概要
バグパイプ(Bagpipe)とは、木管楽器の一種で、大きな袋に、吹き口、チャンターと呼ばれる演奏管、ドローンと呼ばれる通奏管を取り付けた楽器である。
袋(バッグ)に複数の管(パイプ)が取り付けてあるので「バグパイプ(Bagpipes)」という名前がついている。
ユーラシア大陸西部や周辺の島々に広く見られる。
イギリスのスコットランドのものが有名であるが、アイルランド、イベリア半島、バルカン半島、ペルシアなどにも分布している。
なお、スコットランドのものは戦闘時において演奏されるため、戦争映画の戦闘シーンにも登場している。
有名であると思われるものとしては、映画『史上最大の作戦』で孤立した空挺部隊を救出しに来た部隊に演奏しながら随行するバグパイプ手、映画『ワーテルロー』に登場する多数のバグパイプ手等がある。
ちなみに現在でもスコットランド連隊やアイルランド連隊では「パイプ・メジャー」というバグパイプ演奏専門の士官がいる。なお、その名前の通り階級は少佐であるが、これは日本の自衛隊(三等陸佐)では中隊長クラス(だいたい200人くらいの部隊の隊長)、海外においては大隊付中隊長もしくは大隊長クラス(400~600人くらいの部隊の隊長)と実動部隊においてはかなりの高級将校である。
イギリス王室には君主のバグパイプ奏者という連合王国の君主直属のバグパイプ奏者がおり、毎朝9時から15分の君主の寝室の窓の近くでの演奏や王室の式典での演奏などをおこなっている。
2022年のエリザベス2世女王陛下の崩御に際しては、葬儀での演奏や埋葬後の「最後の演奏」などで注目を集めた。
構造
- バッグ(袋) - ブローから吹き込まれた空気をためておくためのもの。ここを脇に抱えて腕で押す事で音を途中で絶えさせずに鳴らし続けることができる。
- ブロー(吹き口) - 口を付けて吹く部分。バッグの空気が減ってきたら、ここから息を吹き込んで空気を補充する。
- チャンター - 音階を演奏するための管。リコーダーのように指穴が空いてて、そこを押さえて音程を変える。末端は開いているので、全ての指穴を塞いでも音は止まらないで出る。
- ドローン - 和音を出すための管。チャンターとは異なり、指で押さえて音を変えるための穴はない。通常はひもで縛ってバラバラにならないようにする。
同様の仕組みの楽器
溜めた空気を利用して音を出す楽器。
関連イラスト
オリジナル
版権
関連動画
勇敢なるスコットランド行進曲/スコットランド・ザ・ブレイブ
アメージング・グレースと並んで日本で最も有名であろうバグパイプ演奏曲。
バグパイプが盛んな地であるスコットランドでは「スコットランドの花」と並んで非公式な国歌扱いされるなど深く愛されている他、カナダ軍ブリティッシュコロンビア連隊では行進曲として制式採用されている。
...のだが、ある極東の島国では某紅茶をキメすぎた淑女()のせいで英国面のテーマ扱いされる羽目に...
ちなみに先述の「アメージング・グレース」や行進曲「ブリティッシュ・グレナディアーズ」も同様の被害にあっている
作業用BGM