プロフィール
名前 | 的場太一 |
---|---|
誕生日 | 10月28日 |
身長 | 158cm |
星座 | さそり座 |
血液型 | AB型 |
担当楽器 | トロンボーン |
好きな色 | 黒、青 |
趣味 | 昼寝、飼っている亀の散歩 |
特技 | ジェンガのギリギリの箇所を抜くこと |
好きなもの | 寿司、牛丼、ジャズ |
嫌いなもの | よくわからないオシャレな食べ物、努力 |
概要
立華高校の1年生で、吹奏楽部に所属。トロンボーンを担当している。
線の細い小柄な男子生徒で、なんでもそつなくこなす要領のよさと、すぐに手を抜いてサボってしまうような不真面目さを持ち合わせている。
もともとは西中学校の吹奏楽部で3年間トロンボーンを担当していた楽器経験者であり、現在同じパートで練習にあたっている戸川志保とはそのころからの顔見知りの間柄である。
立華高校吹奏楽部のトロンボーンパートでの新たな活動を始めた太一は、持ち前の要領のよさによって佐々木梓に次ぐ習熟の速さを見せるとともに、初心者の同級生である名瀬あみかに対しても経験者としてのフォローを行なっている。しかしながら、サボり癖によって持ち前のポテンシャル(潜在能力)の高さを活かそうとしない彼の姿勢は、パートリーダーの3年生である瀬崎未来を悩ませるのみならず、プライドの高い志保を刺激してパート内の軋轢(あつれき)を引き起こす要因にもなってしまう。
人物
容姿
身長158センチという、ほかの男子部員と比べて低い背丈をした黒髪の男子生徒。その身長は梓や未来とたいして変わらないくらいであり、彼自身もその背の低さをかなりコンプレックスに思っている。(立華編前編、31ページ、108〜109ページ、立華編後編、51〜52ページ)
また、彼の日に焼けた小柄な体つきは線の細い首筋や薄い肩、くびれのある腹といった中性的なパーツで構成されており、少年から青年への過渡期特有の華奢(きゃしゃ)さを見てとることもできる。(立華編前編、33ページ、76ページ、立華編後編、287ページ)
性格
威勢のよさと殊勝な態度を使い分けるお調子者な性格で、なんでもそつなくこなしてみせる要領のよさを備えている(立華編前編、34ページ、136ページ)。普段はおちゃらけたような振る舞いと軽薄そうな言動が目立つものの、それらの内には「えー、でも非効率的やと思わん? どうせ無駄になることに時間かけんの」というような、情勢を見極めてもっともらしい妥協点を選び抜くことができる鋭い着眼を秘めている。(立華編前編、202ページ)
その一方で、妥協点を探ろうとするあまり挑戦することから逃げようとする傾向が強く、練習のなかでもしょっちゅう手を抜いて楽をしようとする様子が見受けられる(立華編前編、33ページ、121ページ)。実力があるにもかかわらず早々に見切りをつけて諦めようとする彼の不真面目な態度は、彼とともに練習にあたるパートのメンバーたちから「もったいない」などと見られているほか(立華編後編、251〜252ページ、276ページ)、当の太一自身はそれらの指摘や真摯(しんし)な態度に際して、ふてくされたりしゅんとうなだれるなどの打たれ弱さを露呈している。(立華編前編、121ページ、204ページ)
その他
- 太一が練習のときに着用しているジャージは、梓たちの代の指定品である緑色のものではなく、卒業した兄が着ていた赤色のものを使っている。(立華編前編、32ページ)
- 困ったときや気まずくなったときに自身の髪をガシガシとかき回す癖があり、作中でも何度か目にすることができる。(立華編前編、110ページ、204ページ、263ページ、立華編後編、286ページ)
- 夏休みのパート練習のなかでは、有名なネズミのキャラクターがこちらに向かって手を振っているデザインのTシャツを練習着として着用しているシーンが登場している。(立華編前編、263〜264ページ)
演奏技術
西中学校の吹奏楽部で3年間トロンボーンを担当していた楽器経験者であり、立華高校の吹奏楽部に入部した当初から座奏についての相応の技量を持っていた。(立華編前編、31ページ)
彼の奏でるトロンボーン(テナーバストロンボーン)の音色は男子部員らしいパワフルさが持ち味となっており、1st(ファースト)から3rd(サード)までどのポジションにも対応しうる器用さが垣間見えるものとなっている。日頃のサボり癖によって演奏にムラが出てしまっているなど、彼自身のポテンシャル(潜在能力)はまだまだ活かしきれていないものの、それが十分に発揮されれば梓に続いて伸びてくる可能性もあり得ると副パートリーダーの高木栞をはじめとするパートのメンバーたちは注視している。(立華編前編、154ページ、立華編後編、251〜252ページ)
経歴
西中学校から一般入試によって立華高校に進学した太一は、中学以来のパート仲間である志保とともに同校の吹奏楽部での活動を始める。『シング・シング・シング』のパフォーマンスの振り付けの習得をはじめとする難度の高い課題を太一は好調にこなしていくものの、練習の大変さから自己の到達目標をわざと下げており、そのような甘い取り組みをパートリーダーの未来や梓や志保といった同級生たちから事あるごとに指摘されている(立華編前編、33ページ、121ページ、203ページ)。太一自身もその現状は承知しているものの、それでも練習の大変さと天秤にかけて「あー、やらなあかんとは思ってるけど。でもなー、やりたくねーなー。ただでさえステップ練習疲れるのに、吹きながらとか死ぬしかない」などと愚痴を並べており、一向に改善の意気込みを見せようとはしていない。(立華編前編、153ページ)
夏を迎えて部が吹奏楽コンクールとマーチングコンテストの二正面作戦を始めるようになると、太一は座奏ではB編成部門のメンバーとして自由曲『バラの謝肉祭』の練習に取り組み、マーチングでは補欠メンバーとして本番当日の楽器運搬をはじめとする支援を行うかたわら、レギュラーメンバーといつでも交代できるようにパフォーマンスの確認と反復練習に打ち込んでいる(立華編後編、31〜32ページ、141〜142ページ、160ページ)。太一は本格的に始まったマーチングコンテストの練習に際して、補欠にもかかわらず「あー、死ぬ。間違いなく死ぬ」などと頻繁に音を上げ、練習が終わるとすぐに帰宅して自主練習に取り組んでいなかったものの(立華編後編、31ページ、42ページ、276ページ)、そんなある日の休憩間にドラムメジャーを務めている3年生・神田南から直接指導されることになる。彼女から「手を抜くのはダサい」と指摘されるのみならず、才能があるのにそれをいま使わないのはもったいないことだと諭(さと)されたり、身近に手本がいるならそれを追いかけてみろと激励された太一は、焦りとやる気によって自身の姿勢を正し、パートリーダーの未来をはじめとするトロンボーンのメンバーたちを前にして「俺、やってみせます」と堂々と宣言している。(立華編後編、250〜253ページ)
その後は、三日坊主で終わるだろうと高をくくっていたメンバーを尻目にコツコツと自主練習に取り組むようになっており、その理由を問われた際にも「三年生が卒業したあと、新しい1年生が入ってきたときにカッコ悪いとこ見せたくないやん」という彼なりの答えを返している。先輩になるという薄々とした自覚とこれまでのサボりからくる焦りによって本腰を入れた彼の取り組みは、たった数日にして容易にわかるほどの上達ぶりを見せるまでに至っている。(立華編後編、257〜258ページ)
主要キャラクターとの関係
戸川志保
トロンボーンパートに所属している同級生。1年生。
太一は志保のことを「戸川」と呼んでおり、対する志保は「アンタ(アイツ)」「的場」と呼んでいる。
西中学校の吹奏楽部で活動していたころからの顔見知りの関係であり、太一は志保の小馬鹿にしてくる態度が気に食わないためにしょっちゅう彼女と口喧嘩を繰り広げている(立華編前編、33ページ、112ページ、立華編後編、20ページ)。生真面目だが要領が悪い彼女とは水と油のような対極の関係にあり、太一はしばしば「くそ真面目なわりに全然できひんっていうかさぁ。実力伴ってから言えよって感じ」などと彼女の触れてほしくないところを平然と口に出してしまったり、口喧嘩からさらに発展して彼女の背中を小突いたり逆に彼女から足を踏んづけられたりといった小競り合いまで引き起こしている。(立華編前編、126〜127ページ、143〜144ページ)
しかし、トロンボーンパート全体や将来に関わるような大きな問題に直面した際には、彼女と意気を合わせて対処しようとする姿勢を見せている。梓があみかをいつまでも初心者扱いすることであみかがひとり立ちできなくなる危険性を察した際には、志保と協力して説得を試みようとしたり(立華編前編、263〜267ページ)、志保から彼女自身のトロンボーンに対する真剣な意気込みをまっすぐに告げられた際にも、気まずさによって柄にもなく黙り込んでいる。(立華編前編、204ページ)
佐々木梓
トロンボーンパートに所属している同級生。1年生。
太一は梓のことを「佐々木」と呼んでおり、対する梓は「的場」と呼んでいる。
生来の上昇志向の強さとそれに基づく高い実力を持っている梓に対して、太一は驚きを通り越して呆れを覚えるほどの畏敬(いけい)の念を抱いており、厳しい練習を前にしてもなお挑戦し続けようとする彼女の姿に「佐々木のそういうとこ、マジでえげつないと思うわ」「お前、どんだけポジティブやねん」などといった言葉を投げかけている(立華編前編、114ページ、154ページ、203ページ、立華編後編、252ページ)。また、そのような彼女から直接「センスがある」と認められた際には、「やったぜ。俺、佐々木に天才認定されちゃったよ」と自慢げに浮かれている。(立華編前編、112〜113ページ)
なお、梓の持つ強い上昇志向に対しては決して好意的な感情ばかりではなく、「お前のそういうとこ、たまに嫌いになるわ。自分の嫌なところをあぶり出されてるみたいな気がするから。前ばっか見てるやつって、ずっと一緒におるとしんどいよ。自分のダメさばっかが目につくし」というような苦しい想いも秘めている。(立華編後編、286〜287ページ)
名瀬あみか
トロンボーンパートに所属している同級生。1年生。
太一はあみかのことを「名瀬」と呼んでおり、対するあみかは「的場くん」と呼んでいる。
高校から楽器を始めた完全な初心者であるあみかに対して、太一は『シング・シング・シング』のステップの手本を見せたり、皆の足を引っ張っていることを自覚して泣きそうになる彼女をなだめたりするなど、楽器経験者としてのフォローとサポートを行なっている(立華編前編、110〜111ページ、114〜115ページ、126ページ)。また、どことなく天然なところがある彼女の言動に振り回されることもあり、梓が志保の練習につきっきりになってしまうと感じた彼女が「待って。私を捨てないで」と騒いだ折には「いやいや。捨てるとか、何、昼ドラみたいなこと言うてんの。いまそんな大げさな話やなかったやろ」などと呆れ混じりに彼女にツッコミを入れ、場の空気を和らげている。(立華編前編、128〜129ページ)
あわせて、夏のコンクールシーズンを迎えても梓があみかのことを一向に初心者扱いする様子を見た際には、あみかの将来のことを思って梓に相談を持ちかけており、その際の太一の想いは「どうしたらいちばんいいのか、心配してくれてる」とあみか本人にもしっかりと伝わっている。(立華編前編、267〜268ページ、288ページ)
瀬崎未来
トロンボーンパートのリーダーを務めているふたつ上の先輩。3年生。
太一は未来のことを「未来先輩」と呼んでおり、対する未来は「太一」と呼んでいる。
総勢13名のパートメンバーをまとめるに足る圧倒的な実力を誇る未来に対して、太一は顔を合わせるたびに強い緊張を覚えている(立華編前編、49ページ)。また、動きながら吹ける技量があるにもかかわらずステップのみの習得で満足している現状を「楽なほうに逃げすぎ」と厳しく指摘された際には、表面上では謝りつつも内心でふてくされているような素振りを見せている。(立華編前編、121ページ)
それでも、圧倒的な実力を誇る彼女の存在は太一のなかでもひときわ大きなものであり、マーチングの練習中に投げかけられた「かなり上達してきたな」というさりげない褒め言葉に「あ、ありがとうございます!」と噛みかけの感謝の言葉を気勢よく返している。(立華編後編、188ページ)
関連タグ
戸川志保 - トロンボーンパートに所属している同級生。真面目な1年生。
佐々木梓 - トロンボーンパートに所属している同級生。上昇志向の強い1年生。
名瀬あみか - トロンボーンパートに所属している同級生。初心者の1年生。
瀬崎未来 - トロンボーンパートに所属しているふたつ上の先輩。パートリーダーの3年生。
高木栞 - トロンボーンパートに所属しているふたつ上の先輩。副パートリーダーの3年生。
神田南 - ドラムメジャーを担当しているふたつ上の先輩。厳しい指導を行う3年生。
塚本秀一 - 北宇治高校の吹奏楽部に所属している太一と同学年の男子生徒。彼と同じくトロンボーンを担当している。