概要
薬剤やワクチンは『病原体への攻撃』『対症』『抗体をつける』といった目的をもって服用、摂取されるが、同時に副次的な効果が発生することがある。それらは全て正常な作用や反応であるが、主たる目的ではないという意味で『副』を付けて呼称される。
これらのうち、薬剤は『体に作用する物』という考えで『副作用』、ワクチンに関しては『体の反応を促すもの』という考えで『副反応』と呼称する。
要するにワクチンの場合は副作用を副反応と呼び変えるといった形で認識しておけば問題ないだろう。
また、医療の場においても国内外問わずワクチンに対して副作用を使用することもあり、然程厳密に使い分けられているわけではない。一般の人なら猶更厳密に考える必要はないだろう。
誤解
ここでは『副反応』という言葉に対する誤解を紹介する。
新型コロナウイルスワクチンに対して使用されるものである
副反応という聞きなれない言葉が注目されたのが新型コロナウイルスワクチンの集団接種であったため誤解されがちだが、副反応とはそれ以前からワクチンに使用されてきた用語である。
また、時折『副作用という言葉は好ましくないので副反応という呼称に変えた』と言われることもあるが、そういった事情ではない。
上記のように厳密に使い分けられてきた用語でなく、医療従事者でも伝わりやすさを優先して『インフルエンザワクチンの副作用』などと患者に伝えてきた経緯があるのでこれまで日の目を見なかっただけなのだが、政府や報道各社が厳密な用語を使用したため急に出てきたように見えることが影響していると思われる
体に害のある効果である
注意喚起に使用されるため体に害のある効果が列記されるが、仮に体に対して良い効果が発生したとしたらそれが『病原体への抵抗力の獲得』というワクチン本来の目的以外の物であれば副反応と呼称される。
想定されていない効果である
基本的には最初から織り込み済みの反応である。
こう表現すると非道の治療法のような誤解をも受けるが、これは薬剤も同じく体に物を入れる以上避け得ない効果である。いわば食品における『栄養摂取以外の効果』とも例えられるだろう。
副反応が軽微である、もしくは効果に対してメリットが上回ると判断された場合にワクチンとして世に流通するのである。
ただし、人の体質が大きく関わるため本当に想定外の副反応が発生したり、想定より重度になることはあり得る。また、長期にわたって影響が出るなどして運用後に臨床試験段階では確認できなかった副反応が出てしまう場合も稀にある。