概要
生長の家は1930年に元大本の信者であった谷口雅春が立教した新興宗教である。立教時からエコロジー色はあったが、特に三代目の谷口雅宣の総裁就任以来エコロジー色を強めており、大正大学教授の寺田喜朗は「最も積極的に環境問題に取り組んでいると目される宗教団体」としている。
「万教帰一」を教義としているため、他の伝統宗教や新興宗教の信者に改宗を求めることは無い。また結婚式や葬式についても多くの信者は自身の家が信仰する伝統宗教の様式で行っている。
これについては、戦前の日本では信教の自由が制限されるなど宗教への偏見が今以上に強く、さらに初代総裁の谷口雅春自身が新興宗教に偏見を抱いていたため宗教を名乗ることには否定的であったが、文部省からの要請で宗教団体法の適用を受けたという経緯がある。もっとも戦後は生長の家が神社を設立することもあり、そこでは神道式の結婚式が行われることもある。
かつては自由民主党の支持母体であったが1985年に訣別、それから30年以上経過した2016年には明確に自民党・公明党への不支持を唱え日本会議を批判、2017年には憲法9条改正への反対まで表明、2021年には立憲民主党の青年組織である立憲ユースの副代表を輩出するなど、完全に野党(特に立憲民主党)支持の宗教団体となっているのであるが、天皇を崇敬するなど保守的な要素を完全に捨てたわけでは無いこともあり、反天皇を訴える左翼(と言うよりも極左)を中心に(対立しているはずの)日本会議と同一視して攻撃する者も少なくない。
教義
生長の家の教義は「唯神実相」「唯心所現」「万教帰一」の3つを基本とする。
「唯神実相」とは「本当に存在するものは唯、神と神の作られた完全円満な世界だけである」と言う意味で、本来全てのものは神と一体であり、この世の中の様々な悪現象は(神が創ったものでは無い以上)実在しない、という徹底した唯一絶対神への信仰である。
「唯心所現」とは「この現象世界は人間の心によって作り出している世界であるという教え」であり、この世界の悪現象は全て人類の心の反映であって本来の姿(実相)ではないとしている。
「万教帰一」とは「一つの教えが万の教えとして展開している」と言う意味で、唯一絶対神は一つしか存在しない以上、全ての宗教が礼拝する神は本来一緒であるということになる。それが違うように見えるのはこの現象世界において人々の心がバラバラだから違うように見えているのである。
歴史・政治
1930年に既に大本を脱退していた谷口雅春が立教した。大本は神道系の新宗教であったが、谷口雅春はユニティ教会やクリスチャン・サイエンスといったニューソートの影響を受け、「全ての宗教は本来一つである」と主張した。
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