概要
2010年代より、プリウスのドライバーが起こした交通事故が立て続けに報道された。
それらは「人混みに突っ込んで複数の死傷者を出した」「コンビニに突っ込んだ」などの派手なものであったため、プリウスを危険視する風潮が蔓延。
同時期に発展したSNSや動画サイトでもプリウスの非常識な運転や駐車が頻繁に報告され、その暴走ぶりをミサイルに例えて、「プリウスミサイル」という俗語が誕生した。
プリウスミサイルの原因
原因として指摘されるのが、一般的なATの自動車と異なるシフトパターンである。
簡単にまとめると、ドライブやリバースの位置がMT車と逆の位置にあるため、MT車に慣れて育った高齢者は間違えやすい、というもの。
しかし、実際には同様に変則的なシフトパターンの車は多数存在しており、それらがミサイルと呼ばれるほど頻繁に事故を(少なくとも報道される限りでは)起こしていないことを考えると、的外れと言える。
そもそも高齢者の事故で多い原因は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」であり、「シフトレバー操作を間違えた」と申告した例は確認されていない。
本当にプリウスは危険なのか?
プリウスがことさら危険というイメージもSNSでは揶揄と共に広まっているが、単純な車種ごとの事故車率で言えば、突出してプリウスが高いわけでもない。
単純に年販1位を連発するほど売れている車種であるため、市中に出回っている台数が多く、ただでさえ操作ミスを起こしやすくなっている高齢ユーザーの絶対数も増えているというのもある。
また、2019年4月に池袋で起きた高齢ドライバーによる暴走事故がニュース的に大きく取り上げられ、世間の注目を集めたためインパクトが強かったというのもある。
足腰の弱い高齢者は運転姿勢がガニ股になりやすく、それがアクセルとブレーキの足の移動を妨げていると言われている。つまり他の車種でも、高齢ドライバーであれば同様のリスクがあることをよく認識しておこう。