概要
広義には、人が自動車や電車等に接触する事故を指すが、大抵の場合は電車との接触、特に飛び込み自殺を意味する。
最も多く発生しているのは首都圏で、路線を問わず毎日のようにどこかで人身事故が発生しているため、電車の遅延・混雑・振り替え輸送とセットで日常的な光景となっている。
鉄道会社もホームドアの設置などで対策を図ってはいるものの、そのホームドアを乗り越えてまで線路に侵入する事例もあり、完全な解決策とはなっていない。
世界トップレベルに劣悪とされる日本の通勤ラッシュに、時間に厳しい日本人の国民性が重なり、電車を遅延させることで周囲が被る迷惑は計り知れない。
このため、人身事故が発生した場合に乗客がやることは決まって腕時計の確認と代替ルートの探索であり、自殺者が顧みられることはまず無い。
中にはストレスが爆発して「どうしてくれるんだ」「タクシー代を出せ」などと無関係な駅員に詰め寄る者も出るため、鉄道職員にとっても悩みの種である。
予定が狂うだけならまだしも、目の前で凄惨な一部始終を見せつけられたりと運悪く居合わせた人へのメンタル的な被害も大きい。
その影響を考えれば、まるで自爆テロでも起こしたようなひどい言われようもむべなるかな。
しかし、その場でイライラしていた人も明日は我が身かもしれないことを決して忘れてはいけない。
人身事故を起こす人の中には元々身勝手どころか、むしろ責任感が強過ぎて一度ミスしただけで再起不能になるような性格も少なくないのだから。
鉄道会社でも「人身事故」と称するのが一般的だが、特異な例だとJR東海は「触車事故」と称する。