オーバーブロット
おーばーぶろっと
※本編ネタバレを含みます。
概要
魔法士が魔法の使い過ぎによってその身に起きる現象で、感情と魔力のコントロールを失って暴走してしまう状態。端的に言うと「闇堕ちバーサーカー状態」。
この状態になると黒いオーラが出て服装などがかわり雰囲気も変わる。さらに後ろには、継ぎはぎが目立つ顔がインクツボのようになった不気味なバケモノが現れる。このバケモノは負のエネルギーとブロットが融合して現れる化身と言われている。
なお、そのバケモノはどれもモチーフとなっているキャラクターの姿を思わせる外見をしている。(正確に言うならば最終形態ともいえる姿であり、第三章、第四章、五章のラスボスは普段の姿ではない)
- インクツボの顔をしたバケモノそのものはプロローグのドワーフ鉱山にて登場しており、魔法石を採りに来た主人公達に襲い掛かって来た。此方は魔法石が入ったランタンを持ちツルハシの様な影を振り翳す炭鉱労働者の様な姿だった。後述の黒い石といい共通点が多いが、関係性は語られていない。また、このバケモノの別個体と思しき存在も『バルガスCAMP』にて登場している。
発現する寸前、魔法士本人の身体からインクの様な黒いドロドロが流れだす。
『ブロット』というのは魔法を使うと出てくる疲労物質の事で、例えるなら魔法の排気ガスの様なもの。
普段通りであれば休息で消えるのでこれ自体に問題はない。しかし大量の魔力を持つものが限度をわきまえずに使うことで、魔法士本人の持つブロットの許容量を超えてしまいオーバーブロットが起きる。
負のエネルギーに取り込まれた魔力の影響か、その場の空模様も荒れさせる。
学園長曰く「魔法士が一番避けねばならない状態」。
- 魔法を使用する際、魔法士には魔法石という魔法の発現を助けてくれるアイテムがあるが、魔法石には、ブロットが直接術者の身体に蓄積されないようある程度肩代わりしてくれるリミッターの様な役割も持つ。ブロットが出ると魔法石が黒く濁るので、ブロットの蓄積量が目に見えて解るバロメーターとも言える。ちなみにブロットが溜まりすぎると人によっては吐き気を催すような症状が出るようだ。
もともと魔力量が少なく強力な魔法が使えない一般の魔法士はそうなる前に限界を感じて使えなくなるためそうそう起きるはずのないことであるが、極めて優秀、または規格外な人物は魔力量も多い上に強力な魔法による反動も大きいため可能性も危険性も大きい。ブロットの蓄積は怒りや悲しみなどの負の感情と比例するため、何かしらの負の感情を抱えてしまっている人物は特に危険。
- 例として、二人目の人物は他の例と違い(そこそこの規模だったとはいえ)劇中で魔法を初めて披露したのは終盤であり、そこから周りに責められ一気に悪化したという経緯であり、魔法の使用回数よりも精神状態に左右される面があるらしい。五人目の人物も強力な魔法こそ使用したものの、一度だけで普段より効力が増しており、そこからより感情が暴走してオーバーブロットを起こした。
学園長は魔力を使い切る事による命の危険以上の事態に極めて恐怖しているようだが…?
こうなるとゲーム上ではターン数無制限のバトルが発生し、勝つか負けるまで終わらない。
但しドワーフ炭鉱の怪物や四人目の人物の様に最初は5ターン制限(シナリオ上では負ける)、リベンジでターン数無制限と2回に分けて繰り広げられるケースもある。
日頃からあまり授業を行なっていないプレイヤーが詰まりやすい敵でもある。
この状態になった人物を撃破して元に戻すと、謎の黒い石が発生する。ドワーフ鉱山のバケモノも同じようなものを残していたがやはり関係性は不明で、毎回グリムが食べてしまう為調査も行われていない(グリム曰くそれぞれ違う味がするが美味らしい)。
ただ第二章で学園長が黒い石を探していたり(グリムが先に見つけて美味しいからと隠していた)、第三章ではレオナがグリムが黒い石を食べているのを見て何か考え込んでいた描写があるなど、少なくとも学園長とレオナは何か心当たりがあると思われる。
第四章ではいつものように騒動が終わったあと、黒い石を探すグリムであったが、探す様子はいつもの様子と異なり異常に黒い石を求めていた。
尚、『バルガスCAMP』のドワーフ鉱山のバケモノは倒しても黒い石が出て来た描写は見られなかった。
第六章にてそれがブロットの結晶の可能性があると言うことが判明。ごく希に起きる現象らしいがオーバーブロットそのものが希な現象らしく(ただし監督生は本当に希なのか? と、尋ねている)そのブロットの結晶もあまり事例が無いらしい。
本来ならばそうそうめったに起きることではないらしいのだが、主人公が学園に現れてから高頻度で起きている。偶然なのか必然なのかは不明。(ただし原因を突き詰めたり考えたりすると学園長にも一因があるのが数名いる。学園長がどうしようもない理由の者もいるが……)
第六章にてブロットを研究する機関が存在することが判明する。そしてオーバーブロットをしてもうどうしようもなくなったものをその研究機関があるある島へと強制的につれていくらしい。レオナ曰く、連れて行かれて帰ってきた魔法士はいないらしい。本来ならどうしようも無い状態であり今までのオーバーブロット被害者は正気に戻りまたちゃんと精神鑑定などを受けて問題なしと言うのがあったのだが……。
その後、6章にて後ろの存在が通称、ファントムと呼ばれていることがわかる。オーバーブロットで魔力がつきた場合、その後ろの存在が自由となり元となった魔法士は吸収される形で死亡するという。そうなったファントムを捕獲している組織もある。ただしごく希にそのことが自由になっていてさまよっているファントムが山奥などの僻地に存在している。
余談
- ゲーム上の演出
ブロットが溜まっていく描写は、黒いインクのようなものがポタポタと落ちてきて、ストーリーが進むにつれ落ちてくるインクの量が増えていくことで表現されている。
そしてオーバーブロットの際はたくさんのインクが落ち、画面が真っ黒に塗りつぶされ、発現者の魔法石が黒く染まる。
しかし上記のように、ストーリー途中ではそこまで魔法を使っていなかった人物がオーバーブロットすることもあるので、この演出“だけ”で誰がオーバーブロットするのか見分けるのは極めて難しい。
- 現場の状況
現場はいずれも各寮内という学園内とは別の空間にある場所で、当事者や関係者、主人公達にしか事件の内容は知られていない。
5章では全校生徒だけでなく外部の者達も多く集まっている中、野外のコロシアムで起きてしまう。衆目に曝されてしまうのかと思いきや、トラブルを予感していたジャミルによって事前に人払いされていたのもあり、当事者の魔法の効力と、外に被害が出ないよう張られているコロシアムの特殊な結界のお陰で外部に知られずに済んでいる。コロシアム内では豪雨になっていたがこの事から外では変わらず青天だったという事になる。
収束後になって内部に入ったマレウスによると、外ではオーバーブロットが起きる程の巨大な魔力反応に自分も含めて誰も気付かなかったのだそうだが、本当に当事者の魔法とコロシアムの結界のお陰なのかは不明。但し強力な魔力の残滓は残っていたらしく腕の良い魔法士などはその違和感に気づいていた(マレウスの大掛かりな魔法によるステージの修復によるものという可能性もあるが)。
- ちなみに
ファンからの略称は「オバブロ」。
関連イラスト
禍々しくも美しいその姿はファンを魅了し、本編でオーバーブロットを起こした人物だけではなく、その所属寮の他生徒などの創作(オバブロ妄想(捏造))もされている。
ちなみに興奮状態からか荒野の反逆者の例を除いて、目をひん剥いたり等インパクトのある顔をする事がある。
関連タグ
幼児:感情を爆発させて癇癪を起こした様だとそう言われる事も……。
幼児退行:5章現在の時点で、起こしてしまった人物たちはいずれも幼少期からの因縁が関わっている為、内心このような状態になっているのかもしれない。(特に一人目と三人目)
オバブロ組:経験者達のグループタグ。
ドッペル(マギアレコード)……魔法を行使するための石に、魔力の過剰行使・精神ダメージ・負の感情が要因で汚れが限界まで溜まることで発動し、過去のトラウマや願望に基づいた異形の分身体の様なものが現れて多大な力を振るい、場合によっては周囲のみならず発動者に危害をもたらす可能性がある点が共通。本人もろとも変貌して制御が効かず、倒すと黒い石を落とし、それを人でないものが回収する点は魔女化に似ているが、可逆性がある(元の人間に戻れる)ことを考えるとこちらの方がより近い。
腹筋がオーバーブロット:腹筋が笑いの許容量を越えた現象。心身共に健康状態に問題は無し。
涙腺がオーバーブロット:感動や悲しみ等で涙を堪えられる許容量を越えた現象。悲しみの場合シャレにならない気がする。