがわ しほ)
トロンボーン担当。生真面目で几帳面な性格の1年生。
ノンフレームの眼鏡と、ふたつに分けた肩まで伸びる黒髪が特徴。
中学時代から吹奏楽部に所属しており、パートリーダーも担当していた経験者だが、立華に来て徐々に自身の能力にコンプレックスを感じ始める。
同パートの的場太一とは同じ中学の出身で、互いに顔見知りの間柄でもある。
的場太一(まとば たいち)
トロンボーン担当。立華高校の吹奏楽部では珍しい男子部員の1年生。
要領はいいが若干不真面目な性格をしている。小柄で華奢な体つきを恥ずかしく思っており、また、普段の練習では卒業生の兄のものである赤いジャージを着用している。
同パートの戸川志保とは中学時代からの顔見知りの間柄。
瀬崎未来(せざき みらい)
トロンボーン担当。総勢13名のトロンボーンパートを率いるパートリーダーの3年生。
緩く伸ばした短い黒髪やシャープな印象の目など、凛々しくてカッコいい中性的な顔立ちが特徴。
立華のトロンボーンパートの絶対的エースで、彼女がトップのポジションにいることに対して誰を異を唱えないほどの圧倒的実力者。
高木栞(たかぎ しおり)
トロンボーン担当。同パートの副パートリーダーを務めている3年生。
額の上で髪を留めているポンパドールの前髪と、柔和そうな印象を与える親しみやすい性格をしている。
部内では「マーチング構成」を担当しており、アリーナなどにおけるフォーメーションや演出の立案を行っている。
兵庫県にある吹奏楽の名門中学の出身で、高校生になった現在でも実家から通っている。
丹波恵(たんば めぐみ)
トロンボーン担当。3年生。
吹奏楽コンクールの出場メンバーを決めるオーディションに合格し、パート内の2nd(セカンド)を担当する。
尾上凛音(おのうえ りんね)
バストロンボーン担当。3年生。
吹奏楽コンクールの出場メンバーを決めるオーディションに合格し、パート内の3rd(サード)を担当する。
橋本杏奈(はしもと あんな)
バストロンボーン担当。下級生の指導係を務めている2年生。
横一線に切り揃えられたぱっつんの黒髪をしている。また、精巧に作られた食品サンプルのアクセサリーをつけるのがマイブーム。
梓と同じく北中学校の出身。彼女とは中学時代から同じパートで練習を行っていた。
立華高校吹奏楽部(その他パート)
西条花音(さいじょう かのん)
フルート担当。双子の姉のほうである元気な性格の1年生。
黒髪のショートボブにおそろいのカーディガンと靴下を着用している。
埼玉県にある吹奏楽強豪校の出身で、姉妹そろって木管楽器の1年生のなかでは群を抜く実力を誇っている。
西条美音(さいじょう みおん)
オーボエ担当。双子の妹のほうである冷静な性格の1年生。
その存在のインパクトと確かな実力から、立華高校吹奏楽部の新たな名物として注目を集めている。
また、マーチングでは姉妹そろってカラーガードを担当しており、「中国雑技団」と揶揄(やゆ)されるほどの体の柔らかさを誇っている。
森岡翔子(もりおか しょうこ)
ホルン担当。立華高校吹奏楽部の第36代部長を務めている3年生。
長い黒髪をお団子にしてまとめており、さっぱりとした性格ながら他者への配慮もできる人物。
吹奏楽コンクール全国大会の常連・常勝校として名高い聖女中等学園の出身で、立華高校へは吹奏楽推薦で進学している。
小山桃花(こやま ももか)
ファゴット担当。吹奏楽部の副部長を務めている3年生。
ボリュームのある髪を高い位置で二つ括りにした、華やかな容姿をしている。
勝気な性格で、その言動はかなり過激。また、マーチングではガードチーフ(カラーガードのリーダー)を務めている。
神田南(かんだ みなみ)
パーカッション(打楽器)担当。ドラムメジャーを担当している3年生。
長い黒髪、切れ長の瞳、涼やかな目元、冷淡な声音などに代表される、ただならぬ雰囲気の持ち主。
「鬼のドラムメジャー」の二つ名を持つ立華の要で、部長の翔子とは対照的にあまり笑顔を見せない。
なお、部長の翔子、副部長の桃花、ドラムメジャーの南の3名は「幹部」と呼ばれており、立華高校吹奏楽部の意思決定権を有している。
熊田祥江(くまだ さちえ)
立華高校吹奏楽部の顧問。女性。52歳。
ふっくらした体格の持ち主で、栗まんじゅうが大好物。吹奏楽コンクールのA編成部門をはじめとするメインの指導を行うおしゃべりな名物顧問。
大型免許を取得しており、経費節約のために楽器運搬用のトラックを自ら運転している。
城谷慶介(しろたに けいすけ)
立華高校吹奏楽部の副顧問。主に吹奏楽コンクールのB編成部門の指導を行う。
山田奈菜(やまだ なな)
立華高校吹奏楽部の副顧問。普段は数学を教えている新任教師。
事務などの面で吹奏楽部の活動を補佐している。
その他の登場人物
三川啓二(みかわ けいじ)
マーチングの外部指導者。ぴっちりと分けられたロマンスグレーの髪に細い黒フレームの眼鏡をかけた、紳士然とした出で立ちをしている。
立華高校吹奏楽部のマーチング構成係が起案したフォーメーションの監修を行うほか、マーチングコンテストに向けたアリーナ練習の監督・指導を行っている。
黄前久美子(おうまえ くみこ)
京都府宇治市にある北宇治高校に進学した、梓の中学時代の同級生。ユーフォニアムを担当している。
5月のサンライズフェスティバルの際に偶然再会し、その後もしばしば梓の回想のなかに登場する。
高坂麗奈(こうさか れいな)
久美子と同じく北宇治高校に進学した、梓の中学時代の同級生。トランペットを担当している。
中学時代の梓とは特別仲がよかったわけではなかったが、その学生らしからぬ実力は当時の梓に大きな衝撃を与えている。
柊木芹菜(ひいらぎ せりな)
北宇治高校に進学した、梓の中学時代のクラスメイト。帰宅部。
中学時代は他人と群れたり馴れ合うことをよしとしない性分だったが、梓との交わりによって次第に他者と心を開くようになる。
中学当時の梓に大きな衝撃を与える言葉を発しており、高校生になった現在では互いに「冷戦中」の関係になっている。
用語解説
We love music! We are Rikka!(うぃーらぶみゅーじっく!うぃーあーりっか!)
全日本マーチングコンテストにおける、立華高校吹奏楽部のマーチング演技。
サックスの五重奏から始まるゆったりとした曲調の「夜明け」、陽気なアップテンポのマーチ「だって好きだから」、トロンボーンのソロをフィーチャーしたジャズナンバー「インサイドブルー」、そして「スウィング・スウィング・スウィング」と「シング・シング・シング」の2曲の組み合わせという計5曲で構成され、マーチングコンテストの6分以内という時間規定に合わせて各曲から抜粋・編曲されている。
ゴメハ(ごめは)
「5メートル8歩」の略称であるマーチング用語。
アリーナ演奏をはじめとするマーチングの発表の場では、等間隔に敷かれたマス目の位置に則ってフォーメーションなどを形成する。
そのマス目からマス目への移動をより美しく見せるために、「1歩あたり62,5cm」(8歩でちょうど5m)という厳格な規定のもとに練習を行っている。
ハピコン(はぴこん)
立華高校吹奏楽部が定期的に開催しているイベント「ハッピーコンサート」の略称。
立華高校の体育館を借り切って行う演奏会で、地元の中学校の吹奏楽部を招待して一緒に合同演奏を行ったり、自分たちのパフォーマンスを披露したりする。
マーコン(まーこん)
「全日本マーチングコンテスト」の略称。
立華高校吹奏楽部が吹奏楽コンクール以上に力を入れる本命の大会で、吹奏楽コンクールと同様に地区大会、都道府県大会、支部大会を勝ち抜くことによって全国大会に出場することができる。
吹奏楽コンクール全国大会の常連校として名高い大阪府の大阪東照高校と明静工科高校も強豪校として名を馳(は)せており、特に明静工科高校は「ラスボス」と揶揄されるほどの実力を誇る。
また、兵庫県にある滝上第三高校も決して無視できない高い実力を有しており、関西の支部大会は厳しい勢力図のもとにある。
立華高等学校(りっかこうとうがっこう)
京都府京都市にある私立の高等学校で、サッカーやバレーボールの強豪校としても知られている。
同校の吹奏楽部は物語の時点で103名の部員を擁(よう)し、うち33名は佐々木梓たち1年生である。
座奏はもちろんのこと、殊にマーチングの演技に力を入れている学校で、楽器を演奏しながら飛び跳ねる一糸乱れぬパフォーマンスから『水色の悪魔』の異名で呼ばれている。
また、京都府内や国内各所のみならず、アメリカ合衆国カリフォルニア州で開催されているローズ・パレードをはじめとして、海外のイベントにもたびたび招かれて演奏を行っている。
余談だが、モデルとなった高校が存在し、こちらは『オレンジの悪魔』と呼ばれている。
作中に登場する楽曲
立華高校マーチングバンドへようこそ(前編)
シング・シング・シング(Sing Sing Sing)/ルイ・プリマ 編曲:岩井直溥
(「立華高校吹奏楽部の十八番」のパフォーマンス曲として登場。
梓が立華高校への入学を夢見たきっかけになったほか、ハッピーコンサートにおける1年生のパフォーマンスとしても披露されている)
宝島(TAKARAJIMA)/和泉宏隆 編曲:真島俊夫
(ハッピーコンサートにおける立華高校吹奏楽部の最初の演奏曲として登場)
序曲「バラの謝肉祭」(Carnival of Roses Overture)/ジョセフ・オリヴァドーティ
(ハッピーコンサートにおける演奏曲のひとつとして、および立華高校吹奏楽部のB編成部門のコンクール自由曲として登場)
吹奏楽のためのマーチ/宇郷晴義
(立華高校吹奏楽部のA編成部門のコンクール課題曲(課題曲Ⅲ)として登場。曲と作曲者は架空のものである)
宇宙の音楽(Music of the Spheres)/フィリップ・スパーク
(立華高校吹奏楽部のA編成部門のコンクール自由曲として登場)
インサイドブルー(Inside Blue)/作曲者不詳
(立華高校吹奏楽部のマーチング演技『We love music! We are Rikka!』の3曲目として登場。曲は架空のものである)
立華高校マーチングバンドへようこそ(後編)
「ミス・マリーゴールドメドレー」より 「夜明け」「だって好きだから」/作曲者不詳
(立華高校吹奏楽部のマーチング演技『We love music! We are Rikka!』の1曲目と2曲目として登場。曲は架空のものである)
スウィング・スウィング・スウィング(Swing,Swing,Swing!)/ジョン・ウィリアムズ
(立華高校吹奏楽部のマーチング演技『We love music! We are Rikka!』の後半部分で、「シング・シング・シング」と組み合わせて用いられている)
中国の不思議な役人(The Miraculous Mandarin)/バルトーク・ベーラ
(吹奏楽コンクール関西大会における立華高校のひとつ前の団体、奈良県代表・泉堺高校吹奏楽部のコンクール自由曲として登場)
デリー地方のアイルランド民謡(Irish Tune from County Derry)/パーシー・オルドリッジ・グレインジャー
(梓の中学時代の基礎練習用の楽曲のひとつとして登場。「ロンドンデリーの歌」「ダニー・ボーイ」のタイトルでも知られている)
関連イラスト
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総合 | 小説 宝島社 響け!ユーフォニアム |
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カテゴリ | マーチング 吹奏楽 吹奏楽部 音楽 部活 青春(青春群像劇) |
呼称表 | 立華高校マーチングバンドへようこそ:呼称表 |
ファンコミュニティ | 立華高校マーチングバンドへようこそのアニメ化を待ち望む市民の会 |