『彼女は、彼女さ』
イグリードより
概要
民間航空会社に所属するA級ハンターの女性型警備用レプリロイド。
そして、イグリード(原作ゲームのストーム・イーグリード)の彼女。
登場は旧コミック版『ロックマンX 2巻』。
人物像
明るく元気な性格で、髪型は肩に僅かに掛かるくらいのショートカット。
イグリードが追跡中の強盗犯をゼロが逮捕した際、笑顔で自己紹介をしたのが初登場。
二人の関係は良好らしく、頬を赤らめるイグリードをゼロはからかう。彼女の台詞からすると、イグリードからゼロを良き親友と耳にしていたようだ。
レプリロイドだからという訳ではないが、しっかりと可愛くてスタイルは良い。
そして、レプリロイドとしては珍しく、布地のスカートを着用している。
武器はバスターを装備。
実は、ロックマンXシリーズでは唯一の女性ハンター型レプリロイド。後のゲームシリーズや漫画版でアイリス、エイリア、レイヤー、パレットも武器の所持や戦闘に参加するのはご存知だが、彼女達の基本任務はオペレーター所属でハンターではない。もちろん、戦闘現場に派遣される女性型レプリロイドは他にもいるらしいが、無名の看護型や避難民誘導が主となっているので、正式な所属と名前付きはティルしかいない。
※渾然たるアイリスは戦闘型の女性レプリロイドだが、ハンターとしての設定があるかは不明なので現時点では保留とする。
活躍
作戦開始前
話は前後するが強盗の一件後もイグリードとの交際は順調。ゼロとも友情を深めているようで三人でふざけあっている描写もある。
そんな中、ティルが担当する北極経由の旅客機で集団イレギュラー・レプリロイドのハイジャックが発生し、拘束されてしまう。スカートが損傷していたのをみると、発生時にティルは可能な限り応戦したと思える。
緊急連絡を受けたゼロとイグリードが急行し、ゼロが単身機内に潜入。イグリードは積乱雲により離脱を余儀なくされる。
※作戦開始までの経緯を語ると、イグリードはティルを人質に捕られた事で激怒していたので感情面からの失敗を考慮して飛行可能なイグリードは外で待機するという判断を下す。イグリードは一度反対するものの、状況を理解してゼロに全てを託した。
作戦開始
徐々に天候が悪化するも、機内に潜入したゼロは開放したティルと共に犯人グループの制圧を開始する(中々連携の良い描写がある)。
一度、ゼロはブービートラップに引っかかって腹部を破損するも、人質が集められた客室に籠城するハイジャック犯のリーダーの元になんとか到達。全身に爆弾を巻きつけていたのでバスターが使えない事に悔やむティルだが、ゼロは天井を撃ち抜いて雨水を流し込むという機転で爆薬を使用不能にした。
・・・・・カッコイイ演出ではあるが、高高度の航空機に穴を開けるのは気圧の不安定化を招いて危険極まりなく、爆薬に使用される火薬も既に耐水性が高い物があるので雨水程度では無理がある。
それを言ったら大人気ないので素直に楽しもう。
作戦完了・・・
乗客は歓喜の声を上げ、ゼロは主犯に投降を求めるも相手は隠し持っていた最後の爆弾を起動させてしまった。やむを得ず、ゼロはハイジャック犯を破壊し、爆弾の投棄を試みる。予想外の事態に乗客は慌てふためくが、ティルは平静を保つよう行動する。
しかし、前述したブービートラップの破損によりゼロはその場に崩れ落ちてしまう。
それを見たティルは即座に動き、爆弾の処分を代行する。更に、万一を想定して無人の娯楽室から破棄するべく、残り数秒の時点で扉を開けた。
が、嵐で機体が大きく揺れた拍子に爆弾もろとも外に放り出されて殉職してしまった・・・。
人質だった乗客は全員無事。犯人は全員制圧。
損失は警備型レプリロイド一体。
事件は解決したが、決して喜べる結果ではない。
もし、
ゼロとイグリードの二人で作戦を開始していたら
気流が激しい状況でも飛行する機能がイグリードにあったら
ゼロがブービートラップに警戒していたら
ゼロがハイジャック犯のリーダーを確保ではなく制圧をしていたら
・・・挙げればキリがない。第一、終わってしまった以上問題を追及しても仕方ない。
これをきっかけに、ゼロとイグリードの間に溝が生じてしまい、イグリードも別の部隊に移動してしまったので謝罪すら出来ないまま、結果的にイグリードまで失ってしまう。
更に、ゼロ本人も後に大切な人を失ってしまうとは思いもしなかっただろう・・・。
その後の掲載作品
不運な結果に終わってしまったティルだが、ファンの間ではそれなりに人気があるのか二次創作では各方面で自主製作されている。
岩本先生も自らのHPでマーティと並んでいる絵を描いている(若干のアレンジを加えている。)
近況
2021年3月21日。この日、驚くべき事実が明らかになった。
それは、岩本先生がpixivに投降した<ロックマンX集合イラスト>。
なんと、このXシリーズのキャラクター全員集合の絵に、ティルがいた。
(中央左寄りで、マーティとシナモンの間。そして、背後にイグリードもいる)
これまでは漫画のモノクロ仕立てで二次創作品も作者独自での色構成となっていたが、カラー版はこれが初。
ボディはクリームイエロー色。脇や腕は紫。肩や胸部のアーマーは金色。瞳は赤ピンク。
そして、髪の色はエメラルドグリーンだった!
なんとも意外なほど、メタリックなカラーリングだ。
漫画版作者の作品なので、公式として見て良いだろう。
尚、岩本先生本人の考えでは
「あくまでもこのイラストバージョンという事で、
マーティ同様に皆さんの自由なイメージで漫画は見てください」
と全てのファンに捧げる言葉を頂けた。
ロックマンXの世界に新たな歴史が刻まれた。