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概要
北宇治高校の1年生で、吹奏楽部に所属。パーカッション(打楽器)を担当しており、作中ではシンバルやドラムスをはじめとするさまざまな楽器を取り扱っている。
茶髪のロングヘアときりりとした眉が印象的な、単刀直入な物言いをよしとするハキハキとした性格の持ち主。その出で立ちによって、ショートヘアーやポニーテールの多いパーカッションパートのメンバーたちのなかでも容易に見分けることができる。
中学時代からパーカッションひと筋の楽器経験者である彼女は、北宇治高校の吹奏楽部に入部してからも引き続きパーカッションパートに所属するとともに、サンライズフェスティバル(TVアニメ版1期5話)や吹奏楽コンクール(TVアニメ版1期13話、2期5話)、駅ビルコンサート(TVアニメ版2期7話)などといった数多くの演奏のなかで、クラッシュシンバルを叩いて演奏に華を添えている。
人物
容姿
うっすらと茶色を帯びたロングヘアーと手入れの行き届いた眉が目を引く、可愛らしい顔立ちに凛々しい印象を添えた女子生徒(短編集2巻、213ページ、261ページ)。パーカッションパートの1年生3人のなかでは2番目に背が高く、堺万紗子にはわずかながら及ばないものの、身長150センチの釜屋つばめよりは若干抜きん出ている。(TVアニメ版1期13話のアイキャッチより)
また、演奏の際にまくられることの多い両腕は密やかに筋肉で覆われており、彼女が自身の「理想の音」を追い求めるために普段から真摯(しんし)に練習に打ち込んでいることに対する、ひとつの証左となっている。(短編集2巻、261ページ)
性格
芯の通った堂々とした性格の持ち主で、照れることはあっても緊張による萎縮(いしゅく)を他人に見せることはない。(短編集2巻、213ページ)
彼女は長所の称賛や短所の指摘をはじめとして、相手に対する想いを包み隠すことなくはっきりと伝えることを自身の信条としており、語られる言葉の端々に彼女自身の他者に対する真剣さを見て取ることもできる。(短編集2巻、254ページ、262ページ、264~265ページ)
なお、曲がったことが嫌いな彼女は単刀直入な物言いをよしとしているものの、逆に他者からの素直な称賛にはめっぽう弱く、自身の助力や長所を立て続けに褒められると「あー、勘弁して。恥ずかしすぎて死ぬ。ほんま死ぬから」と頬を手で押さえながらじたばたするなど、照れ屋な一面も持ち合わせている。(短編集2巻、262~263ページ)
演奏技術
吹奏楽部の強豪中学校の出身で、中学時代から打楽器ひと筋の優秀な楽器経験者。(短編集2巻、205ページ、『響け!ユーフォニアム』DVD&BD4巻ブックレット、3ページ)
シロフォン(木琴)やグロッケン(鉄琴)などといった鍵盤打楽器からドラムスまで、たいていの種類の打楽器をその時々の要求に応じてそつなく叩くことができ、その器用さを買われて1年生ながら吹奏楽コンクールのA編成部門のメンバーとしても選ばれている。(短編集2巻、215ページ)
パーカッションパートの同級生たちのなかでも頭ひとつ抜きん出たその演奏技術は、吹奏楽部顧問の滝昇をはじめとして、他パートの同級生である高坂麗奈や黄前久美子たちにも広く認められるところとなっている。(短編集2巻、205ページ)
なお、彼女は打楽器以外にもピアノを弾くこともでき、過去には合唱の伴奏を行った経験も持っている。(短編集2巻、259ページ)
経歴
楽器経験者として北宇治高校の吹奏楽部に入部し、中学時代と同じくパーカッションパートに入ることを選んだ順菜は、そこでパートリーダーである田邊名来に率いられながら、同じ1年生の堺万紗子や釜屋つばめたちとともに活動に勤しむことになる。彼女は優秀な腕前によって吹奏楽コンクールA編成部門のメンバーに選ばれているほか、関西大会(支部大会)への出場に向けてパーカッション専門の外部指導員である橋本真博が招かれた際には、「プロ!?」と色めきだちながら今後行われるであろう指導への期待を寄せている。(TVアニメ版2期1話)
また、吹奏楽部が新体制を迎えて2年生に進級してからは、彼女は新たなパートリーダーである大野美代子からパート内の新入生指導係に任命されている。あるときは先輩として演奏の指導にあたり、またあるときは空回りした後輩をなぐさめたりと、個性豊かな6名の新1年生たちを「みんな可愛い」という愛着心のもとに育てている。(『新北宇治高校吹部紹介プロフィールカード(井上順菜、林來理)』掲載の紹介文)
コンクールシーズンを終えた吹奏楽部が代替わりを果たし、「チーム黄前」体制による活動が始まると、順菜は自身の実力と人柄を買われる形でパーカッションパートのリーダーに任命されている(短編集2巻、205ページ)。新体制になってすぐさま始められたアンサンブルコンテスト部内予選においては、トランペットパートの高坂麗奈からの誘いを受けて管打八重奏のメンバーとなり、ウインドチャイムやシンバル、フットバスドラムといったさまざまな打楽器を使いこなしている。(短編集2巻、214~215ページ、248ページ、277~278ページ、特別編『アンサンブルコンテスト』)
4月から始まった新年度では、順菜はパートメンバーのつばめとともに新入部員に対してパーカッションの紹介を行っており、つばめの圧巻の演奏を見せつけるようにしながら「北宇治に来たからにはこのくらいのレベルになってもらうぞ」と新入部員たちに発破をかけている(最終楽章前編、80~82ページ)。その後も、意気込んで入ってきた15名の新1年生たちに対してスティックコントロールのための基礎練習を施したり、吹奏楽コンクールの本番当日にトラックから打楽器を搬出する指揮を執ったりするなど、優秀なパートリーダーとしての手腕を発揮している(最終楽章前編、103~104ページ、最終楽章後編、351~352ページ)。あわせて、彼女はリーダーとしてのみならず奏者としても活躍を見せており、関西大会後に行われた文化祭では『アフリカン・シンフォニー』のコンガを叩き、拍動するリズムによって会場を盛り上げている。(最終楽章後編、236~237ページ)
主要キャラクターとの関係
釜屋つばめ
パーカッションパートに所属している同級生。1年生。
順菜はつばめのことを「つばめ」と呼んでおり、対するつばめは「順菜ちゃん」と呼んでいる。
互いに入部して間もないころ、生来の運動神経のなさからマーチングやドラムなど何をやらせても適性が現れなかったつばめの様子を見ていた順菜は、あるとき彼女に「腕だけの演奏ならすさまじい集中力を発揮する」という才能があることに気がつき、「つばめはマリンバの才能がある」とマレットを握らせながら励ましている(短編集2巻、262~263ページ、最終楽章前編、81ページ)。順菜はそののち楽器経験者というポジションから、つばめの向き不向きを見極めながら進むべき道筋を示し、順当に育っていく彼女の実力を冷静に評価していたものの(短編集2巻、256ページ、最終楽章前編、155ページ)、彼女のリズム感のなさについては有効な改善策を見いだせず、パーカッションパート内の課題のひとつとして頭を悩ませていた。(短編集2巻、264ページ)
2年生の秋に行われたアンサンブルコンテスト部内予選に向けた練習のなかで、つばめがリズム感を習得するきっかけをつかむようになると、安堵(あんど)した順菜はつばめに対して対等な実力者としての信頼を置くようになり、「つばめはすごいから大丈夫。鍵盤打楽器なら敵なしやんか」などと彼女の実力を誇りに思っていることなどを明かしている。(最終楽章前編、80ページ、325ページ)
黄前久美子
低音パートでユーフォニアムを担当している同級生。1年生。
順菜は久美子のことを「久美子ちゃん」と呼んでおり、対する久美子は「順菜ちゃん」と呼んでいる。
二人は所属するパートが異なることから接点はあまりなく、2年生の夏ごろまでは互いにあまり関わることはなかったものの、2年生の秋に行われたアンサンブルコンテスト部内予選において同じ管打八重奏のメンバーになったことをきっかけとして、パートの垣根を越えたの交わりを持つようになる。
順菜は当初、久美子に対してつばめの長所と短所を説明し、克服のための突破口を見いだせない現状を話す程度の関わりであったものの(短編集2巻、254ページ)、久美子がつばめの弱点を克服するヒントに気がつき、改善の兆しが見られるようになってからは、「久美子ちゃんまでそういうこと言い出す!」などと久美子に対して照れ屋な一面を臆面(おくめん)なく明かすようになったり、「久美子ちゃんも部長でいろいろ大変やろうけど、ありがとね」と自身の感謝の想いをストレートに伝えたりするなど、信頼と敬意からなる好感を抱くようになっている。(短編集2巻、261ページ、263~265ページ)
森本美千代
ホルンパートに所属している同級生。1年生。
美千代は順菜のことを「順菜」と呼んでいる。
二人は所属するパートは異なるものの、互いに1年生のときから吹奏楽コンクールのA編成部門のメンバーに選ばれるなど、ともに同じ舞台で活躍する機会を得ている。2年生の秋に行われたアンサンブルコンテスト部内予選では、順菜と美千代は同じ管打八重奏のメンバーとして活動するなかで、しばしば互いに肩を叩きながら笑ったり、顔を見合わせながらささやき合うなどといった親しげな光景を見せている。(短編集2巻、213~214ページ、275ページ)
関連イラスト
冬制服
夏制服
パレード衣装・高校2年生時(サンライズフェスティバル)
パレード衣装・高校3年生時(サンライズフェスティバル)
体操服(夏合宿)
北宇治Tシャツ(駅ビルコンサート)
関連タグ
田邊名来 - 所属しているパーカッションパートのふたつ上の先輩。パートリーダーの3年生。
大野美代子 - パーカッションパートのひとつ上の先輩。ポニーテールの2年生。
釜屋つばめ - パーカッションパートの同級生。丸眼鏡の1年生。
堺万紗子 - パーカッションパートの同級生。赤いリボンの1年生。
東浦心子 - パーカッションパートのひとつ下の後輩。ニットベストと赤いヘアピンの新1年生。