概要
もともとは萬世一系と書く。
中華皇帝が易姓革命により天命を失い新たな皇統に移り行くのと比較して、日本の皇室が神武天皇以来の血統が続いていることを誇ったもの。第二次世界大戦前の国定史観であった皇国史観は日本の歴史が万世一系を中心として展開してきたという歴史観であった。大日本帝国憲法の第1条では、この「万世一系」が記載されている。
南北朝時代に南朝公家の北畠親房が著した『神皇正統記』がこの概念の先駆けで、後世の尊王攘夷論に大きな影響を与えた。
しかしながら、皇室の歴史においては常に嫡流により皇統が継承されていたわけではなく、傍系の血統による皇位継承がしばしばあった。現在の皇統も中御門天皇系の傍系・閑院宮家出身の光格天皇から始まるものである。また、『神皇正統記』著述当時の皇統は大覚寺統の南朝と持明院統の北朝に分裂しており、後世の皇室は北朝の血統である。