演:山田五十鈴
概要
『新・必殺仕事人』にて初登場。三味線屋の勇次を息子に持ち、主水と出会う前から勇次とともに裏稼業を行っていた凄腕の仕事人である。
勇次からは「おっかさん」と呼ばれる他、表稼業では勇次ともども三味線屋の仕事をしているため、世間では「三味線屋のおりく」と呼ばれることも。
仕事人としてはベテランの域に達しており、長きにわたる裏稼業の中で様々な標的を仕留めてきた模様。同じく裏稼業に身を置いていた勇次の実の父親もその一人で、彼を処断したのちに親を亡くした勇次を自ら引き取り育てている。
このことは自身でも勇次からどう思われるか気にしていたようだが、勇次が真相を知った後も幸いにして親子関係が揺らぐことはなかった。
どこかに旅に出ていたり、江戸にいても病で寝込んでいたりすることがあるため、主水や秀、息子の勇次などと比べ自ら裏稼業に出る機会はあまり多くなく、姿を見せない回も珍しくない。これについては演者のスケジュールの都合もあったとのこと。
とはいえそのぶん登場した際にはなかなかの存在感を放っており、また登場しなくとも旅先からの彼女の手紙が事件にかかわってくることもしばしばあった。
主水たちの知恵袋・ご意見番としての言動もあるだけに『必殺仕置人』等の頃の主水に近い立ち位置と言える。
殺し技
三味線の糸によるトリッキーな方法で姿を悟られずに標的を仕留める勇次とは対照的に、基本的に三味線の撥を用いて標的の首筋を正面から斬りつける手法をとる。
直前まで三味線を弾くなどしつつ殺気を一切見せず相手に接近し、油断したところを三味線の糸巻部分で拘束しほとんどその場から動かぬまま一閃のもとに斬り伏せる、というパターンが多い。
場合によっては三味線で相手の反撃をいなしたり、すれ違いざまに仕留めたりすることもある。後者はあまりの手際の良さゆえに「かまいたちの仕業」とさえ噂されるほど。
他の武器を用いることもそれなりにあり、指貫のようなものを使用したり、三味線を持ち込めない牢で代わりに太い針を用いたりといった技も披露している。
余談
演者の山田は『必殺からくり人』シリーズで元締・花乃屋仇吉や主人公の旅芸人・お艶を演じたほか、『必殺仕事人』(無印)の序盤でも主水たちの元締・おとわとしてレギュラー出演していた。
いずれも殺し技などがおりくと共通しており、原型になったキャラクターとも言われている。
ちなみに、この山田とシリーズとの長きにわたる縁は、『必殺必中仕事屋稼業』に娘の嵯峨三智子がゲスト出演した回を見てシリーズの映像美に感銘を受けたことがきっかけであるとのこと。
登場する回のエンドクレジットでは最後尾で登場しており、テロップに特殊な演出が仕込まれている。ちなみに主水役の藤田まことでもシリーズ初期において似た演出が取られていた。