野口ヒデリ
のぐちひでり
CV:櫻井孝宏
北宇治高校の3年生で、吹奏楽部に所属。トロンボーンを担当しており、同パートのリーダーを務めている。
明るめのベージュの短髪が特徴。背丈は同じパートの1年生の塚本秀一と比べるとほんの少しだけ低い(TVアニメ版1期8話のアイキャッチより)。
あだ名は「千円先輩」(『響け!ユーフォニアム』DVD&BD2巻特典映像)。1000円札に肖像画が描かれている野口英世から来ていると思われるが、低音パートの1年生である川島緑輝には「イケメンなのに残念なあだ名」と言われている。
当初は、北宇治高校吹奏楽部の「やる気のないグループ」のなかの代表的存在として、部活や練習に対して真面目に取り組んでいないシーンが多く登場している。TVアニメ版1期1話ではパート練習をサボってエアギターに興じていたり、1期4話のパートリーダー会議では議題内容に聞く耳を持たず、頬杖をついてあくびをするなど、不真面目にとれる素行が目立っている。そのような様子を日頃から目にしているパートメンバーの秀一からは「トランペットのパートリーダー(中世古香織)と取り換えてほしい」と呆れる意見が漏れている。
その不真面目さは結果としてトロンボーンパート全体の「音」として現れており、TVアニメ版1期3話での滝昇との初合奏では、マーチ「海兵隊」のオブリガード(対旋律)の拍感がメトロノームの指定テンポと噛み合わないのみならず、パートのメンバーそれぞれの出だしがバラバラであることなど、パートとしても個人個人としても演奏のレベルの低さを露呈させてしまう事態となっている。
また、次回のTVアニメ版1期4話では、パート練習に顔を出した滝昇のもとで「海兵隊」の冒頭4小節をひたすら合わせる練習を行っているが、そのたった数小節ですらリズムが揃わないというてんでバラバラな有様であった。
しかし、その滝による基本基礎を徹底的に重視した練習内容や、部活全体に広がっていった「滝昇を見返してやろう」とする意識によって、彼の率いるトロンボーンパートも一週間後の合奏では見違えるような実力を披露している。
トロンボーンパートの同じ3年生である田浦愛衣とは、何かと一緒にいる場面が多い。
2015年10月21日に発売された『響け!ユーフォニアム』DVD&BD5巻のブックレットに記載されているパート紹介にて、彼女とつき合っていることが明らかにされている。また、パート練習に力を入れていなかった理由のひとつにも、「ふたりでいることが楽しい」としっかりと挙げている。
なお、愛衣と喧嘩をした際には後輩の秀一に愚痴をこぼしているようである。(『響け!ユーフォニアム2』コンプリートブック、30ページ)
TVアニメ版2期3話の夏合宿では、2日目夜の手持ち花火によるレクリエーションが行われるなかで、モノマネ対決の先陣を切って顧問の滝昇の「なんですか?コレ」の声真似を披露している。なお、ヒデリの声をあてている声優の櫻井孝宏は滝の役を担当しているため、実際は中の人つながりの演技となっている。また、滝は音大在学中にトロンボーンをやっていたため、担当楽器繋がりでもある。
吹奏楽コンクール関西大会(支部大会)の本番前のシーン(TVアニメ版2期5話)では、顧問が代わって弱体化したどころか、むしろより一層洗練された演奏を披露した”三強”の一角・明静工科高校吹奏楽部に戦慄を覚え、「誰だよ、顧問代わって下手になってるとか言ったやつ」とぼそりとつぶやきを落としている(原作2巻、292ページ)。また、北宇治高校吹奏楽部が”三強”の一角を打ち破って全国大会への進出を決めた際には、パートの後輩である秀一と肩を組んで大喜びしている。
TVアニメ版2期13話の卒業式後のワンシーンでは、パートの後輩たちが見守るなか、自身の制服の第2ボタンを愛衣に手渡すシーンが登場している。