概要
まだティラノサウルス科が反映する前の白亜紀後期初頭（約9000万年前）のウズベキスタンに生息していた、カルカロドントサウルス科に属する獣脚類。
化石自体は1970年代から1990年代の間にソビエトの研究者により上顎骨の部分が発見されていたものの、その後未同定のまま保管された状態のままになっていたが、2021年に筑波大学と北海道大学などの研究チームにより新種と認められ、同年にウルグベグサウルス・ウズベキスタネンシスと命名された。
属名は15世紀にウズベキスタンを統治していたティムール王朝の君主にして、天文学者・数学者でもあったウルグ・ベクに由来する。
化石は現在のところ、部分的な上顎骨のみしか見つかっていないが、それを基に推測すると全長7.5～8m・体重1t以上の中型肉食恐竜と考えられ、ウズベキスタンに棲息した獣脚類としては現在のところ最大である。
また同じ地層からは、ティラノサウルス上科のティムルレンギアも見つかっていることから、カルカロドントサウルス科は大型化する前のティラノサウルス上科よりも高次の捕食者として約9000万年前まで共存しており、頂点捕食者の座が入れ替わったのはそれ以降である事が示唆されている。
