概要
製薬会社や医療機関が開発する医薬品は人体に投与しなければわからない効果があり、投与した後に多かれ少なかれ効果が可視化されるが、中には人体に有害な副作用も露呈する医薬品も存在する。
研究中に判明した副作用であれば、開発中止で済むのだが、実用化した後に露呈した副作用の場合は当然ながら開発した側が責任を追求されるため、開発した側が保身のために副作用を隠蔽して被害を拡大させる事も少なくはない。
そのためか、薬害が可視化しても被害者が泣き寝入りを強いられて有耶無耶にされたり、後々になって因果関係が認められたりする等、後手に回るケースが多い。
薬害一覧
- アスピリン(1918年)
過剰摂取で多くの死者が出したが、当時の世間は伝染病によるスペイン風邪と思い込んでいた。
- サリドマイド(1961年)
睡眠剤とした服用した妊婦から奇形児が生まれた。
- スモン(1970年)
風邪や整腸剤として服用した事による抹消神経障害が報告されたが、当時の厚労省は伝染病と見なしていた。
- 筋短縮症(1973年)
筋肉注射を受けた児童の手足が動かなくなる。
- 薬害エイズ(1983年)
アメリカ製の売血加熱製剤でエイズが発症。後々になって因果関係が認められた。
- MMRワクチン禍(1989年)
ワクチンの副作用で髄膜炎や脳症。
- 薬害ヤコブ(1996年)
手術に使用する乾燥硬膜でヤコブ病。
- 薬害肝炎(2002年)
血液製剤でC型肝炎。薬害エイズと同様に後々になって因果関係が認められた。
- 薬害イレッサ(2002年)
抗ガン剤を投与した患者が死亡。
薬害を扱ったフィクション
ファイル5「学園七不思議殺人事件」で登場した高畑製薬が30年前に新薬の人体実験に参加した被験者6人を死なせて会社側が被験者達の遺体を校舎に埋めていたが、その隠蔽工作が30年後に起きた学園七不思議殺人事件の遠因となり、事件解決後に被験者達の遺体が掘り起こされた。
なお、高畑製薬は隠蔽工作の後に関係者が全員亡くなって社名が変わっていたため、法の裁きは免れたものの、学園七不思議事件で30年前の薬害が公になった事で信用がガタ落ちになった模様。
作中ではラクーンシティ事件の後に薬害やバイオテロを救済する団体であるテラセイブが登場していた。