概要
1999年4月20日にアメリカ合衆国コロラド州ジェファーソン郡にあるコロンバイン高等学校で発生した在学中の生徒2人による銃乱射事件である。
武装した2人が校内にいる生徒・教師に無差別(厳密にいえば標的は決めていた)に銃撃し、計13人の命を奪った後に自殺した。
この事件の根幹にはアメリカ特有のスクールカーストが原因であることが示唆されている。
経緯
事件前
実行犯であるエリック・ハリスとディラン・クレボルドは学業が優秀な生徒だったが、入学したコロンバイン高等学校はスポーツに力を入れている学校のため、頭は良いがナヨナヨした見た目の2人は学校では浮く存在(所謂、カースト下位のナード)であったことからスポーツ万能な生徒(所謂、カースト上位のジョック)達にいじめの標的にされてしまう。
「ファゴット(オカマ野郎)」と罵られる、すれ違いざまにわざと肩を当てられる、ロッカーに閉じ込められるなどいじめを受け続けていた2人は、同じくいじめを受けていた生徒達が自警団として結成した「トレンチコート・マフィア」に所属していた。
2人は同じ境遇を過ごしていくことで強い絆で結ばれるが、長期的に渡るいじめで次第に精神的に追い込まれていき、そして凶悪な性格に変貌し恐るべき計画を立てることとなる。
彼らは自分達をいじめていた生徒達に復讐するべく、大量殺人を計画。手製のパイプ爆弾を作成し、知り合いのツテで銃火器(カービン銃、ソードオフショットガン、TEC-9など)を調達した。
また、実行前にウェブサイトに殺人予告を投稿し、それを生徒の親が発見して保安官に報告したが、まともに対応出来なかった。
発生
1999年4月20日に2人は車で学校を訪れて駐車場に停めた。そして、大勢の生徒を殺すために手製のパイプ爆弾をカフェテリアに設置し、ランチで人々が集まる時間帯にタイマーをセットして駐車場に戻って待機した。爆発の合図で行動を起こそうとするものの、肝心の爆弾が何故か不発に終わり、痺れを切らした2人は車から出て銃の乱射を始めた。手始めに近くの丘で昼食を食べていた男女2人を銃撃し、その後も無差別に生徒達を銃撃した。その際、不発した爆弾を確認するためにカフェテリアに向かい、騒ぎを聞きつけた女教諭が駆けつけて2人がいたずらをしていると思って注意しようとするが、発砲してきたことで慌てて図書館に逃げて911番(日本でいう110番)に通報した。また、駆け付けた学校警察官の保管官補と銃撃するが、火力が勝っていたため後退させた(その際、保管官補は緊急支援要請「コード33」を無線で連絡した)。
校内に入った2人は銃の乱射と爆弾を投擲(ほとんどが不発)し続けて図書館に到着し、隠れている生徒達に「ジョックは全員立て!」、「白い帽子(運動部員が学校の伝統でかぶっている)をかぶっている奴は全員立て!」と叫び、誰も立たなかったため手当たり次第に見つけた生徒達を銃撃し殺害し続けた。その後、図書館で出て校内を発砲し続けたがすぐに図書館に戻り、駆け付けた警官達と銃撃した末に、2人は自らの銃で自殺を図った。
この事件で死者13人(内、学生12人、教諭1人)と負傷者24人(全員学生)を出す大惨事となった。
関連タグ
津山事件:こちらも歪んだ上下関係による迫害が原因で起きた大量殺人。
マルハワ学園:スクールカーストが原因で大量殺人が起きた架空の学園。