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プロフィール編集

名前加藤葉月
誕生日2月13日
身長155cm
星座水瓶座
血液型A型
担当楽器チューバ
好きな色
趣味テニス
特技小さいころ空手をやっていた
好きなもの菓子
嫌いなもの野菜
CV朝井彩加

概要編集

北宇治高校の1年生で、吹奏楽部に所属。低音パートでチューバを担当している。

明るく活発な低音パートのムードメーカーで、物怖じや人見知りとは無縁な性格の持ち主。また、中学時代はテニス部に所属しており、高校から吹奏楽部を始めた初心者でもある。入部を希望していた当初はトランペットに憧れていたものの、なりゆきによってチューバを担当することになる。

初心者としてゼロから楽器を始めた葉月は、経験者の同級生である黄前久美子川島緑輝たちとの交わりを通して向上心や楽器を吹くことの楽しさを見いだしたり、中川夏紀加部友恵といった2年生の先輩を中心としたサポートチーム(※原作小説では吹奏楽コンクールB編成部門での出場)に参加して「陰で支えることの大切さ」を学ぶなど、さまざまな経験を重ねながら成長していくことになる。


人物編集

葉月ちゃん

容姿編集

ヘアピンで前髪を留めたさっぱりしたショートヘアと、うっすらと日に焼けた健康的な肌が特徴的な、人懐っこい笑顔を浮かべた快活な女子生徒(原作1巻、13ページ、第二楽章前編、17ページ、短編集2巻、123ページ、最終楽章後編、49ページ、103ページ)。その体躯は元テニス部という経歴に似合わしいしゅっと引き締まったものになっており、くびれを描く筋肉質な腹部やうっすらと筋肉に覆われた腕、擦り傷の痕(あと)を垣間見れる膝小僧など、バイタリティあふれるパーツで構成されている。(原作1巻、115ページ、原作2巻、134~135ページ、原作公式ガイドブック、85ページ)

それらすべてをまとめた彼女の雰囲気は、周りの生徒たちから「イノシシみたいだ」「体育という単語がよく似合う」などといった、直線的で活発な印象を抱かれるものとなっている。(第二楽章前編、101ページ、短編集2巻、87ページ)


性格編集

いつも元気いっぱいな低音パートのムードメーカーであり、運動部から心機一転して吹奏楽部を始めるなど、チャレンジに前向きなエネルギッシュな性格をしている。入学式を終えたあと、初対面である久美子や緑輝とすぐに仲良くなったり、吹奏楽部への入部に先駆けてマウスピースを買いに行ったりするなど行動的である反面、緑輝のことを「オパールちゃん」と呼んだりトランペット用のマウスピースと間違えてチューバ用のものを購入してしまったりと、やらかしがちな側面も見受けられる。(TVアニメ版1期1話)

心配ごとや後悔を抱えてぐちぐち悩むことを「性に合わない」とする葉月は、その都度それらを楽観的な大雑把さのもとに消し飛ばすようにしており(原作公式ガイドブック、86ページ、短編集2巻、27ページ、34ページ)、持ち前の打たれ強さやポジティブさによって自身のみならず周囲を救うこともしばしばある。(短編集2巻、206ページ、247ページ、最終楽章前編、27ページ)


その他編集

  • 好きな色は橙色黄色。日常生活のなかでも、オレンジ色のスニーカーやペンなどを好んで使用している。(第二楽章前編、76~77ページ、第二楽章後編、292ページ)
  • 私服の趣味については、パーカーをはじめとするスポーティーかつボーイッシュなものを好んでいる。逆に、スカートなどの可愛い服については不慣れであり、「うちが着たら絶対変になっちゃう」というような苦手意識も抱いている。(短編集1巻、112ページ、157ページ、159ページ)
  • 彼女は京阪宇治線の黄檗(おうばく)駅を最寄り駅としており、久美子たちより先に下車して別れるシーンがしばしば登場している。(原作1巻、18ページ、第二楽章後編、66ページ)
  • 燃える展開がいい」という理由から少年漫画を愛読しており、逆に少女漫画に関しては「読んでいてこっ恥ずかしくなる」という理由から敬遠している。(短編集1巻、67ページ)
  • お化けが怖いという隠れた一面を持っており、久美子と緑輝の3人で夜の校舎を探検した際には、あからさまに怖気つきながら緑輝の制服の裾(すそ)を引っ張ったり、ギャーッと甲高い悲鳴を上げながら取り乱すなどといったパニックぶりを見せている。(短編集1巻、32~33ページ、37~39ページ)

演奏技術編集

葉月さん♪


高校から吹奏楽部を始めた完全な初心者であり、低音パートのリーダーである田中あすかから持ち前の肺活量の多さに目をつけられ、彼女の巧みな話術に乗せられた末にチューバとの「運命の出会い」を果たしている。(原作1巻、48~49ページ、第二楽章前編、19ページ、TVアニメ版1期2話)

以降は学校の備品であるロータリー式のB♭管チューバのうちの1本を自身の楽器にするとともに、緑輝が自身の選んだ楽器に名前をつけたことに影響されて、自身のチューバにも「チュパカブラ」と名づけている(TVアニメ版1期3話)。なお、楽器のメンテナンスの際に管体をクリーニングクロスで拭きながら「うーん! さすがチュパカブラ! 美人だねぇ~♪ 惚れ直したよ!!」とつぶやいていたことから、チュパカブラはメスであると推測される。(TVアニメ版1期6話)


葉月は初心者であることからロングトーンを中心とした基礎練習のメニューを続けていたり、サンライズフェスティバルの演奏チームや吹奏楽コンクールのA編成部門といったメインの活動から外れることもあるものの(原作1巻、62~63ページ、76~77ページ)、本人はふてくされることなく熱心に練習に励んでいる(短編集1巻、20ページ、82ページ)。そのような彼女の様子を傍目(はため)に見ていた久美子は、葉月の奏でる演奏を「技術こそ上手いといえるものではないものの、音楽が好きだという感情にあふれ、人を惹きつけるような何かがある」と感じ取っている(原作3巻、146ページ)。また、コンクールシーズンが終わって以降も、定期演奏会に向けた練習などを通して高坂麗奈といった手練れの部員たちと実戦形式で交わっており、葉月は自身と彼女たちとのレベルの差を痛感しながらも実力の向上に努め、その末に久美子や麗奈といった経験豊富な仲間たちから称賛されるほどの成長ぶりを果たしている。(原作公式ガイドブック、93ページ、105ページ)


2年生に進級後は、念願が叶う形でスーザフォンを演奏しながらパレードに参加したり、コンクール自由曲の『リズと青い鳥』をはじめとする難度の高い楽曲に対応するために先輩の長瀬梨子後藤卓也たちから基礎や演奏法などのアドバイスを授かるなどしている。とりわけ、コンクールシーズンが終わってから3年生部員が引退するまでの期間に際しては、チューバの上級生が葉月だけになることもあり、パートリーダーの卓也がつきっきりで彼女の演奏指導に携わっている(第二楽章前編、292ページ、第二楽章後編、352ページ、短編集2巻、253ページ)。代替わりを経て久美子たちの代が中核となる新体制になってからも、葉月は引き続き麗奈や後輩の鈴木美玲といった優秀な奏者たちから指摘を受ける形で練習に励んでおり、4月になって新年度を迎えるころには、彼女は「立派な経験者」として申し分ないほどの実力と器量を備えるに至っている。(短編集2巻、253ページ、265~266ページ、269~270ページ、最終楽章前編、101ページ)


葉月が演奏しているチューバのモデル(型番)は、YAMAHA YBB-641Ⅱ(『「響け!ユーフォニアム」北宇治高校吹奏楽部 体験ブック』、6ページ)。学校の備品であるほか、ところどころ金メッキが剥がれていたり表面にへこみが残っていたりと、なかなかに年季を感じさせる風合いになっている(原作1巻、110ページ、短編集1巻、14ページ、短編集2巻、198ページ)。また、座奏における演奏に際しては、大きく重いチューバを支えるためにチューバスタンドと呼ばれる楽器専用のスタンドを用いて演奏している。(『響け!ユーフォニアム』DVD&BD1巻ブックレット、3ページ)


経歴編集

高校1年生時編集

♪


葉月は東中学校から北宇治高校に進学した折に「なんかおもしろそう」という好奇心のもとに吹奏楽部に入部し、まったくの初心者としてパートリーダーのあすかや直属の先輩である卓也たちから手取り足取り教えてもらいながら練習に取り組んでいる(原作1巻、19ページ、108~111ページ、173ページ)。入部後まもなく行われたサンライズフェスティバルのパレード演奏においては、チューバの先輩たちのようにスーザフォンを歩きながら吹けるほどの練度に達していないことから、ポンポンを持ってステップを踊るチームに参加している。(原作1巻、77ページ、120ページ、122~123ページ、TVアニメ版1期5話)

続く吹奏楽コンクールに向けたオーディションでも、先輩である卓也や梨子たちの実力に及ばなかったためにメインであるA編成部門のメンバーには選ばれず、2年生の先輩である中川夏紀加部友恵たちとともにサポートメンバー「チームもなか」の一員としてコンクールメンバーに対する支援活動をこなしている(なお、原作小説では彼女たちとともに吹奏楽コンクールのB編成部門に出場するかたわら、A編成部門の楽器運搬の手伝いや演奏の鑑賞をする形になっている。※原作1巻、291ページ)。


コンクールシーズンの始終を通して、A編成部門のメンバーとして活動する久美子たちと一緒に演奏する機会は駅ビルコンサート(TVアニメ版2期7話)など数える程度であったものの、「チームもなか」における裏方のサポートを経験したことにより、彼女はチューバ吹きとして必要な資質である”人を支える”ことの重要さやその意義を身をもって習得している。


高校2年生時編集

先輩と後輩


2年生に進級した葉月は、体験入部に訪れたチューバ経験者である鈴木さつき鈴木美玲の二人を強引ながら好意的に低音パートへと勧誘し、自身の後輩として迎え入れる(第二楽章前編、56ページ)。すぐさま意気投合したさつきとは裏腹に、プライドの高い美玲とは当初はなかなか打ち解けることはできなかったものの、サンライズフェスティバルの本番前に美玲が本心をさらけ出したことによってわだかまりは解け、以降は先輩である葉月を差し置いて吹奏楽コンクールA編成部門のメンバーに選ばれた美玲のことを励ますなど、良好な先輩後輩の関係を構築するに至っている。(第二楽章前編、379ページ)

また、前年度の「チームもなか」での活動を通して親交のあった友恵が顎関節症を理由にマネージャーへ転向せざるを得なくなったことを告げた際には、「来年は一緒にAメンバーになろう」と彼女と誓い合ったことを思い出して肩を落としている。(第二楽章前編、334ページ)


コンクールシーズンにおいては、マネージャーの友恵を支援する形でふたたびサポートメンバーの一員となり(※原作小説では吹奏楽コンクールB編成部門のメンバーとして出場)、さつきやオーボエ担当の剣崎梨々花たちとともに活動にあたっている(第二楽章後編、258ページ)。あわせて、吹奏楽コンクールへの挑戦が関西大会で終わり、吉川優子をはじめとする3年生部員たちの引退が近づくようになると、葉月はほかの部員たちが思うのと同じように「優子先輩、なんだかんだ言ってすごいよなぁ」と現部長である優子の優れた采配と掌握術に思いをいたすようになっている。(第二楽章後編、349ページ)


代替わり以降~高校3年生時編集

加藤葉月生誕2024


3年生部員たちが引退し、久美子を部長とする「チーム黄前」体制が始まると、葉月は1年生の梨々花とともに1年生指導係の役職を担うことになる(最終楽章前編、36~37ページ、77~78ページ)。また、通常のパート編成においても低音パートの副パートリーダーを担当することになり、パートリーダーの緑輝を補佐する形で後輩たちを導いている。(最終楽章前編、58ページ)

1年生指導係としての葉月は、生来の面倒見のよさとフレンドリーさを前面に押し出す形で1年生部員たちをまとめ上げたり、体調不良を理由に部活を無断欠席した義井沙里を「気にせんでええって」と明るく笑い飛ばしながら励ますなど、良好な活躍ぶりを発揮している(最終楽章前編、137ページ、140ページ、210ページ)。パート内においても、新1年生である釜屋すずめ上石弥生の二人と早期に打ち解け合い、さつきや美玲も交えながら学年差の関係ない親密な関係を構築している。(最終楽章後編、212ページ、270ページ、356ページ)


進路決定編集

自身の将来像について明確なイメージをつかめていない葉月は、2年生に進級してもなお進路のための努力やそのためのモチベーション(目標意識)を持つことはなく、「心配ごとで悩むのは自分の性に合わない。たとえ未来の自分が苦労しようとも、いまが幸せならそれでいいじゃないか」と楽観視するような姿勢をとっていた(短編集2巻、27ページ、34ページ)。しかし、高校3年生に進級するころになると進路決定が現実味をもって切迫するようになり、「そろそろ決めへんとヤバいって空気だけはヒシヒシと感じてる」というような悲愴(ひそう)感を覚えるようになっている。(最終楽章前編、263~264ページ、最終楽章後編、16ページ、TVアニメ版3期5話)


葉月は吹奏楽コンクール京都大会(府大会)後に設けられたお盆休みに、久美子たちとともに大学の合同説明会を訪れる。彼女はそこでいくつかの大学のブースを見て回ったのち、それぞれの進路と向き合う多くの同年代の姿に影響されて「地に足つけなあかんなとは思った。ええ加減、覚悟せないかんよなって」と腹をくくるとともに、担任の松本美知恵との面談を通して授かった「加藤は面倒見がいい」というアドバイスに基づくようにして、保育士の資格を取るために短期大学の教育学科を受けることを明確な志望として宣言している。(最終楽章後編、50~52ページ、58ページ、TVアニメ版3期7話)

こうして自身の進路をはっきりと声に出すことができた葉月は「いやあ、決断したら気持ちが楽になったなぁ。ずーっと悩んどったから」と、すがすがしい満足感のもとに自身の将来に向けた焦点が絞れるようになっている。


引退後編集

最後のコンクールシーズンが終わったのち、葉月は長らく所属していた北宇治高校吹奏楽部を引退し、自身の受験勉強に打ち込むことになる。その年の12月に念願かなって進路先の短期大学への合格通知を獲得した彼女は、ほかの同級生たちが大学入試に躍起になるなか、ひと足早く高校卒業までのモラトリアム(猶予)期間を味わっている。(短編集3巻、162〜163ページ)

そのような2月のある日、吹奏楽部の自分たちの代の卒業旅行が沖縄県真日瑠(まひる)島での依頼演奏を兼ねる形で行われることが決まり、葉月は久美子たちとともにふたたび吹奏楽部に復帰して練習を始めるようになっている。葉月は、自分たちの代の公演(座奏によるミニコンサート)に向けた練習に取り組むにあたり、演目のうちの1曲にチューバのソロが入っていることを喜んだり、美玲やさつきといった後輩たちから晴れ舞台での活躍を応援されたりしている。(短編集3巻、179〜180ページ)


主要キャラクターとの関係編集

黄前久美子編集

低音パート三人組


低音パートでユーフォニアムを担当している同級生。1年生。

葉月は久美子のことを「久美子」と呼んでおり、対する久美子は「葉月」(TVアニメ版では「葉月ちゃん」)と呼んでいる。

二人は北宇治高校に入学した日に知り合って以来、学生生活のオンオフを問わず親しく交わるような関係であり、3年連続で同じクラス同士になったという偶然も相まって、葉月にとってもっとも馴染みの深い親友のひとりとなっている(原作1巻、13ページ、第二楽章前編、16ページ、最終楽章前編、22ページ)。葉月は久美子に対して他愛のない日常会話をする以外にも、バシバシと背中を叩いたり、ずしんと衝撃がくる勢いで背中に抱きついたりするなどといった、気安さからくるスキンシップもしばしば見せている。(最終楽章前編、203ページ、219ページ、最終楽章後編、38ページ、181ページ、261ページ)

また、葉月は基本的に久美子の押しに弱くお人好しな性格を好ましく思っているものの、同時に「もっと堂々としておけばいいのに」というもったいなさも抱いている。しかし、それができない彼女の優柔不断さもしっかりと汲み取っており、「それが久美子の久美子たるゆえんなのだろう」と彼女の人となりに理解を示している(短編集1巻、104~105ページ、短編集2巻、25ページ)。あわせて、彼女の長所のひとつである優秀なマネジメント(調整)能力も高く評価しており、とりわけ彼女が部長に就任して以降は、事あるごとに見せる鮮やかな活躍ぶりに際して「部長としては文句なしやけどね」「さっすが部長、頼りになるわぁ」などと褒める様子も見せている。(最終楽章前編、28ページ、203ページ、218ページ)


川島緑輝編集

ハッピーアイスクリーム


低音パートでコントラバスを担当している同級生。1年生。

葉月は緑輝のことを「」と呼んでおり、対する緑輝は「葉月ちゃん」と呼んでいる。

久美子と同様に、入学式の日に声をかけて吹奏楽部を一緒に見学したことをきっかけに親しく交わるようになり(原作1巻、19~20ページ)、その後も3年間同じクラスで学びながらともに楽しむことになる。

いつもは奔放な会話を繰り広げながら二人でわちゃわちゃと盛り上がったり、突拍子もないアイデアを思いつく緑輝の振る舞いに呆れたりツッコミを入れたりしているものの(原作1巻、168ページ、282ページ、原作2巻、20~21ページ、200~201ページ、短編集1巻、18ページ、32ページ、69ページ、最終楽章前編、31ページ)、吹奏楽部での活動に際しては、豊富な知見を持つ緑輝の助言に感心や羨望(せんぼう)を覚えたり、いかなるプレッシャーも跳ねのける緑輝の強靭な精神力について「緑の心臓ってどうなってるんかね」と驚嘆(きょうたん)をあらわにするなどしている(原作3巻、115ページ、短編集1巻、89ページ、第二楽章後編、64ページ、最終楽章後編、348ページ)。また、葉月は学生生活の割と早期から将来の目標を定め、そこに向かって着実に学力を伸ばしている緑輝の努力についても「自分がやりたいことがわかっている人間は強い」として、ただ漫然と日々を過ごす自身と比べるようにしながら憧れを抱いている。(短編集2巻、27ページ、34ページ)


高坂麗奈編集

トランペットパートに所属している同級生。1年生。

葉月は麗奈のことを「高坂さん」と呼んでおり、対する麗奈は「加藤さん」と呼んでいる。

吹奏楽部に入部した当初は、容姿端麗で演奏技術も突出している麗奈のことを「完璧美少女」「なんだか威圧感があっておっかない」などと見ていたものの(短編集1巻、88~89ページ)、のちに自身の親友である久美子が麗奈との仲を深めるにつれて葉月もまた彼女と顔を合わせる機会が増えるようになり、呼び方も互いに「麗奈」「葉月」と親しいものへと変化している。葉月は麗奈に対して、彼女の才色兼備なエリート気質や明確な将来像を定めていることなどについて一目置いているほか、明晰(めいせき)な頭脳を通して発せられる彼女の指摘についても「正論すぎてぐうの音も出んわ」などと肩をすくめるようにして受け取っている。(短編集2巻、27ページ、29ページ、34ページ、最終楽章前編、102ページ)

吹奏楽部での活動においては、吹奏楽コンクールで一緒に演奏する機会はなかったものの、1年生時の定期演奏会や2年生時のアンサンブルコンテスト部内予選などでは同じグループに属してアンサンブル曲を演奏しており、葉月はそこで麗奈との圧倒的な実力差を体感することになる。時に麗奈から鋭い叱責(しっせき)を貰うこともあるものの、葉月はその都度持ち前の打たれ強さをもってそれらを克服し、麗奈からの指摘を基にして実力を向上させるよう努めている。(原作公式ガイドブック、72ページ、87ページ、短編集2巻、269~270ページ)


塚本秀一編集

無題


トロンボーンパートに所属している同級生。1年生。

葉月は秀一のことを「塚本」と呼んでおり、対する秀一は「加藤」と呼んでいる。

吹奏楽部に入部した当初は、”久美子の幼馴染”という感覚のもとに接していたものの、サンライズフェスティバルに向けた事前準備の際にスーザフォンの積み込みを助けてもらったり(短編集1巻、82~85ページ、TVアニメ版1期5話)、ソフトケースに入れたチューバを抱えた状態で電車を降りた瞬間、つまづいて転びそうになった際に支えて助けてくれたこと(TVアニメ版1期6話)などをきっかけとして、次第に彼に対する好意を抱くようになる。

久美子から秀一との関係を聞き出し、二人がまだ幼馴染以上の関係にないことを把握した葉月だったものの、それでも自身が行動を起こすことによってこれまでの友人関係が崩れることを危惧(きぐ)し、秀一との関係を深めることをためらっていた。しかし、そんな葉月の純心を応援しようとする緑輝の後押しもあって(短編集1巻、103~107ページ)、意を決して秀一をあがた祭りへと誘うことになる。(原作1巻、185~186ページ、短編集1巻、107~111ページ)

駅前で待ち合わせ、屋台を巡った末にベンチに二人きりで座った際に、気を逸すまいと心を決めた葉月は、「塚本、私さ、塚本のことが好きなんだけど」と真正面から告白する(短編集1巻、116ページ)。しかしながら、彼女の想いは実ることなく、しばしの沈黙の末に撃沈することになる。このとき、秀一の本当に好きな相手が自身の親友である久美子であることを察した葉月は、「よっしゃ、わかった! 私が久美子とのあいだ取りもつわ!」などとやるせない感情を抑えてつとめて気丈に振る舞って彼と笑い合い、別れたのちにすべての感情を吐き出すかのようにして緑輝の前で号泣している。(短編集1巻、119~120ページ、TVアニメ版1期8話)


葉月はその後しばらくのあいだ、吹っ切れたかのように明るく振る舞っていたものの、実際には失恋のショックを完全に払拭(ふっしょく)しきれないでいた(原作1巻、206~207ページ、TVアニメ版1期番外編)。また、部活の帰り際に秀一がよく食べていたフランクデニッシュを買って食べるなど、心のどこかで秀一を忘れきれていないゆえの行動も見受けられている。

しかしながら、この失恋を境に久美子と秀一の関係性を再確認した葉月は、惹かれる以前のような距離感を意識しながら「しゃあないな、この葉月様が協力したろう」と、彼らふたりの進展を陰に日向に応援するよう努めることになる。(原作1巻、212~215ページ、282~283ページ)


田中あすか編集

低音パートでユーフォニアムを担当しているふたつ上の先輩。3年生。

葉月はあすかのことを「あすか先輩」と呼んでおり、対するあすかは「葉月ちゃん」と呼んでいる。

葉月は低音パートのリーダーであるあすかから、しばしばロングトーンやリップスラーをはじめとする演奏法や初心者用の楽曲、吹奏楽部の編成におけるチューバの存在意義などを教わっている(原作1巻、110~111ページ、短編集1巻、18ページ、101~103ページ)。また、彼女がときおり披露するマシンガントークや「加トちゃん」呼びをはじめとする悪ノリについてげんなりした思いを向けているほか(短編集1巻、16ページ、18ページ)、抜群のプロポーションをもとにした妖艶(ようえん)な雰囲気についても「なんというか、蛇ににらまれた蛙のような気分になるのだ。取って食われそうというか、呑み込まれそうというか」などといった苦手意識を覚えるようになっている。(短編集1巻、81ページ)


釜屋つばめ編集

アンサンブルコンテスト


パーカッションパートに所属している同級生。1年生。

葉月はつばめのことを「つばめ」と呼んでおり、対するつばめは「葉月ちゃん」と呼んでいる。

1年生時の吹奏楽コンクールに向けたオーディションにおいて、ともにA編成部門のメンバーから外れてサポートチーム「チームもなか」(原作小説ではB編成部門)に加わったことが、二人が交わるきっかけとなっている。葉月は「チームもなか」の活動のなかで、つばめに対して積極的かつフレンドリーな関わりを見せたことにより、彼女とのあいだにパートの壁を超えた親しい関係を構築するに至っている。(第二楽章前編、20~21ページ、短編集2巻、206ページ)

2年生時のコンクールシーズンでは、葉月はつばめとともに吹奏楽コンクールB編成部門に参加するなかで、自由曲における見事なマリンバの演奏と、そこに至るまでに積み重ねた努力への称賛を送っている(第二楽章後編、64ページ)。また、代替わり後に行われたアンサンブルコンテストへの部内予選では、葉月は管打八重奏を演奏しようとする久美子たちのグループからの頼みを受けて、「共通の親友」という自身の立場を活かしてつばめを誘うための働きかけを行っている。(短編集2巻、207~210ページ、特別編『アンサンブルコンテスト』)


黒江真由編集

葉月の3年生への進級と時を同じくして転入してきた、ユーフォニアム担当の同級生。新3年生。

葉月は真由のことを「真由」と呼んでおり、対する真由は「葉月ちゃん」と呼んでいる。

新年度早々に同じクラスに転入してきた真由に対して、葉月は真っ先に彼女のもとへ向かっており、あとから加わった久美子たちを紹介する形で真由を吹奏楽部に誘うきっかけを作っている(最終楽章前編、27~30ページ)。真由が吹奏楽部に入部し、低音パートの新たな一員となって以降は、彼女の醸し出す柔らかで優しい雰囲気に便乗しながら「ママー! みっちゃんが意地悪するー」と悪ふざけをしたり、緑輝や新1年生の針谷佳穂たちを交えながら和気あいあいと談笑するなど、良好な雰囲気のもとに接するようになる。(最終楽章前編、113ページ、196ページ)


鈴木さつき編集

低音パートでチューバを担当しているひとつ下の後輩。新1年生。

葉月はさつきのことを「さっちゃん」と呼んでおり、対するさつきは「葉月先輩」と呼んでいる。

葉月とさつきは同じ中学校の出身であることや、持ち前のノリのいい無邪気な振る舞いなどを好意的に受け止めたことによって、入部早々に意気投合している(第二楽章前編、57ページ、79ページ)。その後の活動のなかにおいても、二人は悪ふざけの一環で互いの名を叫びながら抱きつきあったり、一緒になって気合を入れたり、くだらない雑談に興じるなどといった賑やかな交わりを見せている。(第二楽章前編、162ページ、短編集2巻、31ページ、最終楽章前編、303ページ)


鈴木美玲編集

低音パートでチューバを担当しているひとつ下の後輩。新1年生。

葉月は美玲のことを「みっちゃん」と呼んでおり、対する美玲は「葉月先輩」と呼んでいる。

出会った当初は、他者とのコミュニケーションを拒否する美玲の態度を「ツンツンしている」と評し、彼女との関係改善を図るために頭を悩ませていた(短編集2巻、29ページ)。サンライズフェスティバルの本番前には、プライドを爆発させた彼女から距離を置かれてしまうような一幕もあったものの、久美子との対話を経た美玲が凝り固まっていた感情を吹っ切れさせたことにより、歩み寄りの姿勢に目覚めた彼女と仲直りすることに成功している。(第二楽章前編、186ページ、207ページ)

葉月はそれ以降、自身よりも優れた実力を持つ美玲が吹奏楽コンクールA編成部門のメンバーに選ばれた折に、自身が選ばれなかった悔しさを据え置くようにして「やったじゃん」と応援したり、豊富な知識を持つ彼女に対して助言を乞うたりするなど、強い信頼感を表しながら関わるようになっている。(第二楽章前編、379ページ、短編集2巻、265~266ページ、短編集3巻、21ページ)


互いに進級して新年度を迎えてからも、葉月はたじろぐ美玲のツンデレぶりをニヤニヤしながら眺めたり、葉月に対して無遠慮な指摘をする美玲に「みっちゃんはうちにもう少し優しくしよか」と肩をすくめながら詰め寄ったりするなど、和やかな雰囲気のもとに接する様子が登場している(最終楽章前編、39ページ、113ページ、262ページ、300ページ、短編集3巻、17ページ、20ページ)。また、新たに低音パートに加わったチューバの新1年生たちに対する演奏指導についても、葉月は「向上心の塊」である美玲に信頼を預けて「担当の葉月と担当の美玲」というような役割分担を形成するようになっている。(最終楽章前編、155ページ、258ページ)


月永求編集

低音パートでコントラバスを担当しているひとつ下の後輩。新1年生。

葉月は求のことを「」と呼んでいる。

入部して間もないころに求の脱力しきった鈍(にぶ)い態度に際した葉月は、「もしうちがコントラバスやったら絶対喧嘩しとったわ」などと彼との噛み合わなさを早々に感じ取っている(第二楽章前編、78~79ページ、90ページ、短編集2巻、29~30ページ)。また、彼が緑輝と師弟関係を結んで新たな一面を現すようになってからは、葉月は緑輝の親友というポジションから「あかんで、求。どんなときでもてっぺん目指さな。緑を倒して俺がソリストや! ぐらいの心意気見せへんと」といった男意気を示すなど、ノリのよさを前面に押し出した絡みを見せるようになっている。(最終楽章前編、257ページ、286ページ、303ページ、TVアニメ版3期5話)


剣崎梨々花編集

無題


ダブルリードパートでオーボエを担当しているひとつ下の後輩。新1年生。

葉月は梨々花のことを「りりりん」と呼んでおり、対する梨々花は「葉月先輩」と呼んでいる。

2年生時のコンクールシーズンでは互いにサポートチーム(原作小説では吹奏楽コンクールB編成部門)として活動していたものの、そのなかで直接的に対話をするなどの描写は登場していない。

代替わりを経て新体制が始まった際に、葉月と梨々花は互いに1年生指導係を任せられることになり、翌年4月の新年度からともに活動にあたることになる(最終楽章前編、36~37ページ)。普段の1年生部員たちに対する指導やサンライズフェスティバルの衣装配布(最終楽章前編、168ページ、171ページ)などで協力して取りかかっているほか、部活を無断欠席した沙里たち新1年生の原因究明に乗り出したり大学の合同説明会に一緒に参加したりと、部活動のオンオフを問わず顔を突き合わせるような間柄になっている(最終楽章前編、200~203ページ、最終楽章後編、38ページ)。そうして、一年間を通して梨々花を間近で見ていた葉月は、彼女の立派な活躍ぶりに際して「しっかりしてる」というような感心を明かすに至っている。(短編集3巻、139ページ)


関連イラスト編集

冬制服

Hazuki rkgk葉月ちゃん

チューバ葉月誕 2016


夏制服

チューバの肺活量なめるなよ!!がおーっ!

練習⑩加藤葉月生誕祭2020


パレード衣装・高校1年生時(サンライズフェスティバル)

💛Go for it!


パレード衣装・高校3年生時(サンライズフェスティバル)

葉月ちゃん


ジャージ&体操服姿

葉月ちゃん走った後のチューバが重い・・・


私服姿(あがた祭り)

似合うかな?


関連動画編集

TVアニメ『響け!ユーフォニアム3』キャラクターPV 加藤葉月ver.(2024年2月)


関連タグ編集

響け!ユーフォニアム

チューバ スーザフォン

黄前久美子 川島緑輝 - 葉月と同じく低音パートに所属している同級生。1年生。

後藤卓也 長瀬梨子 - 低音パートでチューバを担当しているひとつ上の先輩。2年生

田中あすか - 低音パートのリーダーを務めているひとつ上の先輩。副部長の3年生。

塚本秀一 - トロンボーンパートに所属している同級生。久美子の幼馴染でもある1年生。

釜屋つばめ - パーカッションパートに所属している同級生。初心者の1年生。

黒江真由 - 葉月の3年生進級時に転入してきた同級生。ユーフォニアム担当の新3年生。


鈴木さつき - 低音パートでチューバを担当しているひとつ下の後輩。人懐っこい性格の新1年生。

鈴木美玲 - 低音パートでチューバを担当しているひとつ下の後輩。プライドの高い新1年生。

釜屋すずめ - 低音パートでチューバを担当しているふたつ下の後輩。お調子者の新1年生。

上石弥生 - 低音パートでチューバを担当しているふたつ下の後輩。バンダナが特徴的な新1年生。

剣崎梨々花 - ダブルリードパートに所属しているひとつ下の後輩。「チーム黄前」体制下で1年生指導係を担当することになる。


ヘアピン ちょろイン


はづみど - 川島緑輝とのカップリング(コンビ)タグ。

北宇治カルテット - 黄前久美子、川島緑輝、高坂麗奈とのカルテット(四人組)タグ。


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