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生野洋司の編集履歴2021/10/29 22:00:58 版
編集者:SION
編集内容:本文に追記

概要

CV:永井誠

先端創薬センターの主任研究員。作中では「アドデック9」と呼ばれる認知症患者の治療のための薬の開発を行っている。

他の医師や研究者よりも明らかに背が低いのが特徴。

3年前の創薬開発センターに併設の病院で起きた殺人事件では検察側の証言者として法廷に立ち、容疑者の大久保を追い詰める立場にいたが、証言があいまいな部分もあり、八神隆之たちに反撃のチャンスを与えてしまっている。

新谷弁護士が死亡した際、なぜかスマートフォンに「創薬開発センター」への発信履歴が残っていたことから、センターを訪れた八神と再会。当時と全く変わらない姿を見せた。

新谷は死の直前、センターに電話をかけて生野に接触を試みていたようだが……。

ネタバレ注意

ゲームクリアした後で閲覧することを推奨します。

実は、世間では木戸隆介の薬として認知されているアドデック9の本当の生みの親(木戸には後述の理由があって権利を譲っただけ)。

気弱で大人しめな風貌に反し、アドデック9という薬に異常なほどの執着を持ち、完成のためならばどんな犠牲も手段も厭わない狂気的な本性を秘めている。

3年前、先端創薬センターが閉鎖の危機に陥ると、一刻も早くアドデック9を実現しなければ……と慌てる。周囲を振り回していた認知症患者「和久 光一」に目をつけ、アドデック9を彼で試そうと考える。この時生野は、実験用マウスで良好な結果が出たことから必ず成功すると過信していた。

深夜、こっそり病室に入りまだ誰にも試していないアドデック9を寝ている和久に注射したが………

認知症から助かるはずの和久は死亡した。

アドデック9はマウスには無害だが人体には重篤な副作用を及ぼし、投与された者の命を奪ってしまうその事実を和久の死をもって知った生野。

ここで自分が逮捕されれば、創薬センターは閉鎖し、何より長年積み重ねた自身の研究が水の泡となってしまう。

それを恐れた生野は、とりあえず和久の死体をリネン業者のトラックの中に隠してやり過ごした。だがそれは一時しのぎに過ぎず、死体を発見した業者が通報すれば自分が犯人だと特定されるのも時間の問題…と不安になっていた生野だったが、

幸か不幸か……死体を発見した業者「大久保 新平」が前科持ち故に疑われるのを恐れて死体を遺棄し、その後逮捕される。

これを受けて生野は、このまま大久保に罪を擦りつけることを考えるが、裁判で当時弁護士だった八神 と、大久保の恋人である「寺澤 絵美」によって大久保は無罪となり、目論見は外れてしまう。

このままではマズいと、生野が次に出た行動は……

大久保のアパートに忍び込み、居合わせていた寺澤絵美を滅多刺しにして殺害……大久保が酒に酔って彼女を殺したように見せるため、彼の体内にアルコールを注射したり、凶器に指紋を付けたりなどの偽装工作を施す……そしてアパートを放火するというとんでもない犯行だった。

殺し屋でも何でもない生野が、たった1人で、警察をも出し抜くほどに、こんな犯行ができてしまうとは、それ程までに自らの手掛ける薬に対する底しれぬ執着心故か、気の弱そうな印象とは裏腹に恐ろしい人物である。

こうして生野は自分が罪から逃れるために、落ち度のない女性を惨殺し、無実の大久保を殺人鬼に仕立て上げるという、悪魔的な所業に走ったのだった。

その後、上司であり先端創薬センターの所長「木戸 隆介」に功績を全て与えると言って、彼にアドデック9の発表を行わせ、後から真相を話すことで木戸を自身に協力せざるを得ない状態に追い込む。そして、木戸の人脈を利用し、厚生労働省の事務次官を務める「一ノ瀬 薫」を後ろ盾にしてどうにかアドデック9を実用できる様に改良すべく研究を始める。

上述の事情故に臨床試験する事ができず、秘密裏に実験体を調達する必要があるため、松金組の羽村京平「モグラ」と呼ばれる殺し屋などを賄賂で雇って、定期的にヤクザを誘拐させ、生野は次々と実験を繰り返していき、数々の人間を死に追いやっていった。

終盤、一ノ瀬は追い詰められ、モグラは暴走し創薬センター内で大量殺人を行い警官隊に蜂の巣にされる。

その直後、生野はアドデック9が完成したと言い、それを証明しようと自分自身に打ち込むが、猛毒の副作用を取り除くことができなかったため、結果が変わることもなく、自分が実験体に利用した人間達のように激痛に襲われ、目が青く染まって死亡した

その模様は一部始終を自らの目的の為に殺害した寺澤の家族によって動画に収められ、皮肉にも生野は自らが悪魔に身を貶してまでも完成させようと執念を燃やしたアドデック9が完全な失敗作であるという事実を世に証明する為の最後の実験体となったのだった…

作中で吐き気を催す邪悪(かつ、自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪)か哀しき悪役(見方によっては必要悪と捉える人も存在する可能性すらある)なのか最も判断が難しい人物の一人でもある。

なぜかと言うと、「結果」を度外視して彼の「動機」や「目的」だけを見るならば、

  • 動機:アルツハイマーに苦しめられ人生を棒に振る人間をこれ以上生み出したくない(※)
  • 目的:アルツハイマーに効く画期的な新薬「アドデック9」を完成させ、アルツハイマーに苦しむ人々のために使う

と、責めるべき点が見つからないのである。

(※)

単なる正義感ではなく、生野の母親自身がアルツハイマーの被害者であった。

かつて、アルツハイマーを患った祖父母2人を介護をしていた母親が過労の末、祖父母が他界した直後に息を引き取った……という自身の悲しい過去があり、自分自身もアルツハイマーの被害者であり、アルツハイマーに苦しむ人々を救える世の中に変えたいという想いから研究者になったのである。

(八神と対峙した際に彼自身が語ったことだが、実は過去編でもこの辺りの経緯は語られていたりする)

しかし「結果」に目を向けると印象が180度変わってくる。

  • 新薬を臨床試験抜きで患者に投与(←この時点でルール違反)し、その患者を死に至らしめる
  • その責任を回避するため、無実の大久保を殺人犯に仕立てる
  • 八神の弁護で大久保の疑いが晴れると、大久保を犯人に仕立て直すためだけに寺澤絵美を刃物で刺して殺害
  • アドデック9を守るために殺し屋を雇い、その殺し屋を通じてセンター副所長の端木や新谷弁護士を殺害
  • さらには殺し屋を利用して共礼会のヤクザたちを誘拐し、新薬の被験体(ほぼ確実に死亡)に仕立てる

つまり「苦しめられている人々を救うための新薬を開発する()」ために「生野が不要だと判断した命を片っ端から使い捨てにしている()」のである。

ヤクザを被験体にしたことについて生野は「社会的に悪人とされてるから死んでも心が痛くない」と述べており、これだけなら「ヤクザという存在を許せない潔癖症の正義の味方」ともとれるが、その場合は寺澤絵美や端木や新谷は何だったのかという話になり、明らかに破綻が生じている

これらの「結果」=生野の罪を主に八神が追究しているのが事態をややこしくしている。

八神を主人公にしたドラマ仕立てである都合上、八神の口にした言葉は作中における正義として受け取られがちだが、忘れてはならないのが八神たちの捜査は基本違法スレスレであること。

特に物語中盤で八神たちは生野を追跡するために、行く手に立ち塞がった全く無関係で罪の無い一般の研究員達をなぎ倒すという、これまでの龍が如くシリーズの主人公達も超えなかった一線を超えてしまっている。

また、生野に個人的な恨みを持つ八神の仲間は(独断で)生野を殺害しようとしており、彼に至ってはもはや殺人未遂の罪人である。

八神自身による弁が信用できない以上、生野をどう捉えるかはプレイヤー個々人に委ねられていると考えるのが妥当だろう。

彼の事を「自分のためならば他の人間の都合も考えない悪人」と捉えるか、あるいは「大きな目的のためには少数の犠牲は仕方がない必要悪」と捉えるかは人それぞれである。

理由が何であれ多くの他人の人生を踏みにじったことは決して許されるものではないし、

彼のすがったアドデック9が、最後の最後まで完成することなく、無為な希望をちらつかせながら多くの命を蹂躙した悪魔の薬であったことは事実であるが。

(事実、生野の上司の木戸は裁判で「裁判の直前、生野自身がアドデック9については失敗だったと打ち明けてきた」と証言していた)

一ノ瀬薫との関係(ネタバレ注意)

一ノ瀬は厚生労働省の事務次官であり、巨大なプロジェクトに参加しその利権の恩恵を得るためには手段を選ばない男である。

彼は木戸と生野が打ち明けてきたアドデック9の闇を肯定し、その隠蔽のために羽村とモグラを雇い入れた。

生野が人体実験に用いていたラボも、一ノ瀬の後ろ盾によって手に入れたものであった。

一ノ瀬はいわば、過ちを犯しただけの一般人であった生野に力を貸し、その後の幾多の殺人に踏み切らせたもう1人の黒幕であったと言える。

生野はアドデック9の性能を過信し結果として自ら身を滅ぼす形で死亡したが、一ノ瀬はあくまで利権が目的であったためか自暴自棄にはならず、逮捕されるという結末を迎えている。

関連タグ(ネタバレ注意)

ジャッジアイズ

ショウ・タッカー・・・中の人繋がり。彼もまたベクトルは違えど、自身の研究の為に他者の人生(しかも彼の場合自分の肉親)を狂わせてきたマッドサイエンティストといえる。

新世界の神……前述の実験体にヤクザを使う理由が「悪人だから心が痛まない」というものだが、正直「悪人なら殺していい」という考え方は、別作品の新世界の神と変わらない。そして彼もまた、話が進むにつれて、悪人だけでなく自分にとって不都合となる人物さえも容赦なく手にかける様になってしまった。

生野洋司の編集履歴2021/10/29 22:00:58 版
編集者:SION
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生野洋司の編集履歴2021/10/29 22:00:58 版