概要
『日本書紀』にのみ登場する織物と機織りを司る(諸説あるが)女神で、同じ織物と機織りの神であるアメノハヅチオの別名、若しくは同一視される場合もある。漢字では“建葉槌命(たけはづちのみこと)”と表記される。
伝承によれば、悪神・アマツミカボシを討伐したとされているが、何故武神でもない機織りの神である彼女がアマツミカボシを誅する事ができたのかには諸説あり、代表的な例として次のようなものがある。
1:実は武神だった説
建葉槌命の「建」は「武」、「葉」は「刃」と読み替えると、武刃槌となり、正に武神に相応しい名前と解釈できる事から。
その裏付けとして、茨城県の日立市にある彼女を祀る『大甕倭文神社』の『大甕倭文神宮縁起』にはそれを窺わせる記述があるらしい。
2:織物の中に星を司るアマツミカボシを織り込んで封印した説
飛翔する存在として戦神であるフツヌシノカミとタケミカヅチを差し置いて天=
太陽が沈んでも星が夜空に輝いている事を、如何にかできないものかと苦肉の策として考え出されたという解釈から。
3:機織りを司る事から天女の羽衣伝説と結びついた説
女神として解釈され、織物が天女の羽衣伝説と結びつき、アマツミカボシの元へと届く存在だから。
そのほか異説として元々彼女はアマツミカボシ側だったが、懐柔されて寝返り、内部から崩壊させたというものもあるという。