概要
アレルギーそのものの解説については当該項目を参照のこと。
子供から大人まで幅広い世代に分布するが、多くは乳幼児期に発症し、成長するにつれて有病率が減っていくとされる。
症状としては、代表的なものとしてアトピー性皮膚炎や喘息、粘膜の炎症などが挙げられる。また、食品によってはアナフィラキシーショックを発症しやすく、最悪の場合命を落とす危険性もあるため十分注意が必要である。
基本的に「食べること」によって発症するが、中には「食べることは問題ないが、触ると皮膚に炎症が起こる」という人や、「十分に加熱してあれば少しなら食べられる」という人もいる。逆に「調理中の店の前を通っただけで発症した」というような人もおり、実際の症状は千差万別である。
なお、中には食後にアレルギー反応らしいものが見られたが、実際にアレルギーを抱えているとは限らないケースもある。例えば乳(牛乳)に関して、アレルギーではないが、特定の消化酵素が少ないことで腹痛などが起こる乳糖不耐症を持っている人も多く、乳を摂取したときに体調を崩すという共通点はある。
対策として、基本的には原因となる食品を必要最小限に除去する(要は食べない)ことが挙げられる。
しかし、症状が重いタイプの場合、匂いや調理中の蒸気や排煙(アメリカでは死亡例も)、一度でも原因食品が触れた食器・調理器具で発症することもある為、前者の場合はその場から避難させる、後者の場合は食器・調理器具を別途用意する等の対策が必要となる。
具体例としては、そばアレルギーを持つ人が「そばとうどんを同じ調理場で茹でている」ような店について、うどんを食べることはおろか店に近づくことさえ難しい、というようなことが挙げられる。
また、特に穀物などの場合、近くに畑があり、風で微粒子が流れてきて、それを吸い込んでしまうことでアレルギー症状が誘発される、という人もいる。
複数の食品にアレルギーを持っている(成長と共に複数の食品に反応するようになってしまう)人も少なくない。
なお、治療法の一つに『経口免疫療法』(アレルギーの原因となる食品をごく少量ずつ食べさせ、体を慣らして免疫反応を少しずつ改善していく)があるが、医者の処方・指導以外で勝手に行ってはならない。
複数のアレルギー症状が出ている場合や、さまざまな材料を使った料理で反応が出た場合、アレルギーの原因となった食品などについてなかなか特定が難しいこともある。検査については自己判断でせず、かならず医師の診断を受けること。
アレルギーを引き起こす食品
ここでは、特に症例が多く報告されている一般的なものを挙げる(※「エスカルゴアレルギー」など、患者数が少なく地域や文化的な差があるものもあるため)。
日本の食品販売の場において、特定原材料として表示が義務付けられているものは太字で紹介する。また、ここでは詳しく紹介しないものの、肉類や果物・野菜など「特定原材料に準ずるもの」として、表示が勧奨されている食品もある。
- 卵
全卵・卵黄・卵白 いくら タラコ
- 乳
牛乳
- 穀物・芋類
小麦 そば(蕎麦) ゴマ 米 オオムギ(大麦) アワ(粟) ヒエ(稗) キビ(黍)
やまいも トウモロコシ ジャガイモ サツマイモ
- 豆
落花生 大豆 インゲン エンドウ
- ナッツ類
カシューナッツ くるみ アーモンド ココナッツ
- 魚介類
えび かに いか タコ
あわび カキ ホタテ あさり
サケ サバ アジ イワシ タラ マグロ
- 肉
牛肉 鶏肉 豚肉
- 野菜・果物
オレンジ キウイフルーツ バナナ もも りんご クリ(栗)イチゴ メロン マンゴー
アボカド セイヨウナシ トマト セロリ パセリ タマネギ スイカ ニンジン カボチャ
ホウレンソウ タケノコ ニンニク
- その他
まつたけ ゼラチン カラシ ワサビ カカオ(チョコレート・ココアなど)
関連項目
侵略!イカ娘…イカのキャラクターが主役だが、作者の安部真弘はイカアレルギー持ち。
猫猫(薬屋のひとりごと)…野草・調合薬の薬効や毒蛇・毒虫・毒草・毒薬の毒効を、自分の体を使った人体実験で試したが、蕎麦だけはどうしてもダメ。
大原優乃…重度の魚アレルギーで、魚を扱った調理器具で作られた肉料理や、調理中の排煙などでも発症してしまう。このため、ドラマ版ゆるキャン△に出演した際は魚を扱うシーンで特別な配慮がなされた。→メシキャン△