概要
サウジアラビアの砂漠に登場したスタンド使い。ラクダで砂漠を横断する承太郎一行を、密かに尾行しながら攻撃する。
スタンドは気温を70℃以上にまで上昇させる高熱を放ち、レーザー光線のようなエネルギーのビームは、ジョセフの双眼鏡をピンポイントで狙撃する精密さと破壊力もあって、一行を苦しめた。
しかし「影が反対側に伸びているそっくりな形の岩」を見つけられ、スタープラチナが投げた石をぶつけられたアラビア・ファッツは、一瞬で敗北してしまった。
彼は前面に大きな鏡を取り付けて、周囲の風景を映すことでその中に紛れる特殊な車を運転しながら追跡していたのであった。
かくして、台詞は「ドギャス!」の一言、登場したのも1コマだけ、それもでかいタンコブを作って失神する中年太りのおっさんという姿であり、彼はシリーズ屈指のパワーを持つ恐るべきスタンド使いにして、シリーズ最大の出オチキャラという扱いで名を残す事になった。
ちなみにその名前も本編内では名無しのままで、後年発売された「JOJO-A-GO!GO!」でようやく、「アラビア・ファッツ」と名付けられたのである。
スタンド 太陽
本物の太陽とそっくりなスタンド。詳細は当該記事を参照。
余談
スタンドの放つ熱に自身が耐えられる訳ではないので、彼は前述の特別装備の車に身を隠していた。遮熱シートで覆った車内は、エアコンと小型冷蔵庫が装備され、テーブルにはジュースと煙草が置いてあり、かなり快適な環境でリラックスして追跡していたようである。
常識的に考えて前が鏡だと前方が見えないため、どうやって承太郎一行を観察していたかは不明であるが、マジックミラー仕様だったと考えれば辻褄は合うか。
なお一行の中で、ジョセフだけが鏡のトリックを見破る事が出来なかった。かつて第2部で鏡を使ったトリックでストレイツォを騙し、「お前、チベットのド田舎なんぞに引っ込んでねーで、もう少し都会で揉まれたほうが良かったな。ほんのちょい注意深けりゃあ、ゲームに勝てたのによォ!」と挑発した事のあるジョセフが、承太郎に「やれやれ、情けねーじじいだ。てめー暑さのせいで注意力がにぶったことにしてやるぜ。とても血のつながりがある俺の祖父とは思えねーな」とたしなめられたのは何とも皮肉である。
しかし常に冷静沈着な花京院の
「ウッ クックックックックックッ クックッフヒヒヒ フッフッフッ ホハハハ フフフフ ヘハハハハ フホホアハハハ
フハハッ クックックッ ヒヒヒヒヒ ケケケケケ ノォホホノォホ ヘラヘラヘラヘラ アヘアヘアヘ」
という笑い声を聞いたら、暑さで頭がおかしくなったと思っても致し方なく、同情の余地はあるであろう。
「やれやれ、情けねーじじいだ。てめー暑さのせいで幻聴が聞こえたことにしてやるぜ」