概要
開発目的はM16のライセンス費が高く、その割には韓国軍全体にM16が行き届かなかったのが理由である。
ストックが全て折りたたみ式であることと、M16で評判の悪かったリュングマン式作動システムを常識的なAKのようなロングストロークに変えてある点が最大の違いであり、所謂70~80年代のトレンドであったFNCやAR-18スタイルの堅実なアサルトライフルである。
生産にはM16の生産施設も流用されており、一部パーツはM16とほぼ同じだったりするのだが、作動方式にはAK-47が参考にされており、動作の信頼性は向上している。(この辺はイスラエルのガリルと同様)
現在でも北朝鮮と朝鮮戦争から休戦という緊迫した情勢で、アメリカ軍との連携を重視する韓国軍の事情を反映して銃剣やグレネードランチャーといったアタッチメントもM16と同様の物が装着可能であるなど拡張性にも優れている。
誤解されがちだが、K1はK2の短縮モデルではなく、作動方式が異なる。
韓国軍でK2を採用しているのは陸軍が主で海軍や空軍ではM16を使うことが多いとのこと。
基本に忠実な堅実設計故に、名品と評価されているが、それが原因で北朝鮮に攻め込まれたときに対処できるように徴兵制度がある韓国において男は絶対に徴兵に一年就かなければならないため、徴兵がトラウマになっている韓国人(主にオタク)からは酷く毛嫌いされている銃だったりする。(あまりにもポピュラー過ぎる為にトラウマのヘイトを集めすぎている)
人によっては「見るだけで吐き気がする。」などという意見もある。
改良型としてK2CとK2C-2とK2C1があるがK2CとK2C-2は韓国軍に正式採用されていない。
K2Cは海外輸出用に作られたモデルで初期はロアレシーバーをK1の物を使用していたが、現行モデルではK2ロアに変更されている。
K2Cは輸出用であるため国防企画を守る必要がないため既存の物より根本に改良が加えられている。イラク軍等が輸入して使用しているが、イラク軍から鹵獲されたK2Cがイスラム国に使用されて問題になったことがある。
K2C1については元々K2Aという名称で開発されており、正確には「K2Cの改良モデル」ではなく「既存のK2にK2Cのハンドガードやストックを装着した改良モデル」である。K2C-2は「K2C1の改良型」ではなく、「K2Cの改良型」という意味である。(ややこしい)
K1とは部品単位では互換性がないが、アッパーとロア単位では互換性があり入れ替えて撃つことが可能である。
K1アッパーとK2ロアは扱いやすいと好評だが、逆にK2アッパーにK1ロアは使いにくいと不評である。(主にワイヤーストックが原因)
K2C1の初期型はハンドガードを元のプラスチック製から摩耗を避けるためにアルミニウム製に変更していたのだが、これが原因で100発ほど連射すると熱伝導によりハンドガードが熱くなって持てなくなるという問題があった。
「熱伝導によりハンドガードが過熱する」というのはK2に限った話ではなく、寧ろ小銃においてはほぼ共通の仕様のような物であるが、本来であれば対策としてハンドガードに熱伝導率が低い木や樹脂を採用する(S&T Motivに韓国のブロガーがK2C1の欠点に関して質問した際は「ガスピストン方式と重量バランスの問題でハンドガードを分厚くすることができなかった」とのこと。)。
この問題自体はフォアグリップを装備する、手袋を着用するなど容易に対応できるものであった為、現在ではレールカバーの追加とフォアグリップの追加で改善されている。
何かと89式小銃と比べられがちな銃ではあるが、構造や動作機構はほとんど同じで4ポジションあるセレクターが使いにくいことが現場で不評な点も同じである。
現在はS&TMotiv(旧:Deawoo)だけでなく、DASAN社もこの銃を製造しているが、韓国の国防企画が存在する以上、勝手に改修ができない為、上記の使いにくいセレクターは未だに改善されておらずDASAN社の社員はこれに苦言を呈している。
一昔前のK2と現在のK2とではかなり改善されており、旧K2では工業技術があまり高くなかったことが原因で表面処理が荒かったりチャージングハンドルが壊れやすいといった点があったが現在は仕上げが綺麗になり、チャージングハンドルもより強度の高い材質へと変更された。
フィリピンではこの銃をさらに細かく改良したものが採用され、キーモッドなどが付いたかなりモダンな雰囲気の小銃になっている。このハンドガードを欲しがった特殊部隊員が別で購入する場合もあるとのこと。
海岸警戒所K2小銃詐取事件で北朝鮮に奪われた数丁のK2ライフルが(コピーも含め?)北朝鮮の特殊部隊に運用されている、という噂がある。
確定した証拠等はないが、目撃証言があったり、そもそも韓国国内からでなくとも韓国が輸出した他国から取り寄せられることは考えられる上、他のK1やK3、K7等のデッドコピーも運用されているという噂が立っている。
2021年にはアメリカのNGSW計画で使用する6.8mmSPC弾に対応したK2のバリエーションモデルであるSTR-24が公開された。
民間モデル
アメリカの民間用としてAR-100という名称で輸出されていたが、アメリカの規制強化に伴いグリップとストックが一体化したサムホールストックのDR200として売られるようになったが、その規制が撤回されたため、DR200はストックとグリップが再び分かれるようになった。
AK用の弾薬である7.62×39mm弾を使用するDR300というモデルも存在する。
これらには米国の銃器アクセサリー会社がレールハンドガードなどを作っているため拡張性はある程度確保されており、韓国系移民のアメリカ人には「母国の銃」ということで忌み嫌われがちな韓国国内とは反対で人気がある。
主にコヨーテ狩りなどの用途で人気があり、その面で「非常に良いコヨーテ狩り用のライフル。」という評価を受けたこともあるが、競技射撃などではカスタムパーツが無限にあるAR-15のシェアが大きすぎて苦戦を強いられているとのこと。
昨今では民間用のK2もK1も生産終了しており、レールハンドガードも入手困難であるためか値段が徐々に高騰しており、かなり高額で取引されることも珍しくない。
ちなみにアメリカのユーザーの中にはハンドガードとストックをFALやG3の物に変更してカスタムする猛者もいる。
実射映像(K2C1)
トイガン
アカデミーとトイスターが商品化するまではトイガン化は一切なされていなかった。
2007年ごろにアカデミーから発売された。チープな出来ではあったが、当時としてはまともな造形をしていた。ただし、日本の東京マルイの物と比べると劣っていたのは事実だった。
2009年にトイスター社が発売したモデルは電動、エアーコッキングの両方が発売されたが、こちらは実物パーツを加工無しで装着でき、内部の構造や分解方法などを限りなく実銃に近づけて再現した高級モデルである。価格は日本円換算で8000円ほどと日本製に比べると安めである。
しかし、日本に輸入する際は転売価格と関税で倍以上の価格になっている場合があり、ニッチな需要のためかそこまで出回らない。
ちなみにアカデミー社製モデルは、フルメタルの外装パーツも存在していたが、現在は絶版である。
構造自体はマルイの電動ガンの機構を真似しているのか、AR-15系の電動ガンのメカボックスを移植することで電動ガン化も可能であり、有志によって作られたGBBキットでガスブローバック化も可能である。
WE-Techがガスブローバックの商品化を発表したが、需要が少なすぎたのか現在でも音沙汰はない。
2018年にアカデミー社からK2C1が発表された。こちらはアカデミー社のなかではよくできてる方の部類に入るが、やはりマルイ製などに比べるとチープ感は否めない。
2019年9月には米国大使館の訓練などにも使用される実銃に忠実な操作感を再現した韓国GBLS社製の高級電動ガン、DASシリーズでK2C1を商品化することを発表し、話題となった。