中村吉右衛門
なかむらきちえもん
概要
屋号は播磨屋。
1944年5月22日生まれ。本名は波野(旧姓・藤間)辰次郎(なみの・たつじろう)。八代目松本幸四郎(のちの初代松本白鸚)の次男。二代目松本白鸚は兄、十代目松本幸四郎は甥、松たか子は姪、八代目市川染五郎は大甥にあたる。
1948年、中村萬之助を名乗って初舞台。その後母の父(外祖父)である初代中村吉右衛門の養子となる。1966年に二代目中村吉右衛門を襲名。歌舞伎では、初代と七代目松本幸四郎の当たり役を継承した。
1989年、フジテレビと松竹による鬼平犯科帳(4作目)の、長谷川平蔵を演じるようになる。当たり役となり、お茶の間に広まった。元々1969年から1972年までの1作目を実父の八代目松本幸四郎(作者の池波正太郎も長谷川平蔵のモデルを八代目幸四郎としていた。)が演じており、吉右衛門も平蔵の息子である辰蔵を演じていた。
2011年、人間国宝に認定される。
2013年2月、四女が五代目尾上菊之助と結婚、菊之助の父である七代目尾上菊五郎も人間国宝であることから、人間国宝同士の子女の結婚と話題になった。
2017年、文化功労者に選ばれた。
また、歌舞伎界きっての画家・博学者としても知られており、前出の画業では自ら絵筆をとって個展を開くほどで、これは父である八代目幸四郎が歌舞伎役者・俳優業の傍ら生涯にわたり画業も行っていた影響もある。後出の博学ぶりは『平成教育委員会』、『世界・ふしぎ発見!』、『迷宮美術館』などのクイズ番組で回答者として出演した折にはその博学ぶりでトップ賞を多く獲得するほどだった。また、近年ではNHKテレビのミニ番組タイトルの朗読を行っており、愛称で「漢詩紀行」と呼んでいる。
2021年3月に、東京都内のホテルで倒れて、心肺停止の状態で病院に運ばれた。同年11月28日、心不全のため死去。77歳没。